モバイルアダプタGB
モバイルアダプタGB(モバイルアダプタジービー)は、携帯電話とゲームボーイカラー及びゲームボーイアドバンスを接続する周辺機器である。
メーカー | 任天堂 |
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種別 | ゲーム機周辺機器 |
発売日 | 2001年1月27日[1] |
対応メディア | ロムカセット |
対応ストレージ | バッテリーバックアップ |
概要
編集これを使ってゲームソフトのデータと、メーカーが用意、あるいはプレイヤーがアップロードしたデータとのやりとりを行うサービスが「モバイルシステムGB」である。2001年1月27日にサービスを開始し、2002年12月14日に全てのサービスが終了した。サーバを介さないP2P形式の通信は、長らくY!mobileのPHSであれば通信相手と機材が揃えば利用可能であったが、2021年のPHS終了によりこちらも現在は利用できない(後述)。
当初は携帯電話専門店などでしか販売されていなかったが、後にゲームボーイソフト『モバイルゴルフ』との同梱版が一般発売された。現在はサービス終了に伴い、中古品以外は流通していない。中古市場に出回っているものは大半がこの同梱版である。
通信方法
編集モバイルシステムGB | |
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運営元 | 任天堂 |
種類 | ネットワークサービス |
サービス開始日 | 2001年1月27日[1] |
サービス終了日 | 2002年12月14日[1] |
プラットフォーム | GBC、GBA |
大きく分けて2種類がある。
みんなでモバイル
編集モバイルシステムGBの専属プロバイダであったDION(現在のau one net)を通して専用のサーバと接続する通信。同社の専用コースと契約する必要があった(登録料400円。基本料金0円、10円/分の時間課金)。現在ではサービスが終了しているので使用できない。
ゲーム内の操作が接続している携帯電話と連動し、専用の番号へと電話をかけることにより、メーカーが用意したデータをダウンロードしたり、それと同時に他のプレイヤーがアップロードしたデータをダウンロードする事が出来た。通話料(一般の通話と同じ)の他、接続料(10円/分)・コンテンツ料(無料 - 100円程度)の支払いが必要である。実際の通信時間は1分前後に抑えられていて、1日当たりの時間や回数の上限も設けられ、使いすぎを防ぐシステムとなっていた。実際に電話をかける動作をするときはゲーム内でも、料金が必要である旨の警告が出る。実際、多額の通信費がかかるケースが後を絶たなかった[1]。
アップロードできるデータは、例えばプレイヤーが育てたキャラクターであったり、ゲーム内の数値の最高記録などである。これらが敵として現れたり、全国ランキングとなって表示された。また、同時にメッセージが送れるものもあった。単語選択式で自由に作成できない場合が多かったが、それでも通信内容やメッセージを通じた独特なコミュニティが形成されていた。
メッセージ送受信自体を目的とした電子メールクライアントとも呼べるソフトも存在したが、当時から既にメール送受信機能は多くの携帯電話に実装されていた。わざわざ接続料やコンテンツ料を支払ってまで、機能が限定されたメールを使う者は少なかったようである。
ともだちとモバイル
編集プレイヤー同士による直接通信。通信形態としてはP2Pに属するが、通常の通話と同様に2台の電話を結ぶものであり、不特定多数の機体とのネットワークを築くものではない。ゲーム内で「電話を待つ」状態を選択した相手に対して、ゲーム内で「電話をかける」ことで通信が成立する。かける側は相手の電話番号を知っている必要がある。サーバを介さないため通常の通話と同様の通話料以外はかからず、サーバが停止した後も長らく通信は可能であった。携帯端末の通信方式の変化により、現在は利用できない。
この通信に対応したソフトは『ポケットモンスター クリスタルバージョン』と『ゼロ・ツアーズ』のみ。どちらも通信ケーブルで行える通信はモバイルアダプタGBでも行える。
通信規格
編集回線交換方式 (ASYNC) で行われる。伝送速度は機種によって異なる。
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ハードウェア
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機種
編集携帯電話及びPHSの機種にあわせて3種類が存在する。
- 青色
- デジタル携帯電話 (PDC) に対応
- いずれの事業者もPDC方式を廃止したため利用できない。
- 最大伝送速度9.6kbps
- デジタル携帯電話 (PDC) に対応
- 黄色
- cdmaOneの回線交換方式 (ASYNC) に対応
- cdmaOneの上位互換性を持つ3G方式のCDMA 1X (CDMA2000 1x) やその3.5G方式にあたるCDMA 1X WIN (1x EV-DO Rel.0/Rev.A)、WIN HIGH SPEED (1x EV-DO MC-Rev.A) に対応した機種でも動作可能。
- auは2005年以降に発売された機種から回線交換方式への対応を外しており[2]、回線交換方式に対応していない機種では使用できない。
- さらにauが2012年7月22日に回線交換方式によるデータ通信サービスを終了したため、現在は利用できない[3]。
- 最大伝送速度14.4kbps
- cdmaOneの回線交換方式 (ASYNC) に対応
- 赤色
「ともだちとモバイル」を行う場合は原則として同色同士でしか通信できない。ただし非公認だが黄色から青色へ電話をかける事は可能である。
対応ソフト
編集- モバイルトレーナー(GBC)
- ポケットモンスター クリスタルバージョン (GBC)
- モバイルシステムGBを普及させるキラータイトルとして期待されていたが、その役目は果たせなかった[5]。
- モバイルゴルフ (GBC)
- ネットでゲット ミニゲーム@100 (GBC)
- ミニゲームのダウンロード購入が可能。カートリッジのFlashメモリに保存される。
- ゲームボーイウォーズ3 (GBC)
- ハローキティのハッピーハウス (GBC)
- ナポレオン (GBA)
- プレイノベル サイレントヒル (GBA)
- ドラえもん 緑の惑星ドキドキ大救出! (GBA)
- マリオカートアドバンス (GBA)
- 開発中止となった対応予定ソフト
- ビートマニアGB3 NET JAM
- 後にビートマニアGB ガッチャミックス2として通常のゲームボーイカラー専用ソフトに仕様変更されて発売がされている。
- ビートマニアGB3 NET JAM
脚注
編集- ^ a b c d 株式会社QBQ 編 『ゲームボーイクソゲー番付』マイウェイ出版発行、2017年。ISBN 9784865117790 p116
- ^ au、回線交換方式のデータ通信とFAX機能を2005年秋端末から非搭載に
- ^ CDMA 1X」などのサービス終了およびご利用中のサービスへの対応方法のお知らせ
- ^ 機種別メーカー修理受付状況
- ^ M.B.MOOK『懐かしゲームボーイパーフェクトガイド』 (ISBN 9784866400259)、11ページ
関連項目
編集- モバイル21
- 任天堂による通信サービス
- 他社ハードの類似システム
外部リンク
編集- モバイルシステムGB
- モバイルシステムGBで遊ぼう! - N.O.M 2001年1月号(No.29) - ウェイバックマシン(2022年12月11日アーカイブ分)
- モバイルシステムGBで遊ぼう! その2 - N.O.M 2001年7月号(No.36) - ウェイバックマシン(2022年10月26日アーカイブ分)