ヨバニー・ガヤルドYovani Gallardo, 1986年2月27日 - )は、メキシコ合衆国ミチョアカン州ラ・ピエダード出身のプロ野球選手投手)。右投右打。現在は、フリーエージェント(FA)。愛称はヨー/Yo、またはジョー/Yo[2]

ヨバニ・ガヤルド
Yovani Gallardo
レンジャーズ時代(2015年5月24日)
基本情報
国籍 メキシコの旗 メキシコ
出身地 ミチョアカン州ラ・ピエダード
生年月日 (1986-02-27) 1986年2月27日(38歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
210 lb =約95.3 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2004年 MLBドラフト2巡目
初出場 2007年6月18日
年俸 $750,000(2018年)[1][† 1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム メキシコの旗 メキシコ
WBC 2013年2017年

英語読みでヨバニー・ガヤードと表記されることもある。

経歴

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プロ入りとブルワーズ時代

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アメリカ合衆国テキサス州フォートワースで高校時代を過ごしたため、ドラフト対象となった。2004年MLBドラフト2巡目(全体46位)でミルウォーキー・ブルワーズから指名を受け、プロ入り。

2007年2月にベースボール・アメリカが発表した有望株ランキングではブルワーズの組織内で最高評価を受けた[3]。2007年はメジャーのスプリングトレーニングオープン戦に5回登板したが、防御率は7.27だった[4]。開幕をAAA級ナッシュビル・サウンズで迎え、6月14日にクリス・カプアーノ故障者リスト入りに伴い、メジャー昇格。AAA級ナッシュビルではメジャー昇格時点で8勝3敗・防御率2.90、奪三振はマイナーリーグ最多の110を記録[4]。6月18日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦においてメジャーデビュー。同年、20試合の登板で9勝を挙げた。

2008年は左ひざを痛め、故障者リストで開幕を迎え、4月20日にメジャー復帰[5]。5月1日のシカゴ・カブス戦、5回の先頭打者リード・ジョンソンは一塁方向へバントし、一塁へとヘッドスライディング。ベースカバーに入ったガヤルドと交錯。ガヤルドは6回が終わるまで投げた。しかし、前十字靭帯を損傷したため、故障者リスト入り[6]。その後、9月25日に1試合登板しただけで、レギュラーシーズンを終えた。フィラデルフィア・フィリーズとのディビジョンシリーズでガヤルドは第1戦に登板したが、コール・ハメルズに敗れ、チームは1勝3敗で2008年シーズンを終えた。

2009年のスプリングトレーニング中に第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)メキシコ代表入りを打診されるが、シーズンの準備に集中するため、辞退した[7]。シーズンでは[月8日のジャイアンツ戦でランディ・ジョンソンから3点本塁打を放った。ジョンソンから本塁打を放った唯一の投手となった[8]。投球でも6回と2/3を投げ2失点に抑え、勝ち投手となった[9]。 4月24日のヒューストン・アストロズ戦では9回2失点7奪三振で、メジャー初完投を記録した[10]。この次の登板となった4月29日のピッツバーグ・パイレーツ戦では8回無失点11奪三振と好投し、7回には決勝本塁打を放ち、チームは1-0で勝利した。自ら本塁打を放ち、1-0で勝利したのは史上26人目。なおかつ10奪三振以上を奪ったのはレッド・ラフィングアーリー・ウィンに次いで史上3人目[11]。シーズン終盤にはスタミナ不足もあり失速したが、最終的に30試合に先発し、13勝をあげた。

2010年4月7日にブルワーズと5年総額3000万1000ドルで契約した。2014年で契約を見直し、2015年の1300万ドルはオプションとなる[12]。5月28日のニューヨーク・メッツ戦でメジャー初完封を記録した。この年、自身初のオールスターに選出されるも、選出後に故障した。最終的に14勝をあげ、2年連続で200奪三振を記録した。また打撃でも投手ながら打率.254、4本塁打、長打率.504を記録した。ナショナルリーグシルバースラッガー賞を受賞した。

2011年はエースのザック・グレインキーが故障者リスト入りしていたため、開幕投手に選ばれた。5月7日のセントルイス・カージナルス戦では7回まで無安打に抑える快投を見せる。しかし8回の先頭打者ダニエル・デスカルソにセンター前ヒットを打たれ、快挙はならなかった。最終的に自己最多の17勝をあげ、3年連続で200奪三振を記録した。25歳以下で3年連続200奪三振を記録したのは、ケリー・ウッドフェリックス・ヘルナンデスに次ぎ、3人目。

2012年7月15日のパイレーツ戦では自己最多の1試合14奪三振を記録した。 シーズンでは16勝をあげ、204奪三振を記録し、4年連続200奪三振を達成した。

2013年開幕前の3月に開催された第3回WBCメキシコ代表に選出された[13]

2014年5月27日のボルチモア・オリオールズ戦の10回裏、代打として出場し、T.J.マクファーランドからサヨナラ二塁打を放った。投手がサヨナラ安打を打ったのは2003年グレンドン・ラッシュ以来だった。尚、ラッシュのサヨナラ安打もラッシュがブリュワーズに所属し、延長戦で代打として起用された際に記録したものである。

