ラインアンドスタッフ

組織形態のひとつ
ライン部門から転送)

ライン・アンド・スタッフ (line and staff) は、組織形態の一種。もと軍事用語であり、ラインは現場の兵科将兵、スタッフは参謀の意。

ライン部門ライン・ファンクション)とスタッフ部門スタッフ・ファンクション)という言い方もする。

概要

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ラインとは業務の遂行に直接かかわるメンバーで、階層化されたピラミッド型の命令系統を持つ。それに対しスタッフは、専門家としての立場からラインの業務を補佐するが、ラインへの命令権を持たない。

元来は軍隊で生まれたモデルで、軍隊ではスタッフのことを参謀と呼ぶ。

ラインのみからなる組織に比べ指揮官が過負荷になりにくく、またライン的な命令系統を保ったまま専門的な助言を生かせる。欠点としては、ラインとスタッフのバランスが難しく、互いの職能への介入や対立を招きやすいなどがある。

組織論においては、ライン・アンド・スタッフ型組織において、実務を担当するラインに対し補佐的な役目をスタッフと呼ぶ。これは軍隊参謀(スタッフ)を一般化した概念である。企業では、ラインは商品を直接製作・販売・営業するのに対し(購買物流、経理事務等のサービス部門もラインに含まれる)、スタッフはその商品の企画や、購買層の調査、それによって得られた情報アドバイス、計数管理、人事、法務、総務等を行い、または直接的な制作の補佐や助言をする。会社の規模が大きくなってくるとスタッフが必要となるが、通常、スタッフ部門はライン部門から独立しており、また、両部門の関係は対等なものである。利益を生み出すプロフィット部門(ライン部門)に対してノンプロフィット部門(スタッフ部門)と呼ばれる。