メルセデス・ベンツ・SLC
メルセデス・ベンツ・SLC(Mercedes-Benz SLC)は、ドイツの自動車メーカーであるメルセデス・ベンツ・グループがメルセデス・ベンツブランドで展開していた二人乗りのクーペカブリオレタイプのスポーツカーである。
概要
編集Cクラスベースの二人乗りライトウェイトスポーツカーとして発表された。先代モデルとなるSLKや、上位モデルのSLと同様に電動格納ルーフ「バリオルーフ」を採用している。また、季節や天候に左右される事なく開放感を味わえる「マジックスカイコントロール パラノミックバリオルーフ」を採用するモデルも選択可能であった。
SLKからSLCへの名称変更は、メルセデス・ベンツのセダン「Sクラス」、「Eクラス」、「Cクラス」を基軸とした車名変更に基づくものからである。かつて存在した、3代目SLベースの4人乗りクーペ「SLC」と同一の名称だが、両車に直接の関係はない。
初代 (2016年-2020年) R172型
編集メルセデス・ベンツ・SLC(初代) R172 | |
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SLC 180(オブシディアンブラック) | |
概要 | |
製造国 | ドイツ |
販売期間 | 2016年 - 2020年 |
ボディ | |
乗車定員 | 2人 |
ボディタイプ | クーペカブリオレ |
駆動方式 | FR |
パワートレイン | |
エンジン |
SLC 180/直列4気筒1.6Lターボ(156ps) SLC 200/直列4気筒2Lターボ(184ps) SLC 300/直列4気筒2Lターボ(246ps) SLC250d/直列4気筒2Lディーゼルターボ(204ps) メルセデスAMG SLC 43/V型6気筒3Lターボ(367ps) |
変速機 | 9速AT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,430mm |
全長 | 4,145mm |
全幅 | 1,845mm |
全高 | 1,295mm |
車両重量 | 1,480 - 1,540kg |
系譜 | |
先代 | SLK(R172) |
2015年、SLKの大幅改良モデルとして発表された。
エクステリアに、新デザインのフロントバンパー、ヘッドライト、リアバンパー、リアコンビネーションランプを採用。インテリアには新型スポーツステアリングホイール、インストゥルメントパネル、4.1インチのスクリーンインフォテインメントシステムを採用した。
電動リトラクタブルハードトップは、最大40km/hまで開閉可能である。オプションパッケージとして「Night Package」を設定し「メルセデスAMG SLC 43」を含めた全モデルで選択可能とした。ハイグロスブラックのクロームグリル、フロントスプリッター、デュフューザー、ブラッククロームのエキゾーストパイプ、ハイグロスブラック塗装18インチAMGホイールを採用する。
なお、従来設定のあった55 AMGは消滅し、メルセデスAMG 43に置き換わった。
日本での販売
編集2016年6月2日、大幅改良(フェイスリスフト)を行ってSLCに改名し、発売を開始した[1]。ラインナップは「SLC 180」・「SLC 180 Sports」・「SLC 200 Sports」・「メルセデスAMG SLC 43」の4種類が用意される。なお、「メルセデスAMG SLC 43」のみ、6月中旬頃より納車が開始される。
2017年6月19日、特別仕様車「RedArt Edition(レッドアート エディション)」を発売[2]。「SLC 180 Sports」、「メルセデスAMG SLC 43」をベースに、共通装備として、外観はフロントスポイラーリップ、サイドエアアウトレットフィン、リアディフューザートリムにレッドアクセントパーツを採用し、内装はレッドパイピングを施したナッパレザーシート(「メルセデスAMG SLC 43 RedArt Edition」はナッパフルレザー仕様)、カーボンパターンエンボス入レザー仕様で「SLC REDART EDITION」ステッチを施したヘッドレスト、カーボンパターンエンボスを入れたナッパレザー仕様のステアリング(「メルセデスAMG SLC 43 RedArt Edition」はAMGパフォーマンスステアリング)を採用。そのほか、「SLC 180 RedArt Edition」は外観に専用18インチAMGマルチスポークアルミホイールを装備し、「SLC REDART EDITION」サイドエンブレムを装着。シャーシはフロントのブレーキ・キャリパーとドリルドベンチレーティッドディスクにレットペイントを施し、内装はインテリアトリムにカーボンデザインのアルミニウムを施した。装備面ではエアスカーフとダイレクトセレクトレバー(カーボンパターンエンボス入レザー)を装備した。「メルセデスAMG SLC 43 RedArt Edition」は外観には専用ハイグロスブラックペイント18インチAMG10スポークアルミホイール、シャーシにはAMGレッドブレーキ・キャリパーとAMG RIDE CONTROLスポーツサスペンション、内装にはAMGカーボンインテリアトリム、機能面ではAMG E-SELECTレバー(AMGエンボス入)をそれぞれ装備した。同年8月31日までの期間限定受注となる。
2018年6月12日、「メルセデスAMG SLC 43」がマイナーチェンジ[3]。搭載する276M30エンジンの最大出力が367hpから385hpへ引き上げられたほか、先進運転支援システム(ADAS)をさらに充実した。
2019年6月28日、最後の特別仕様車となる「SLC Final Edition」が発表・発売された。日本仕様では「SLC 180 Sports」と「メルセデスAMG SLC 43」をベースに、共通でボディカラーに初代SLKに設定されていた「イエローストーン」のオマージュカラーとなる「サンイエロー(有償オプション)」が特別設定(「SLC 180 Sports」では他に4色も設定)され、アルミホイールはグレードで異なるブラックペイント18インチAMG 5スポークアルミホイール(「SLC 180 Sports」はハイグロス、「メルセデスAMG SLC 43」はマット)を採用。内装は専用のブラックとシルバーパールの2トーンカラーのナッパレザーシートを採用した。そのほか、「SLC 180 Sports Final Edition」には、AMGスポーツステアリングやパークトロニック(パーキングガイダンス機能付)などを特別装備し、スイッチ操作でルーフトップの透過率を瞬時に変更可能なマジックスカイコントロールパノラミックバリオルーフをオプション設定。「メルセデスAMG SLC 43 Final Edition」にはAMG RIDE CONTROLスポーツサスペンションが特別装備される。
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フロント(ヒヤシンスレッド)
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同 リア
注釈
編集- ^ 『新型「SLC」を発表』(PDF)(プレスリリース)メルセデス・ベンツ日本株式会社、2016年6月2日 。2016年6月2日閲覧。
- ^ 『「SLC 180 Sports RedArt(レッドアート) Edition」「Mercedes-AMG SLC 43 RedArt Edition」を発表』(PDF)(プレスリリース)メルセデス・ベンツ日本株式会社、2017年6月19日 。2017年6月22日閲覧。
- ^ “メルセデスAMG SLC43 が385hpにパワーアップ…2019年モデル”. レスポンス(Response.jp). 2019年5月5日閲覧。