ラッキースケベ
ラッキースケベ (lucky sukebe) とは、日本の少年漫画や少年向けアニメなどにおいて、平凡な主人公の少年が偶然、女性の素肌に触れてしまったり、見てはいけない箇所が見えてしまったりするスケベな出来事[注 1]を、現実世界から見て端的に表現した語句。
概要
編集サイバードのウェブマガジン「numan」によれば、ラッキースケベに遭う者が「もともとがスケベすぎる性格だとラッキースケベとは呼ばれない」とされており、自分から求めた結果を指しているわけではない[1]。また、少女漫画では滅多に起こり得ず、BL漫画では起こり得るという[1]。現実世界にて用いられた最初の例は不明であるが、架空世界にて用いられた最初の例は2004年放送のテレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』であるという[1]。
今日では個人が該当シーンを紹介する際に用いられるだけでなく、作品が公的に紹介されるインターネットのニュースサイトでも用いられる例[2][3][4][5][6]、ラ行変格活用のように用いられる例[7][8][9]、企業による一般向け作品や成人向け作品のタイトル名に用いられる例[10][11][12]、セクハラの形容詞として用いられる例[13][14]、ラブコメにおける体質として用いられる例[15][16]、コスプレイヤーやグラビアアイドルの艶姿を紹介する際の形容詞として用いられる例[17][18]もあるなど、散見されるようになっている。また、2016年の漫画『ゆらぎ荘の幽奈さん』のキャラクター表現を巡る論争では弁護士やジャーナリストの私見に用いられており、それが引用される形での報道もされている(詳細はゆらぎ荘の幽奈さん#論争を参照)。さらに、その1人である弁護士の太田啓子には、2020年にも「仮にアクシデントであっても、女性が意に反して裸や下着を見られてしまうというのは、性被害です」「性被害を『エロいシーン』として描くというのは、性被害の認識を矮小化させる描き方です」と酷評されている[19]ほか、同年12月の配信ドラマ『快感インストール』における「ラッキースケベ」も、「同意のない性的接触を娯楽として誰でも見られる媒体で発信することは、現実の性暴力被害を軽視する感覚を形成、助長することに繋がりかねない」と酷評されている[20]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c “ラッキースケベ(らっきーすけべ) 用語集”. numan (サイバード). (2017年9月9日) 2019年11月2日閲覧。
- ^ “お嬢様がラッキースケベに憧れる「お嬢様はラブコメの主人公になりたい!」開始”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年1月30日) 2019年11月2日閲覧。
- ^ “歩くラッキースケベな先輩は、本当はひとりぼっち 「手品先輩」の喜劇と悲運”. ねとらぼ (アイティメディア). (2019年7月16日) 2019年11月2日閲覧。
- ^ “いろんな意味で実写化できなそうと思う漫画ランキング”. gooランキング. NTTドコモ (2019年7月19日). 2024年6月25日閲覧。
- ^ “エレメンツリー、『ビースト×ライト』にて10月復刻イベント「びぃすと×すっぱだかあにばる」を配信開始”. Social Game Info (ソーシャルインフォ). (2019年10月4日) 2019年11月2日閲覧。
- ^ “絶賛中二病少年とカースト最上位美少女の格差ラブコメがとにかく“きてる””. ダ・ヴィンチニュース (KADOKAWA). (2019年10月5日) 2019年11月2日閲覧。
- ^ “悠木碧、「“ラッキースケベられ”は最高」 アニメ『炎炎ノ消防隊』で環古達役”. ORICON NEWS (oricon ME). (2019年2月26日) 2019年11月2日閲覧。
- ^ “『俺を好きなのはお前だけかよ』小説最新刊(12巻)までのあらすじまとめ”. アニメイトタイムズ (アニメイト). (2019年10月4日) 2019年11月2日閲覧。
- ^ “胸も尻もお触りOKだった!? 本田翼がドラマ初回の“ラッキースケベられ要員”に定着か”. 日刊サイゾー (サイゾー). (2020年1月8日) 2020年3月24日閲覧。
- ^ “お前を、祝ってやろうか!? 1.ラッキースケベの呪いを解いてくれ!”. 講談社. 2019年11月2日閲覧。
- ^ “あん♡ラッキースケベが止まらない!”. 一迅社. 2018年9月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月25日閲覧。
- ^ “ラッキースケベの検索結果”. FANZA. 2023年4月19日閲覧。
- ^ “盗撮、セクハラ…スカート制服に悩む女性たち。JR東日本はスカートを廃止”. Business Insider Japan (メディアジーン). (2019年11月29日) 2020年3月24日閲覧。
- ^ “有村架純も被害者… 美人女優に“パイタッチ”したセクハラ男たち”. まいじつ (日本ジャーナル出版). (2020年2月24日). オリジナルの2021年2月26日時点におけるアーカイブ。 2024年6月25日閲覧。
- ^ “男女逆転ラッキースケベ「まとめ★グロッキーヘブン」新刊、プレゼント企画も”. コミックナタリー (ナターシャ). (2017年4月9日) 2023年4月19日閲覧。
- ^ ““ラッキースケベ体質”のカップルを描くラブコメ「センパイ! わざとじゃないんです!」”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年10月6日) 2023年4月19日閲覧。
- ^ “えなこ、ラッキースケベな制服パンチラにファン歓喜”. WWS channel (WWS JAPAN). (2023年8月2日) 2024年2月4日閲覧。
- ^ “ラッキースケベのチャンス到来!!天羽希純、たわわなおっぱいと男湯にIN!!”. WWS channel (WWS JAPAN). (2023年10月3日) 2024年2月4日閲覧。
- ^ “家庭内から少年誌の性表現まで…社会に根付く「有害な男らしさ」 太田啓子弁護士が語る「子育て論」”. 弁護士ドットコムニュース (弁護士ドットコム). (2020年9月11日) 2020年10月3日閲覧。
- ^ “「ラッキースケベ」描写、何が問題ですか。太田啓子弁護士に聞いた”. ハフポスト日本版 (BuzzFeed Japan). (2020年12月1日) 2022年12月1日閲覧。