モーションポートレート
モーションポートレート(Motion Portrait)とは、正面から撮影された1枚の顔画像を3次元CG画像に変換することで、様々な表情を持った顔のアニメーションの自動生成を実現する画像処理技術である。この処理はソフトウェアのみにより実現される。
本技術では、生成された3次元CG画像に対する、マウスやタッチペン等の入力に合わせて顔を傾けさせたり、目線や口を動かして表情を変えるなどの3次元CG画像に対するインタラクティブな操作を実現している。
また、本技術を適用できる画像は人物写真に限らず、2次元のアニメキャラクタ、動物、植物などといった幅広い対象に対し適用可能となっている。そのため、本技術を利用しゲーム内のキャラクタの表情の生成が行われた事例も幾つか見られる[1]。
本技術の根幹部分はソニー木原研究所(現・ソニー)において2005年頃に研究開発され、2007年に事業化された。
パナソニック社も類似の技術を有しており、自社のマーケティング目的で使用したりしている。ただ、モーションポートレートという言葉は使用していない。モーションポートレート社はモーションポートレートを電子関連の商品を指定して商標登録している。従ってその指定商品以外の商品についてモーションポートレートを使用することは第三者は可能であるが、パナソニック社とモーションポートレート社とは事業領域が重なるため使用を控えていると考えられる。
関連項目
編集- Live2D - 競合技術。面制御によるモーフィング(一部ボーン対応)
- AnimeEffects
- Dragonbones
- e-mote
- satella.io
- spine(アニメーションツール) - ボーン制御によるアニメーション
- sprite studio
- spritter
- synfig studio
- 涼宮ハルヒの約束・とらドラ・ポータブル! - ともに同技術を応用した機能を持つPlayStation Portableのゲームソフト。キャラクターとの会話シーンで使用。名称は前者が「S.O.S(シームレス・オペレーション・システム)」、後者が「TORA」。ともにバンダイナムコゲームス発売、ガイズウェア開発。
- ときめきメモリアル4
- 密室謎解きバラエティー 脱出ゲームDERO! - クイズバラエティ番組。モニターに登場する「管理人」を名乗る人物の顔にモーションポートレートのシステムを使用している。
- 宝探しアドベンチャー 謎解きバトルTORE! - DERO!の後継番組。前番組の管理人と同じような位置づけで登場する「ファラ男」の顔にモーションポートレートが使用されている。
出典・参考文献
編集- ^ PSP版「ハルヒ」にも 顔写真を“3D顔アニメ”にするソニー発の技術 - ITmedia News