モンキーダンス
ダンスのジャンル
モンキーダンスは、ダンスのジャンルの一つ。手を上下に動かして踊ることが猿に似て、非常にユーモラスなことから名づけられた。主に、1960年代に世界的に大流行した[1]。
日本における流行
編集日本では1965年にサーフロックバンド『ザ・ベンチャーズ』の来日や音楽番組『勝ち抜きエレキ合戦』の登場でエレキブームが盛り上がってたのと同じ頃にモンキーダンスが輸入され[2][3]、同年夏には湘南でエレキの音に合わせてモンキーダンスを踊る若者が登場し[4]、同年10月にはモンキーダンスがテレビにも登場し[4]、全盛期を迎えた[5]。同時期にはゴーゴーダンスも流行してゴーゴー喫茶が登場しており、モンキーダンスでも銀座モンキー・ア・ゴーゴー(1965年8月10日開店)などの踊る喫茶店が登場した[6]。
朝日新聞の投書欄などで学生の間でのモンキーダンス流行の是非について討論が行われており、モンキーダンスを禁じた学校もあれば[5]、泉佐野市民会館のようにエレキギター演奏やモンキーダンスの集会に貸さないことを決めた施設もある[7]。
警察庁は「ダンスを楽しむこと自体には問題はない」ものの、モンキー族の独特な雰囲気は「好ましい影響を与えるとは思えない」「無分別な行動に出るものがある」などと評価し、ダンスパーティーの健全化方針を取るようになり、都内では1965年12月にダンスホール3ヶ所の一斉補導が行われ少年54人が補導された[8]。
関連作品
編集- バラエティ番組
- 新春かくし芸大会 - 第3回(1966年)のラストで、東西両軍から1名ずつ交代で踊る「モンキーダンス大会」が行われた(演奏:寺内タケシとブルージーンズ)。なおこの回は現存する映像では最古であり、1988年3月31日放送の『フジテレビ30年史』と1993年4月3日放送の『スターかくし芸大会!栄光の30年スペシャル』で放送された。
- アニメ
- OVERMANキングゲイナー(2002年) - オープニングでモンキーダンスを踊る[9]。
関連項目
編集- スカ - 1950年代後半にジャマイカで産まれた音楽ジャンル。モンキーダンスを踊るのに最適なリズムだと言われている[1]。
- ミッキーズ・モンキー - ザ・ミラクルズの1963年の楽曲。
- 行け 行け モンキーダンス - Berryz工房の2008年の楽曲
脚注
編集- ^ a b 藤田正「5 スカからツール・レゲエの三十年」『ボブ・マーリーの一生その36年の軌跡を追う』Rimshot。
- ^ 土方草介『結構イイ加減節世相語から見た戦後日本』静岡学術出版、2009年、80頁。ISBN 9784903859231。
- ^ 香月利一『ビートルズ研究毒・独・髑・読本』音楽出版社、2000年、12頁。ISBN 9784900340466。
- ^ a b 「青少年のの仲間集団<盛り場に集まる若者たち>」『更生保護 17(3)』 p.27 日本更生保護協会 1966年3月 [1]
- ^ a b 現代青年の意識と行動, pp. 59–60.
- ^ 『捜査研究 (192)』 pp.60-75 東京法令出版 1968年4月
- ^ 昭和―二万日の全記録 13巻, p. 164.
- ^ 『昭和40年の犯罪 : 犯罪統計書』 pp.148-149 警察庁 1966年 [2]
- ^ 「キングゲイナー&ガチコ」可動フィギュアがROBOT魂から発売! OPのモンキーダンスも完全再現 Impress 2020年4月27日
参考文献
編集- 西平直喜『現代青年の意識と行動 1 拒絶と社会参加』大日本図書〈現代心理学ブックス〉、1970年。ISBN 4477121717。 NCID BN02480933。
- 原田勝正『昭和―二万日の全記録』 第13巻、講談社、1990年。ISBN 978-4061943636。