メタモーフォシス
『メタモーフォシス』(Metamorphosis)は、1975年にリリースされたローリング・ストーンズのコンピレーション・アルバム。発売元はアブコ・レコード。プロデューサーはアンドリュー・ルーグ・オールダムおよびジミー・ミラー。全米8位[1]、全英45位[2]を記録。
『メタモーフォシス』 | ||||
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ローリング・ストーンズ の コンピレーション・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 1964年 | - 1970年|||
ジャンル | ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | アブコ | |||
プロデュース | ||||
専門評論家によるレビュー | ||||
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ローリング・ストーンズ アルバム 年表 | ||||
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解説
編集バンドのデッカ・レコード在籍時代(1970年まで)の未発表音源を収録している。バンドのプライベートレーベルであるローリング・ストーンズ・レコードからリリースされたベスト・アルバム『メイド・イン・ザ・シェイド』と同日に発売されたが、これはアブコの代表者でストーンズのデッカ時代の楽曲の著作権を握っていたアラン・クレインの戦略によるものである[3]。本作に収録されているものは全てブライアン・ジョーンズ、そしてミック・テイラーがバンドに在籍していた時代の楽曲だが、そのためかジャケットに描かれたイラストにはジョーンズとテイラーが一緒に収まっている。ジョーンズ期とテイラー期の楽曲を同時収録した編集盤は多数存在するが、2人が同一のジャケットに写っているストーンズの公式作品は、他には1977年に同じくアブコから発表された『30 Greatest Hits』(日本では『偉大なる軌跡』の邦題で発表)しかなく、極めて珍しい[4]。 ライナーノーツはデビュー時から1967年までバンドのマネージャー兼サウンドプロデューサーを務めたアンドリュー・オールダムによる。
本作からの先行シングルとして、「アイ・ドント・ノウ・ホワイ/トライ・ア・リトル・ハーダー」(全米42位[5])が、そしてリカットシングルとして「アウト・オブ・タイム/ジャイヴィング・シスター・ファニー」(全英45位[2]、全米81位[5])がリリースされている。なお、アメリカでは「スティック・イン・ユア・マインド」と「ウィーアー・ウェイスティン・タイム」の2曲が削除され、全14曲となっていた[3]。
リイシュー
編集本作は1980年代にLP盤が生産終了となってから長らく未CD化のままであったが、2002年、アブコからデッカ時代のストーンズのアルバム22作がリマスターされてハイブリッドSACDとして再発されたのに伴い、本作も再発されることになった。収録曲も全世界共通でUKオリジナル版どおりの全16曲収録となった。ただし、厳密にはシングルリリースされた上記4曲は、1989年のコンピレーション・アルバム『シングル・コレクション (ザ・ロンドン・イヤーズ)』に収録済みであるため、このリイシューで初CD化となるのはそれ以外の12曲ということになる[3]。
収録曲
編集- ※各曲のデータの出典は2002年リイシューSACD(日本版)の越谷政義による解説より
- ※特記なき限り、作詞・作曲はジャガー/リチャーズ
SIDE A
編集- アウト・オブ・タイム - Out of Time 3:22
- ドント・ライ・トゥ・ミー - Don't Lie to Me 2:00
- スティック・イン・ユア・マインド - Some Things Just Stick in Your Mind 2:25
- 来る日も来る日も - Each and Everyday of the Year 2:48
- 1964年8月31日から9月4日にかけて、リージェント・サウンド・スタジオおよびデッカ・スタジオにて収録。アメリカの歌手、ボビー・ジェイムソンに提供した曲のデモ・バージョン。
- ハート・オブ・ストーン - Heart of Stone 3:47
- 1964年7月21日から23日にかけて、リージェント・サウンド・スタジオにて収録。ストーンズのイギリスでの5枚目のシングルとしてリリースされた曲の初期バージョンで、このバージョンにはジャガー以外のストーンズのメンバーは参加していない。
- かたくなの心 - I'd Much Rather Be with the Boys (Oldham/Richards) 2:11
- めざめぬ街 - (Walkin' Thru The) Sleepy City 2:51
