ライン川左岸線(ラインがわさがんせん、ドイツ語: Linke Rheinstrecke)は、ドイツケルンからライン川沿いのボンコブレンツビンゲンを経由してマインツへ至る鉄道路線である。

ライン川左岸線
レマーゲン付近
基本情報
通称 ケルン - ビンゲン線
ドイツの旗 ドイツ
所在地 ノルトライン=ヴェストファーレン州
ラインラント=プファルツ州
起点 ケルン
終点 ビンゲン
路線記号 2630(ケルン - ビンゲン)
2638(ケルン中央駅 - 西駅)
路線番号 470、471
開業 1844年
所有者 ドイツ鉄道
運営者 ドイツ鉄道
路線諸元
路線距離 154 km
軌間 1,435 mm(標準軌
線路数 複線
電化方式 交流15,000V
最高速度 160 km/h
路線図
Linke Rheinstrecke map
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停車場・施設・接続路線
STR STR
K-D線K-G線K-RM高速線
SBHF BHF
-2.0 ケルン中央駅
SBHF STR
ケルン・ハンザリング
STRr ABZgr
下ライン左岸線K-A線
BHF
1.1 ケルン西駅
BHF
3.2 ケルン南駅
mKRZo
フォアゲビルク鉄道(ケルン=ボン地域電車)
STR exKBHFa
旧ケルン・パンタレロン 旧BCE駅
ABZgl xKRZ
貨物環状線
eABZg+l exSTRr
SKRZ-Au
自動車道A4
BHF
9.4 ヒュールト・カルショイレン
ABZgl
ヒュールト - エーラング線
DST
12.1 ブリュール貨物駅
ABZgl
ブリュール連絡線
KRZo
ブリュール横断線
BHF
14.6 ブリュール
BHF
19.5 ゼヒテム
BHF
25.8 ロイスドルフ
mKRZo
フォアゲビルク鉄道(ケルン=ボン地域電車)
ABZg+r
フォアアイフェル線
DST
31.1 ボン貨物駅
BHF
31.9 ボン中央駅
eABZgl
旧ボン - オーバーロード連絡船
HST
34.5 ボン国際連合キャンパス
DST
37.2 ボン・バート・ゴーデースベルク北駅
BHF
39.0 ボン・バート・ゴーデースベルク
BHF
41.3 ボン・メーレム
DST
43.6 ボン・ノイアー・ヴェク
STR+GRZq
DE-NW / DE-RP
HST
45.9 ロラントゼック
HST
48.2 オーバーヴィンター
BHF
52.7 レマーゲン
ABZgr
アール谷線(アールブリュック方面)
eKRZu
旧アール谷線
eABZg+l
旧ルデンドルフ鉄橋経由
BHF
56.7 ジンツィヒ
HST
62.5 バト・ブライジヒ
KRZu
ブロール谷線(狭軌)
BHF
65.7 ブロール ブロー谷線乗り換え
HST
69.2 ナメーディ
BHF
73.2 アンダーナッハ
ABZgl
アンダーナッハ港方面
ABZgr
アイフェルクヴェーア線
BHF
76.9 ヴァイッセントルム
BHF
81.6 ウアミツ
STR+l KRZu ABZq+l
ノイヴィート方面
BST STR STR
コブレンツ=ウンターヴェアク
STR STR ABZgl
コブレンツ=ライン川港方面
eABZg+r STR STR
旧コブレンツ・ルィーツェル-マイエン東線
DST DST DST
87.0 コブレンツ・ルィーツェル北駅
STR STR DAMPF
DB博物館 旧車両基地
eABZg+r ABZg+l STRr
マイエン方面
BHF BHF
89.4 コブレンツ・ルィーツェル
hKRZWae hKRZWae
モーゼル川
eKRZo eKRZo
旧ライン港線
STR eBHF
旧コブレンツ・ライン駅
ABZgr STR
コブレンツ・モーゼル貨物駅方面
HST HST
90.5 コブレンツ市内
STR eABZgl exhKRZWaeq
旧連結線(旧プファッフェンドルフ鉄橋経由)
ABZg+r STR
モーゼル本線
BHF BHF
91.2 コブレンツ中央駅
STRl KRZu hKRZWaeq
連結線(ホルヒハイム鉄橋経由)
DST
94.3 コェニクスバッハ
BHF
99.8 レンス
HST
103.3 シュパイ
STR+r STR
フンスリュク線
BHF BHF
110.7 ボッパート中央駅
KHSTe STR
111.4 ボッパルト南駅
HST
115.6 ボッパルト・バート・ザルツィヒ
HST
119.4 ボッパルト・ヒルツェナッハ
DST
122.4 ヴェアラウ
BHF
125.3 聖ゴアー
TUNNEL1
バンクトンネル(367 m)
ÜST
127.4 ウアバー北信号所
TUNNEL1
ベフトトンネル(236 m)
TUNNEL1
カメレックトンネル(289 m)
ÜST
128.8 ウアバー南信号所
BHF
132.1 オーバーヴェーゼル
BHF
138.5 バハラッハ
BHF
142.0 ニーダーハイムバッは
BHF
146.6 トレヒティングスハウゼン
DST
150.6 ビンゲン Vorbf.
BHF
152.0 ビンゲン (ライン) 中央駅
ABZgr
ナーエ谷線ビンゲン - マインツ線
  • 出典: ドイツ鉄道地図[1]

