木浦市
座標: 北緯34度46分 東経126度21分 / 北緯34.767度 東経126.350度
位置 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 목포시 |
漢字: | 木浦市 |
日本語読み仮名: | もっぽし |
片仮名転写: | モクポ=シ |
ローマ字転写 (RR): | Mokpo-si |
統計(2023年) | |
面積: | 51.58 km2 |
総人口: | 214,156[1] 人 |
男子人口: | 106,416 人 |
女子人口: | 107,740 人 |
人口密度: | 4,151.92 人/km2 |
行政 | |
国: | 大韓民国 |
上位自治体: | 全羅南道 |
下位行政区画: | 26洞 |
行政区域分類コード: | 36010 |
木浦市の木: | ビワ |
木浦市の花: | ハクモクレン |
木浦市の鳥: | ツル |
自治体公式サイト: | 木浦市 |
概要
編集李氏朝鮮時代末期に開港場となり発展した港町であり、かつて8千人以上の内地人住民を抱える日本人の街であった[2]旧市街地では日本統治時代の和風建築や近代建築が多数残っている。
木浦市は湖南線の終着点であり日本本土や中国との交易で栄え、日本統治時代には朝鮮半島有数の大都市だったが、1970年代以降は沈滞した。
戦後日本との経済的関係が途絶えてから、ソウル~釜山の軸を中心に経済成長を図る韓国政府の政策によって経済成長から取り残されて衰退の一途を辿っていた木浦市であったが、1990年代以降から旧市街地の東側を中心としてニュータウンが形成されてからこうした状況は徐々に改善されている。ただし、後述のような旧市街地とニュータウンとの格差が問題になっている。
地理
編集朝鮮半島最西南端に位置する港町で、北から東にかけては務安郡、南は霊岩郡に接する。西は黄海に面し、海上に浮かぶ島嶼のほとんどは新安郡に属する(一部、木浦市や務安郡など)。有名な新安沖沈没船が引き上げられたのはこのあたりである。
ニュータウンと旧市街
編集1990年初頭の頃、従来の市街地の東側に下塘(ハダン)ニュータウンが建設され、同じ頃に木浦市の南側に栄山江を挟んで隣接している霊岩郡の三湖邑に大仏国家産業団地が造成されながら、同時期にそれまで仁川広域市に所在していた旧漢拏重工業(現在の現代三湖重工業)が移転した。
また、2005年頃には光州広域市に所在していた全羅南道庁が、下塘ニュータウンのさらに東側の務安郡域に移転した。こうして全羅南道の道庁所在地として務安、木浦の両市郡を跨って南岳ニュータウンが形成された。
これらの新市街を中心に、木浦市は隣接する務安郡の地域に所在している全羅南道庁およびその附属機関、霊岩郡域に立地した工業地帯のベッドタウンとしても機能している。
しかしその一方、木浦駅・儒達山を中心としている従来の市街地は2008年度に旧市街地活性化条例が制定されたにもかかわらず、長い間沈滞から抜け出せない状態のままであった。
最近は狭い木浦漁業協同組合の敷地を別の場所に移転してその跡地を再開発したり[3]、廃れつつある下町を芸術の街として作り変える[4]など、旧市街を観光都市として再生しようとする動きもある。
気候
編集- 最高気温極値37.0℃(1994年7月24日)
- 最低気温極値-14.2℃(1915年1月13日)
- 過去最深積雪56.1cm(1946年12月10日)
木浦市(木浦気象台)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 18.0 (64.4) |
20.1 (68.2) |
22.4 (72.3) |
28.4 (83.1) |
31.0 (87.8) |
34.4 (93.9) |
37.0 (98.6) |
37.0 (98.6) |
34.2 (93.6) |
32.1 (89.8) |
26.5 (79.7) |
20.8 (69.4) |
37 (98.6) |
平均最高気温 °C (°F) | 5.8 (42.4) |
7.6 (45.7) |
11.9 (53.4) |
17.5 (63.5) |
22.3 (72.1) |
25.7 (78.3) |
28.4 (83.1) |
30.0 (86) |
26.5 (79.7) |
21.5 (70.7) |
14.9 (58.8) |
8.3 (46.9) |
18.4 (65.1) |
日平均気温 °C (°F) | 1.8 (35.2) |
3.0 (37.4) |
6.9 (44.4) |
12.4 (54.3) |
17.5 (63.5) |
21.6 (70.9) |
25.1 (77.2) |
26.3 (79.3) |
22.3 (72.1) |
