ユマニチュード
ユマニチュード(仏: Humanitude)とは、包括的ケアメソッドのひとつ[1]。ひろく用いられているが、特に高齢者と認知症[2]患者において有用とされている。ユマニチュードとはフランス語で「人間らしさ」の意[3]。
歴史
編集ユマニチュードは、体育学を専攻するフランスのイブ・ジネスト[4]とロゼット・マレスコッティ[5]により開発され[6]、35年以上の歴史をもつ[1]。知覚・感情・言語による包括的なコミュニケーションに基づいたケア技法[1]。
手法
編集ユマニチュードではまず評価を行う。
- 回復を目指す
- 機能を保つ(悪化しないようにする)
- 共にいる(そばに居て、穏やかに死を迎える)
といういずれの 段階にあるのか、評価する。
ケアの実施にあたっては
を基本として[6]、これらを組み合わせて複合的に行う。 「見つめながら会話位置へ移動する」「アイコンタクトが成立したら2秒以内に話しかける」「言葉をかけながら、相手に静かに触れる」など、そのケアの内容は具体的である。150を超える具体的な技術があり、「人とは何か」という哲学に基づいて体系化されている。
効果・評価
編集看護・介護職にとっても、患者にとってもユマニチュードにより、ケア満足度が上昇したとの報告がある。[7]
注釈
編集- ^ a b c “ユマニチュードとは?”. ジネスト・マレスコッティ(instituts Gineste Marescotti; IGM)研究所 日本支部. 2018年7月30日閲覧。
- ^ a b c d e “150の技術から成る認知症ケア「ユマニチュード」”. 2015年8月23日閲覧。
- ^ イヴ・ジネスト、ロゼット・マレスコッティ『「ユマニチュード」という革命』2016年、誠文堂新光社、4頁。
- ^ 仏: Yves Gineste
- ^ 仏: Rosette Marescotti
- ^ a b 『栄養と料理』2017年8月号、女子栄養大学出版部、 82頁。
- ^ メディカル朝日: 43(2), 45-47.
外部リンク
編集参考書籍
編集- ユマニチュード入門 (本田 美和子/イヴ・ジネスト/ロゼット・マレスコッティ・著) ISBN 978-4-260-02028-2
- Humanitude(ユマニチュード)「老いと介護の画期的な書」 (イヴ ジネスト (著), ロゼット マレスコッティ (著), 本田 美和子 (監修), 辻谷 真一郎 (翻訳)) ISBN 978-4807264094
- ユマニチュード 認知症ケア最前線 (NHK取材班, 望月 健 著) ISBN 978-4041018620
- DVD
- ユマニチュード – 優しさを伝えるケア技術(2014年、本田 美和子(日本語版監修)、IGM Japon)
- 優しい認知症ケア ユマニチュード(全3巻、イヴ・ジネスト/本田 美和子(監修)、内藤 裕子(司会)、猪瀬美樹(ディレクター)NHK厚生文化事業団、福祉ビデオシリーズ 10-18-01)