レンジャーズ時代

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2015年1月19日にコーリー・クネイブルルイス・サーディナスマルコス・ディプラン英語版とのトレードで、テキサス・レンジャーズへ移籍した[14]。レンジャーズでも先発ローテーションに定着し、33試合に登板して2シーズンぶりの二桁勝利を記録。また、シーズン11勝目は自身通算100勝目の勝ち星だった。2009年の規定投球回到達以来自己ワーストの奪三振率(5.9)だったが、一方で防御率3.42[15]は同自己ベストだった。オフの11月2日にFAとなった[16]

オリオールズ時代

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2016年2月20日にオリオールズと3年3500万ドルの契約で合意したと報じられた[17]が、オリオールズによる身体検査で問題が見つかり、25日に2年2200万ドルに減額して正式に契約を結んだ[18]。シーズンでは開幕2戦目の4月6日のミネソタ・ツインズ戦で先発し、5回を1失点に抑えて移籍後初勝利を挙げた[19]。しかしシーズン全体では低調で、23試合の先発登板・2008年以来8年ぶりの規定投球回未達に終わった。防御率5.42と与四球率4.7は、いずれも自己ワーストだった。

マリナーズ時代

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2017年1月6日にセス・スミスとのトレードで、シアトル・マリナーズへ移籍した[20]。2月8日に第4回WBC本戦のメキシコ代表に選出された[21]。レギュラーシーズンでは22試合先発含め28試合に登板したが、5勝10敗と2年連続1桁勝利に終わり、防御率も5.72と自己ワーストを更新した。オフの11月2日にFAとなった[22]

レッズ時代

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2017年12月21日にプロ入り時の古巣であるブルワーズと1年200万ドル(プラス出来高最大200万ドル)で契約を結んだ[23]が、2018年3月26日に自由契約となった[24]

3月31日にシンシナティ・レッズと1年契約を結んだ[25]4月6日のパイレーツ戦では、13回で6失点するなど、3試合の登板で213回、自責点8、防御率30.86の成績[16]で、4月10日にタナー・レイニーの昇格に伴ってDFAとなり[26]、12日に40人枠から外れて傘下のAAA級ルイビル・バッツに降格し、同日付でFAとなった[16]

レンジャーズ復帰

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2018年4月13日にレンジャーズとマイナー契約を結び[27]、20日に傘下のAAA級ラウンドロック・エクスプレスへ配属された[16]。6月17日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[28]。オフの10月29日にFAとなった[16]

投球スタイル

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オーバースローから、平均90mph(約145km/h速球フォーシームツーシーム)と、平均87mph(約140km/h)のスライダーを中心に、決め球の平均77mph(約124km/h)カーブ、その他に平均84mph(約135km/h)チェンジアップも使用する(2016年)[29]

キャリアでの最速は2009年に計測した97.5mph(約157km/h)。2011年の速球の平均球速は92.6mph(約149km/h)だったが、この年をピークに以降減速傾向にある。

詳細情報

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年度別投手成績

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W
H
I
P
2007 MIL 20 17 0 0 0 9 5 0 0 .643 466 110.1 103 8 37 2 2 101 3 0 48 45 3.67 1.27
2008 4 4 0 0 0 0 0 0 0 ---- 97 24.0 5 3 8 0 0 20 0 0 5 5 1.88 1.25
2009 30 30 1 0 1 13 12 0 0 .520 793 185.2 150 21 94 5 5 204 9 0 78 77 3.73 1.31
2010 31 31 2 2 1 14 7 0 0 .667 803 185.0 178 12 75 5 3 200 7 1 89 79 3.84 1.37
2011 33 33 1 1 0 17 10 0 0 .630 865 207.1 193 27 59 1 1 207 12 0 92 81 3.52 1.22
2012 33 33 0 0 0 16 9 0 0 .640 860 204.0 185 26 81 3 0 204 5 0 86 83 3.66 1.30
2013 31 31 0 0 0 12 10 0 0 .545 773 180.2 180 18 66 1 3 144 5 0 92 84 4.18 1.36
2014 32 32 0 0 0 8 11 0 0 .421 817 192.1 195 21 54 2 4 146 8 0 86 75 3.51 1.30
2015 TEX 33 33 0 0 0 13 11 0 0 .542 793 184.1 193 15 68 0 1 121 10 0 76 70 3.42 1.42
2016 BAL 23 23 0 0 0 6 8 0 0 .429 526 118.0 126 16 61 2 1 85 6 0 74 71 5.42 1.59
2017 SEA 28 22 0 0 0 5 10 1 0 .333 578 130.2 138 24 60 3 2 94 7 0 84 83 5.72 1.52
2018 CIN 3 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 19 2.1 8 1 4 0 0 2 0 0 8 8 30.86 5.14
TEX 18 18 0 0 0 8 8 0 0 .500 403 92.0 99 13 43 2 2 56 6 0 60 59 5.77 1.54
'18計 21 18 0 0 0 8 8 0 0 .500 422 94.1 107 14 47 2 2 58 6 0 68 67 6.39 1.63
MLB:12年 319 307 4 3 2 121 101 1 0 .545 7793 1816.2 1770 205 710 26 24 1584 78 1 878 820 4.06 1.37
  • 2018年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰

