ヤエヤマネムノキ
ヤエヤマネムノキ(八重山合歓木、学名:Albizia retusa[1])はマメ科ネムノキ亜科の落葉高木。方言名ハマクワ[2][3]。
ヤエヤマネムノキ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ヤエヤマネムノキの花
(沖縄県石垣市川平、2024年5月) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
保全状況評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
絶滅危惧IB類(環境省レッドリスト) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Albizia retusa Benth. |
特徴
編集高さ7–15 m。葉は長さ10–20 cm、2回羽状複葉で互生し、羽片4–6対、小葉3–8対からなる。羽片と小葉は対生する。小葉は全縁で長さ2–3 cmとなり、ギンネムやネムノキより明らかに大きく、広楕円形~倒卵形で小葉の先端はやや凹むか丸く、裏はやや白い。花序は頂生の円錐花序となり、5–6月の初夏に淡紅色の花を15個ほど集めてつける。花は夕方から夜にかけてよく咲き、ネムノキの花に似て花冠から多数の長い糸状の雄しべと1本の雌しべが飛び出す。豆果は扁平な広線形で長さ8–18 cm、幅約2.5 cm、中に扁平な種子がある。環境省及び沖縄県絶滅危惧IB類 (EN)[2][4][3][5][6]。
分布と生育環境
編集沖縄島、石垣島、小浜島、嘉弥真島、西表島、内離島[3]。沖縄島では名護市許田に生育[7]、石垣島や西表島でも生育地は限られ、海岸沿いに点在する。海外では台湾、中国、東南アジア(タイ、マレーシア)、太平洋諸島(ミクロネシア)、ニューギニア島、オーストラリア北部に分布[4][8][5]。
利用
編集海岸の防風防潮林に適する。辺材・心材ともに帯黄褐色で材は硬く緻密で重く、建築材・器具材によい。葉は緑肥によい[4]。
脚注
編集参考文献
編集- 米倉浩司・梶田忠 (2003年). “ヤエヤマネムノキ Albizia retusa Benth.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). http://ylist.info/. 2024年5月13日閲覧。
- 池原直樹「シダ植物~まめ科」『沖縄植物野外活用図鑑』 7巻、新星図書出版、沖縄県浦添市、1989年。
- 大川智史; 林将之『ネイチャーガイド 琉球の樹木 奄美・沖縄~八重山の亜熱帯植物図鑑』文一総合出版、東京都新宿区、2016年。ISBN 9784829984024。
- 天野鉄夫『琉球列島有用樹木誌』琉球列島有用樹木誌刊行会、那覇市、1982年。
- 環境省『環境省レッドリスト2020』環境省、2020年 。2024年5月13日閲覧。
- 沖縄県環境部自然保護課「ヤエヤマネムノキ」『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータおきなわ)第3版 -菌類編・植物編-』沖縄県、2018年、178–179頁 。
- 阿部篤志「沖縄の大木vol.35 ヤエヤマネムノキ」『沖縄美ら島財団広報誌 季刊誌南ぬ風』43号、(一財)沖縄美ら島財団、2017年、9頁 。2024年5月13日閲覧。
- 立石庸一「ヤエヤマネムノキ」『朝日百科 植物の世界』 5巻、朝日新聞社、東京、1997年、57頁。ISBN 9784023800106。
外部リンク
編集- 眠りの木、ネムノキ 海洋博公園だより 2015年8月17日
- ヤエヤマネムノキ(八重山合歓木) うちなー通信
- ヤエヤマネムノキ(八重山合歓の木) 野の花賛花 ―自生の姿を追って―
- ヤエヤマネムノキ(八重山合歓木) こまつなの部屋
- ネムノキ属の主な種と園芸品種 5 ヤエヤマネムノキ 三河の植物観察