ケルン-ライン=マイン高速線開通以前のドイツ西部における長距離旅客輸送の主要路線の1つであった。この路線は対岸のライン川右岸線とともに世界遺産に指定されたライン渓谷中流上部の地域を通過しており、ドイツで最も風光明媚な路線の1つとして知られている。

路線概況

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ライン川左岸線は総延長185kmの複線路線で、1959年に電化された。ドイツ西部の南北を結ぶ主要幹線であり、ルール地方南ドイツを結ぶインターシティが高速新線開通以前は毎時3本運行されるなど、旅客輸送の動脈として利用されていた。

ケルン-コブレンツ間とビンゲン-マインツ間では最高速度160km/hでの運行に対応しているが、蛇行するライン川に沿うコブレンツ-ビンゲン間は曲線区間が続き、急峻な地形も相まって拡張が困難であった。この区間は列車本数の増加とともにボトルネックとなり、拡張工事にも莫大な費用がかかることから、ケルンとフランクフルト・アム・マインを結ぶケルン-ライン=マイン高速線の建設によりボトルネックの解消が図られた。高速新線開通後は同線に最速の座を譲り、全線を直通するインターシティの本数は減少したものの毎時2本が引き続き運行されている。

地域輸送はDBレギオエメリッヒ アム・ラインからケルン経由でコブレンツまでを結ぶレギオナルエクスプレスを毎時1本、私鉄のトランスレギオ社が全線で地域輸送列車を運行している。ケルン - レマーゲン間ではドイツ鉄道による普通列車も運行される。

貨物列車の運行は従来より対岸のライン川右岸線が中心であったが、左岸線での運行本数も旅客列車の運用減に代わって増加している。

歴史

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現在のライン川左岸線は、3つの異なる鉄道会社が建設した区間により構成されている。

ボン・ケルン間は1844年2月15日にボン・ケルン鉄道会社(BCE)により開業し、ケルン側のターミナルとしてダウンタウンの南にケルン・ザンクト・パンタレオン駅が設置された。 1856年1月21日には、ライン川沿いに南進しローランまで延長されている。

1857年1月1日にBCEとその路線がライン地方鉄道会社(RHE)に継承され、1858年にはレマーゲンアンダーナッハを経由しモーゼル川を渡った先のコブレンツまで到達した。1859年12月15日にはケルン中央駅への乗り入れを果たし、同時にコブレンツ-マインツ間の渓谷区間が開通している。

一方ビンゲン - マインツ線は1859年10月17日にヘッセ・ルートヴィヒ鉄道のマインツとザールブリュッケンの炭鉱を結ぶ路線の一部として開通しており、前述の渓谷区間の開通をもってケルン-マインツ間が全通した。

沿線風景

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ライン渓谷中流上部を通るこの路線はドイツで最も風光明媚な鉄道の一つとされており、観光路線としての性格も有している。ビンゲン - コブレンツ間の渓谷は、2002年1月にユネスコの世界文化遺産に指定された。

左岸線の車窓からは対岸の山々にそびえ建つ古城群やローレライの岩山を、また狭い谷の斜面には多くの森林やぶどう畑を望むことができる。

運行形態

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遠距離輸送

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この路線にはIC列車がICE列車を合わせて、一時間に一本以上通行する。[2]