16.6 (61.9) |
10.4 (50.7) |
4.2 (39.6) |
14.0 (57.2) |
平均最低気温 °C (°F) | −1.3 (29.7) |
−0.6 (30.9) |
2.9 (37.2) |
8.2 (46.8) |
13.5 (56.3) |
18.5 (65.3) |
22.7 (72.9) |
23.5 (74.3) |
19.0 (66.2) |
12.7 (54.9) |
6.6 (43.9) |
0.7 (33.3) |
10.5 (50.9) |
最低気温記録 °C (°F) | −14.2 (6.4) |
−12.0 (10.4) |
−7.5 (18.5) |
−1.4 (29.5) |
3.2 (37.8) |
9.8 (49.6) |
14.8 (58.6) |
13.7 (56.7) |
8.4 (47.1) |
1.0 (33.8) |
−5.5 (22.1) |
−11.6 (11.1) |
−14.2 (6.4) |
降水量 mm (inch) | 31.8 (1.252) |
36.8 (1.449) |
64.9 (2.555) |
80.3 (3.161) |
91.3 (3.594) |
150.2 (5.913) |
220.7 (8.689) |
209.0 (8.228) |
137.7 (5.421) |
58.9 (2.319) |
48.9 (1.925) |
37.2 (1.465) |
1,167.7 (45.972) |
平均降水日数 (≥0.1 mm) | 11.0 | 8.9 | 9.0 | 8.7 | 9.4 | 9.8 | 13.2 | 12.4 | 8.9 | 6.2 | 8.6 | 11.1 | 117.2 |
平均降雪日数 | 9.5 | 5.6 | 1.9 | 0.1 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 1.2 | 7.8 | 26.1 |
% 湿度 | 70.8 | 70.0 | 69.1 | 69.7 | 73.8 | 79.8 | 85.1 | 81.8 | 77.1 | 70.6 | 69.5 | 70.0 | 73.9 |
平均月間日照時間 | 147.3 | 161.2 | 195.4 | 212.1 | 223.3 | 174.5 | 159.8 | 200.8 | 184.7 | 211.3 | 166.6 | 143.8 | 2,180.8 |
出典:韓国気象庁 (平均値:1991年-2020年、極値:1904年-現在)[5][6] |
歴史
編集- 百済の勿阿兮郡
- 757年 - 務安郡設置
- 1439年(世宗21年) - 木浦万戸鎮設置(『木浦市公式サイト』木浦市の歴史)
- 1885年 - 務安郡に編入、鎮を廃止
- 1897年 - 開港
- 1910年 - 務安府から木浦府に改称[7]
- 1914年1月11日 - 湖南線開通
- 1914年4月1日 - 郡面併合により、府内面が新たな木浦府に昇格。金洞面・進礼面・佐村面・厳多面・新老面が咸平郡に編入。木浦府の農村部(咸平郡編入区域は除く)と智島郡の大部分(古群山面・蝟島面・落月面を除く)・莞島郡八禽面・珍島郡都草面を務安郡として編成。
- 1932年 - 務安郡二老面の一部(竹僑里および山亭里・龍塘里の各一部)を編入
- 1949年8月15日 - 木浦府が木浦市に改称
- 1963年1月1日 - 務安郡二老面の一部(山亭里・上里・龍塘里・達里・訥島里)を編入
- 1973年7月1日 - 務安郡三郷面の一部(石峴里)を編入
- 1987年1月1日 - 務安郡三郷面の一部(玉岩里・大陽里)を編入
- 2004年 - KTX開業
行政
編集行政区域
編集行政洞 | 法定洞 |
---|---|
龍塘1洞 | 龍塘洞、山亭洞 |
龍塘2洞 | 龍塘洞 |
蓮洞 | 山亭洞、湖南洞、龍塘洞 |
山亭洞 | 山亭洞、連山洞、龍塘洞 |
大成洞 | 大成洞、陽洞、山亭洞、湖南洞 |
木原洞 | 南橋洞、大成洞、大安洞、明倫洞、務安洞、北橋洞、常楽洞1街、常楽洞2街、陽洞、竹洞、竹橋洞、昌平洞、測候洞、湖南洞 |
東明洞 | 東明洞、湖南洞、山亭洞、光洞1街、光洞2街、光洞3街 |
三鶴洞 | 山亭洞 |
万戸洞 | 京洞1街、京洞2街、錦洞1街、錦洞2街、大義洞1街、大義洞2街、大義洞3街、宝光洞1街、宝光洞2街、宝光洞3街、万戸洞、福満洞、山亭洞、寿康洞1街、寿康洞2街、栄海洞1街、栄海洞2街、柳洞、中央洞1街、中央洞2街、中央洞3街、祝福洞1街、祝福洞2街、祝福洞3街、港洞、海岸洞1街、海岸洞2街、海岸洞3街、海岸洞4街、幸福洞1街、幸福洞2街、仲洞1街、仲洞2街 |
