ヨウ化スズ(II)
ヨウ化スズ(II)(ヨウかスズ、英tin(II) iodide)は2価のスズのヨウ化物で、化学式SnI2で表される無機化合物。
ヨウ化スズ(II)[1] | |
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ヨウ化スズ(II) | |
別称 ヨウ化第一スズ | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 10294-70-9 |
特性 | |
化学式 | SnI2 |
モル質量 | 372.519 g/mol |
外観 | 赤ないし赤橙色の結晶 |
融点 |
320℃ |
沸点 |
714℃ |
水への溶解度 | 1.0g/100g(20℃)、3.4g/100g(90℃) |
構造 | |
結晶構造 | 斜方晶系または単斜晶系 |
熱化学 | |
標準生成熱 ΔfH |
−143.5 kJ mol−1[2] |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | 塩化スズ(II), 臭化スズ(II) |
その他の陽イオン | 二ヨウ化ゲルマニウム, ヨウ化鉛(II) |
関連物質 | 三ヨウ化スズ |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
製法
編集スズを沸騰させた濃厚ヨウ化水素酸に溶かして熱し、冷却して得られた結晶をアルコールで再結晶化させ、無水リン酸を入れた真空デシケーターで乾燥させる方法と、塩化スズ(II)の濃厚溶液とヨウ化カリウムの濃厚溶液を反応させる方法がある[3]。
またX線構造解析用の結晶を得るには2mol/dm3の塩酸にヨウ素を飽和させ、金属スズを加えて加熱還流して冷却することにより結晶を析出させるのがよい[4]。
性質
編集赤い結晶で、水にはわずかしか溶けないが、加熱するとクロロホルムや二硫化炭素、ベンゼンに溶ける[3]。
アンモニアと種々の組成の錯体を形成し、ヨウ化アルカリと複塩,三ヨウ化スズカリウムKSnI3を形成する。
脚注
編集- ^ Chemistry : Periodic Table : tin : compound data [tin (II) iodide]
- ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
- ^ a b 松岡敬一郎『ヨウ素綜説(第二版)』霞ヶ関出版、1992年。ISBN 9784760301355。
- ^ 日本化学会編 『新実験化学講座 無機化合物の合成II』 丸善、1977年
関連項目
編集- 灰チタン石(ペロブスカイト)