  • ICE 91; ドルトムント - エッセン - ドュースブルク - ドュッセルドルフ - ケルン - ボン - コブレンツ - マインツ - フランクフルト空港 - フランクフルト - ハナウ - ヴュルツブルク - ニュルンベルク - レーゲンスブルク - プラトリング - パッサウ - ヴェルス - リンツ - 聖ポェルテン - ウィーン・マイドリング - ウィーン。一日2往復。使用車両はICE T
  • IC/EC 30; ハンブルク - ブレーメン - オスナーブリュク - ミュンスター - ドルトムント - エッセン - ドュースブルク - ドュッセルドルフ - ケルン - ボン - コブレンツ - マインツ - マンハイム - カールスルーエ - バーデンバーデン - フライブルク - バーゼル - ツュリヒ或はインターラーケン。120分間隔。
  • IC 31; ハンブルク - ブレーメン - オスナーブリュク - ミュンスター - ドルトムント - ヴッパタール或はドュースブルク - ケルン - ボン - コブレンツ - マインツ - フランクフルト空港 - フランクフルト。120分間隔。
  • IC/EC 32; ドルトムント - エッセン - ドュースブルク - ドュッセルドルフ - ケルン - ボン - コブレンツ - マインツ - マンハイム - シュトゥットガルト (- ウルム - クラゲンフルト或はインスブルック)。120分間隔。
  • IC 35; エムデン - リンゲン - ライネ - ミュンスター - レクリングハウゼン - ゲルゼンキルヘン - オーバーハウゼン - ドュースブルク - ケルン - ボン - コブレンツ (- マインツ - マンハイム - シュトゥットガルト或はコンスタンツ)。120分間隔。

地域輸送

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  • 快速列車(RE 2); コブレンツ - ボッパート - オーバーヴェーゼル - ビンゲン - インゲルハイム - マインツ - フランクフルト空港 - フランクフル。120分間隔。使用車両はDB429形電車
  • 快速列車(RE 5); ヴェーゼル - ディンスラッケン - オーバーハウゼン - ドュースブルク - ドュッセルドルフ空港 - ドュッセルドルフ - レーヴァークーゼン=ミッテ - ケルン・メッセ/ドイツ - ケルン - ブリュール - ボン - オーバーヴィンター - レマーゲン - アンダーナッハ - コブレンツ。60分間隔。使用車両はDB146形電気機関車と制御装置付き二階建て客車。
  • 普通列車(MRR 26); ケルン・メッセ/ドイツ - ケルン - ブリュール - ボン - オーバーヴィンター - レマーゲン - アンダーナッハ - コブレンツ - ボッパート - オーバーヴェーゼル - ビンゲン - インゲルハイム - マインツ。トランスレギオ社所属。60分間隔。使用車両はデジロML
  • 普通列車(RB 48); ヴッパタール・オーバーバーメン - ヴッパタール - ゾリンゲン - オプラーデン - ケルン・ミュルハイム - ケルン・メッセ/ドイツ - ケルン - ブリュール - ボン - ボン・メーレム。ナショナル=エクスプレス社所属。30/60分間隔。使用車両はタレント2

参考文献

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  • (ドイツ語) Die Linke Rheinstrecke. Fürstenfeldbruck: Hermann Merker Verlag. (1993)  (Eisenbahn-Journal, Sonderaufgabe 3, 93, ISSN 0720-051X)
  • Udo Kandler (2007). “Eisenbahn wie auf einer Ansichtskarte. Die Linke Rheinstrecke” (ドイツ語). Lok Magazine Jg. 46 (Nr. 305): S. 36–55. ISSN 0458-1822. 
  • Horst Semmier (1994) (ドイツ語). 150 Jahre Eisenbahn Bonn-Köln. Verlag Kenning. ISBN 3-927587-23-0 
  • Joachim Seyferth (1993) (ドイツ語). Die Linke Rheinbahnstrecke. Eigenverlag 自費出版. ISBN 3-926669-03-9  (SCHIENE-Photo 3)

脚注

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  1. ^ (ドイツ語) Eisenbahnatlas Deutschland (9th ed.). Schweers+Wall. (2014). ISBN 978-3-89494-145-1 
  2. ^ ケルン - コブレンツ間の時刻表 ドイツ鉄道の資料。

外部リンク

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