- #4と同日に収録。ザ・マイティ・アヴェンジャーへの提供曲のデモ・バージョン。
- ウィーアー・ウェイスティン・タイム - We're Wastin' Time 2:42
- #4、#7と同日に収録。ジミー・ターバックへの提供曲のデモ・バージョン。
- トライ・ア・リトル・ハーダー - Try a Little Harder 2:17
- #3と同日に収録。
SIDE B
編集- アイ・ドント・ノウ・ホワイ - I Don't Know Why (Stevie Wonder/Paul Riser/Don Hunter/Lula Hardaway) 3:01
- 1969年6月30日頃にロンドン、オリンピック・スタジオにて収録。ストーンズに加入したばかりのミック・テイラーも参加。スティーヴィー・ワンダーのカバーだが、リリース時のクレジットは「ジャガー/リチャーズ/テイラー」と誤記された。
- イフ・ユー・レット・ミー - If You Let Me 3:17
- 1966年8月31日から9月2日にかけて収録。
- ジャイヴィング・シスター・ファニー - Jiving Sister Fanny 2:45
- 1969年5月24から7月2日にかけてのオリンピック・スタジオにおけるセッションの中で収録。テイラーも参加。
- ダウンタウン・スージー - Downtown Suzie (Bill Wyman) 3:52
- 1969年4月23日、オリンピック・スタジオにて収録。「イン・アナザー・ランド」(1967年のアルバム『サタニック・マジェスティーズ』収録)と並び、ワイマンが作者としてクレジットされている曲。
- ファミリー - Family 4:05
- 1968年5月、オリンピック・スタジオにて収録。
- メモ・フロム・ターナー - Memo from Turner 2:45
- アイム・ゴーイン・ダウン - I'm Going Down 2:52
- 1970年7月14日から15日にかけて、オリンピック・スタジオにて収録。
レコーディング
編集- ミック・ジャガー - リード・ボーカル
- キース・リチャーズ - ギター、バッキング・ボーカル
- ブライアン・ジョーンズ - ギター
- ビル・ワイマン - ベース、バッキング・ボーカル(#13)
- チャーリー・ワッツ - ドラムス
- ミック・テイラー - ギター、ベース(#16)
- ジミー・ペイジ - ギター(#1、#3、#4、#5?)、ベース(#3、#4?)
- ジョン・マクラフリン - ギター(#3、#4、#5、#6)
- ジョー・モレッティ - ギター(#1、#3、#4、#6)
- ライ・クーダー - ギター(#13)
- アル・クーパー - ギター(#15)
- エリック・フォード - ベース(#1)
- ジョン・ポール・ジョーンズ - ベース(#4?)
- イアン・スチュワート - ピアノ(#10)、オルガン(#11)
- ニッキー・ホプキンス - ピアノ(#14)、エレクトリックピアノ(#12)
- レグ・ゲスト - ピアノ(#1)
- ヴィク・ステフェンス - ピアノ(#2)
- アンディ・ホワイト - ドラムス(#1、#3、#4、#6)
- スティーヴ・グレゴリー、バド・ビードル - ホーン・セクション(#10)
- ボビー・キーズ - サックス(#16)
- ロッキー・ディジョン - パーカッション(#16)
- ジミー・ミラー - パーカッション(#13、#14)、バッキング・ボーカル(#13)
- アンドリュー・オールダム - プロデューサー、ライナーノーツ
- ジミー・ミラー - プロデューサー
- アル・ステックラー - 企画、編纂、アート・ディレクション
- リチャード・ロス - アート・ディレクション
- リンダ・ガイモン - グラフィック
- グレン・ロス - デザイン・コンセプト
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ The Rolling Stones Chart History | Billboard
- ^ a b The Rolling Stones | full Official Chart History | Official Charts Company
- ^ a b c d e f 2002年リイシューSACD(日本版)の越谷政義による解説より。
- ^ アーカイヴシリーズvol.4「ザ・ローリング・ストーンズ['69-'74]」(シンコー・ミュージック刊、2002年、ISBN 4-401-61774-6)121頁
- ^ a b The Rolling Stones Chart History | Billboard
- ^ a b c Track Talk 1963-652018年4月15日閲覧
- ^ Track Talk 1966-702018年4月15日閲覧
外部リンク
編集- The-Rolling-Stones-Metamorphosis - Discogs (発売一覧)