Lifehack
Lifehack(ライフハック)は、情報処理業界を中心とした「仕事術」のことで、いかに作業を簡便かつ効率良く行うかを主眼としたテクニック群[1]である。ハッカー文化の一つ。
概要
編集この言葉は、2004年頃から使われだしたもので、アメリカのテクニカルライターであるダニー・オブライエンの考案による[2]。
これはいい意味でのハッカーやギーク(技術に対してマニア又はおたくないしフェチな傾向にある者)でもトップクラスの人々(いわゆるウィザードやグルという尊称を贈られる者たち)の過剰ともいえる生産性の高さの秘訣として様々な手法が紹介され、日本では2005年春頃から技術者筋や技術愛好者筋を中心に関心を集めるようになった。
方法論としては自身の生活や仕事のスタイルにおいて「気の利いた手段で、もっと快適に、もっと楽して、もっと効率良く」という方法を得ようとしていくことにほかならないが、これをコンピュータやシステムを解析し追求するように体系化していったものがいわゆるLifeHackである。これはコンピュータを使いやすいように工夫するというものから、ガジェット(気の利いた小物・小道具)を使いこなす、さらには人間の生理機能上で効率良く作業するための方法論(→人間工学)まで多岐にわたる。
例えば、「繰り返し作業になりやすいExcelでの打ち込み作業をVBAやマクロを使用することで作業を最小化」「UNIX系OSの環境構築や設定をシェルやスクリプトなどでオートメーション化」などの実作業における作業時間短縮の工夫はいうまでもなく、「わざとノイズの中で作業することで生産性を上げる[3]」「昼休み中などに、いかに上手に机に突っ伏して寝るか[4]」といった、作業者の生理的観点における工夫もLifeHackと言える(15 - 20分程度の昼寝が午後の仕事の効率を上げるとされている[5])。
近年では、情報技術だけでなく、日常生活における「知っていると便利な生活の技(知恵)」を「ライフハック」ということもある(裏技#生活の技としての「裏ワザ」も参照)。
脚注
編集関連項目
編集- 合理化
- 生産性
- Getting Things Done - LifeHackに付随する概念
- ジュガール - インドなど南アジアの諸言語で見られる類似の概念
- クラッジ - 類似の概念
- 裏技 - 類似の概念
- FlyLady - 家事の方法論
- アフォーダンス - 人をある行為に誘導するためのヒントを示す事
- ナッジ - 強制ではなく自発的に望ましい行動を人々に促すこと
- 実行意図
- 習慣
- ハッカー - ハッカー文化
- ギーク - ナード
- 事務
- キッチンハック(フードハック) - 食に関する裏技
- 自助(Self-help) - 専門家が導くのとは対照的に、人生の問題に対処するための自己主導の努力に焦点を当てること
具体例
編集- チェックリスト
- アイビー・リー・メソッド - 決定疲れを避けるタスクの取り組み方
- ARCSモデル - 学習におけるモチベーションの要素
- 43 Folders - 時間とファイルマネジメントシステム
- Hipster PDA - 紙ベースの手帳
- Incremental reading - 読書と学び方の方法
- ポモドーロ・テクニック - タイムマネジメント法
- Spaced repetition - 長期記憶の原則
- Timeboxing - タイムマネジメント法
- 押し出しファイリング - 書類整理法