儒達洞 | 京洞1街、京洞2街、錦和洞、達洞、大義洞1街、大義洞2街、大義洞3街、西山洞、温錦洞、儒達洞、栗島洞、竹橋洞、中央洞1街、中央洞2街、中央洞3街 |
竹橋洞 | 竹橋洞、大成洞、山亭洞 |
二老洞 | 龍海洞 |
龍海洞 | |
北港洞 | 山亭洞、竹橋洞 |
連山洞 | 山亭洞、連山洞 |
元山洞 | 山亭洞、連山洞 |
上洞 | 上洞、石峴洞 |
下塘洞 | 上洞、石峴洞 |
新興洞 | 上洞 |
三郷洞 | 大陽洞、石峴洞 |
玉岩洞 | 玉岩洞 |
復興洞 | |
浮珠洞 |
警察
編集- 木浦警察署
- 下塘派出所
- 駅前派出所
- 蓮洞派出所
- 山亭派出所
- 上洞派出所
- 二老派出所
- 中央派出所
- 竹橋派出所
- 龍塘派出所
- 三鶴派出所
消防
編集- 木浦消防署
- 湖南119安全センター
- 京洞119安全センター
- 三鶴119安全センター
- 連山119安全センター
国の施設
編集- 国立海洋博物館
- 西海地方海洋警察庁
- 木浦海洋警察署
- 木浦地方海洋港湾庁
- 光州地方法院の木浦支院
- 光州地方検察庁の木浦支検
教育
編集交通
編集鉄道
編集- 韓国鉄道公社(KORAIL)
バス
編集- 木浦共用バスターミナル
- 高速バスは、ソウル高速バスターミナルへは40分間隔で運行しており、所要時間は3時間55分。その他仁川、水原、大邱経由亀尾行きがある。
- 市外バスは釜山西部バスターミナルへは1日6本で所要時間約5時間。その他東ソウル総合バスターミナル・光州行きなど道外、また全羅南道各域とのバスの便が発着。
道路
編集- 国道1号線は木浦市が起点となっている。正式には新義州市までの路線であるが、軍事境界線により分断されているため、実質は京畿道坡州市までの路線となっている。
- かつては国道2号線も木浦市が起点であったが、新安郡の長山島を起点とし、島々を巡ってから木浦市を経由するルートに変更された。終点は釜山広域市。
- 西海岸高速道路の起点は木浦インターチェンジであり、インターチェンジ敷地にも市域が含まれるが、正式には務安郡に所在とされている。
船
編集空港
編集- 務安国際空港が15km北に立地している。
著名な出身者・ゆかりの人物
編集- 金大中 - 大韓民国第15代大統領 1924年1月6日に荷衣島(現在の新安郡荷衣面)で生まれ、1936年秋に家族とともに木浦に移住。木浦公立商業学校(現・木商高校)を卒業し、木浦で海運会社経営を行うなど実業家として活躍。国会議員当選6回のうち2回は木浦市選挙区からの選出。死去の約4年後の2013年6月には木浦市内に金大中ノーベル平和賞記念館が開館。
- 劉南碩 - 大韓民国第7代憲法裁判所長[8]
- 与謝野鉄幹 - 1873年(明治6年)2月26日に京都府岡崎町生まれの歌人で、与謝野晶子の夫. 1895年(明治28年)10月8日の閔妃暗殺事件への関与が疑われたが、事件当日の鉄幹はこの木浦に出かけていて、事件現場の京城にはいなかったアリバイによって免訴となった。
姉妹都市・友好都市
編集関連項目
編集脚注
編集- ^ “주민등록 인구통계 - 행정안전부”. 行政安全部. 2024年1月3日閲覧。
- ^ 永野慎一郎 (2010年10月15日). “朝鮮半島西南端の港・木浦市と日本との関係(上)” (PDF). アジア近代化研究所 IAM Newsletter 第7号. pp. 1-5. 2017年5月8日閲覧。- 1942年(昭和17年)時点で約7万2千人の木浦府の人口の中で8186人が内地人だった。
- ^ (朝鮮語)木浦市、「シーサイドシティ」造成へ 2016.4.20. 韓国日報
- ^ (朝鮮語)衰退しつつある木浦の旧市街、文化芸術で塗り替える 2016.10.17. 全南日報
- ^ “우리나라 기후평년값(1991~2020) 목포(165)”. 韓国気象庁. 2021年3月25日閲覧。
- ^ “순위값 - 구역별조회 목포(165)”. 韓国気象庁. 2021年10月2日閲覧。
- ^ 明治43年10月1日朝鮮総督府令第7号による。『朝鮮総督府官報』第29号p. 14(明治43年10月1日)を参照。
- ^ “韓国大統領 新任憲法裁判所長に劉南碩氏内定”. KBS WORLD JAPANESE (韓国放送公社). (2018年8月30日) 2024年2月6日閲覧。
関連文献
編集- 永野慎一郎 (2010年10月15日). “朝鮮半島西南端の港・木浦市と日本との関係(中)” (PDF). アジア近代化研究所. pp. 1-5. 2017年5月8日閲覧。
- 永野慎一郎 (2012年12月10日). “朝鮮半島西南端の港・木浦市と日本との関係(下)” (PDF). アジア近代化研究所 IAM e-Magazine 第3号. pp. 1-9. 2017年5月8日閲覧。