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記録

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背番号

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  • 49(2007年 - 2017年、2018年6月17日 - 同年終了)
  • 31(2018年 - 同年4月9日)

代表歴

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脚注

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  1. ^ Yovani Gallardo Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2016年12月22日閲覧。
  2. ^ Jaylon Thompson (2017年8月24日). “M's Players Weekend nicknames explained” (英語). MLB.com. 2017年9月1日閲覧。
  3. ^ Tom Haudricourt (2007年2月2日). “Prospects: Top 10 Prospects: Milwaukee Brewers” (英語). BaseballAmerica. 2016年2月25日閲覧。
  4. ^ a b Adam McCalvy (2005年11月3日). “Notes: Gallardo sheds prospect label” (英語). MLB.com. 2017年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月22日閲覧。
  5. ^ Jeff Wallner (2008年4月20日). “Gallardo in rotation with Sheets sore” (英語). MLB.com. 2017年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月22日閲覧。
  6. ^ Adam McCalvy (2008年5月2日). “Gallardo tears ACL in collision” (英語). MLB.com. 2017年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月22日閲覧。
  7. ^ Adam McCalvy (2009年2月21日). “Gallardo decides to skip Classic” (英語). MLB.com. 2017年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月22日閲覧。
  8. ^ Adam McCalvy (2009年4月9日). “Gallardo makes history off Unit” (英語). MLB.com. 2017年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月22日閲覧。
  9. ^ April 8, 2009 Milwaukee Brewers at San Francisco Giants Box Score and Play by Play” (英語). Baseball-Reference.com. Sports Reference LLC.. 2016年2月25日閲覧。
  10. ^ Milwaukee Brewers at Houston Astros Box Score and Play by Play” (英語). Baseball-Reference.com. Sports Reference LLC. (2009年4月24日). 2016年2月25日閲覧。
  11. ^ Fred Bierman (2009年5月2日). “One-Man Show” (英語). Bats. The New York Times. 2016年2月25日閲覧。
  12. ^ Adam McCalvy (2010年4月8日). “Brewers announce Gallardo extension” (英語). MLB.com. 2017年6月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月22日閲覧。
  13. ^ 2013 Tournament Roster” (英語). CBS Sports. 2017年12月22日閲覧。
  14. ^ Calvin Watkins (2015年1月21日). “Yovani Gallardo headed to Rangers”. ESPN. 2015年1月28日閲覧。
  15. ^ Baseball-Reference参照。2018年4月13日閲覧。
  16. ^ a b c d e MLB公式プロフィール参照。2019年2月28日閲覧。
  17. ^ Yovani Gallardo, Orioles agree to 3-year, $35M contract”. ESPN (2016年2月20日). 2016年2月26日閲覧。
  18. ^ O's sign veteran Gallardo to 2-year deal” (英語). MLB.com (2016年2月25日). 2016年12月22日閲覧。
  19. ^ Davis homers as Gallardo, Orioles beat Twins 4-2” (英語). ESPN (2016年4月6日). 2017年12月22日閲覧。
  20. ^ Greg Johns (2017年1月6日). “Mariners acquire Gallardo from O's for Smith” (英語). MLB.com. 2017年12月22日閲覧。
  21. ^ Austin Laymance (2017年2月8日). “A-Gon, Davis lead Mexico's WBC '17 roster” (英語). MLB.com. 2017年12月22日閲覧。
  22. ^ David Adler (2017年11月5日). “Key free agents for all 30 MLB teams” (英語). MLB.com. 2017年12月30日閲覧。
  23. ^ Adam McCalvy (2017年12月21日). “Brewers bolster rotation with Chacin, Gallardo” (英語). MLB.com. 2017年12月22日閲覧。
  24. ^ Jeff Todd (2018年3月26日). “Brewers Release Yovani Gallardo” (英語). MLB Trade Rumors. 2018年3月29日閲覧。
  25. ^ Mark Schmetzer (2018年3月31日). “Reds sign Gallardo to one-year deal” (英語). MLB.com. 2018年4月13日閲覧。
  26. ^ Stephen Pianovich (2018年4月10日). “Gallardo DFA'd, right-hander Rainey called up” (英語). MLB.cpm. 2018年4月13日閲覧。
  27. ^ Jeff Todd (2018年4月13日). “Rangers Sign Yovani Gallardo” (英語). mlbtraderumors.com. 2018年4月19日閲覧。
  28. ^ John Henry (2018年6月17日). “Fister to 60-day DL; Andrus to return Monday” (英語). MLB.com. 2018年6月18日閲覧。
  29. ^ FanGraphs2017年2月11日閲覧。
  1. ^ これに加えてミルウォーキー・ブルワーズとの契約年俸$2,000,000がある。

関連項目

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外部リンク

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