ヨウ化コバルト(II)
ヨウ化コバルト(II)(Cobalt(II) iodide)は、二価コバルトのヨウ化物である。化学式はCoI2。吸湿性の結晶固体で、研究室では有機溶液もしくは空気中の水の検出に使われる[3]。アルコールやケトン、ニトリルなどの溶媒に加えたとき、水が存在すると桃色に変わる[4]。
ヨウ化コバルト(II) | |
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ヨウ化コバルト(II) | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 15238-00-3 |
特性 | |
化学式 | CoI2 |
モル質量 | 312.742 g/mol |
外観 | α型: 黒色の六方晶系結晶 β型: 黄色の粉末 |
密度 | α型: 5.584 g/cm3 β型: 5.45 g/cm3 |
融点 |
α型: 515-520°C (減圧条件) |
水への溶解度 | 67.0 g/100 mL[1] |
危険性 | |
EU分類 | 有害(Xn) |
NFPA 704 | |
Rフレーズ | R20/21/22, R36/37/38 |
Sフレーズ | S26, S36[2] |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | フッ化コバルト(II) 塩化コバルト(II) 臭化コバルト(II) |
その他の陽イオン | ヨウ化ニッケル(II) ヨウ化銅(I) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
形状
編集ヨウ化コバルト(II)には、α型とβ型の2つの形状が存在する。α型は、空気中に晒すと暗緑色に変わる黒色の六方晶系結晶から成る。β型は黄色の粉末であるが、空気中の水蒸気を速やかに吸収して緑色の粒子状に変わる。α型を減圧によって昇華させるとβ型に変化する。また、β型を400℃に加熱するとα型に変換する。
合成
編集反応
編集脚注
編集- ^ Perry, Dale L.; Phillips, Sidney L. (1995), Handbook of Inorganic Compounds, San Diego: CRC Press, pp. 127-8, ISBN 0849386713 2008年6月3日閲覧。
- ^ “429740 Cobalt(II) iodide anhydrous, beads, −10 mesh, 99.999%”. Sigma-Aldrich. 2008年6月3日閲覧。
- ^ a b Patnaik, Pradyot (2004), Handbook of Inorganic Chemicals, Amsterdam: McGraw-Hill Professional, pp. 244, ISBN 0070494398 2008年6月3日閲覧。
- ^ Armarego, Wilfred L. F.; Chai, Christina L. L. (2003), Purification of Laboratory Chemicals, Butterworth-Heinemann, pp. 26, ISBN 0750675713 2008年6月3日閲覧。
- ^ Agreda, V. H.; Zoeller, Joseph R. (1992), Acetic Acid and Its Derivatives, CRC Press, pp. 74, ISBN 0824787927 2008年6月3日閲覧。