ムスキスバスク語: Muskiz)またはムスケススペイン語: Musques)は、スペインバスク州ビスカヤ県ムニシピオ(基礎自治体)である。公式名はバスク語のMuskiz。ペトロノールによる企業城下町としての性格も帯びている。

Muskiz

  


ムスキス市街地(中央奥)とペトロノールの大規模製油所(手前)
 バスク州
 ビスカヤ県
コマルカ グラン・ビルバオ
面積 21.5 km²
標高 10m
人口 7,620 人 (2013年)
人口密度 354.42 人/km²
住民呼称 muskiztarra
Muskizの位置(スペイン内)
Muskiz
Muskiz
スペイン内ムスキスの位置
Muskizの位置(ビスカヤ県内)
Muskiz
Muskiz
ビスカヤ県内ムスキスの位置

北緯43度19分24秒 西経3度7分18秒 / 北緯43.32333度 西経3.12167度 / 43.32333; -3.12167座標: 北緯43度19分24秒 西経3度7分18秒 / 北緯43.32333度 西経3.12167度 / 43.32333; -3.12167

名称

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バスク語ではムスキス(Muskiz)、スペイン語ではムスケス(Musques)であり、かつてはサン・フリアン・デ・ムスケス(San Julián de Musques)とも呼ばれた[1]バスク地方各地で自治体名改名の動きが起こった民主化期(1975年以降)、正式名をバスク語名に変更した。

地理

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ビルバオ都市圏の一部であり、都市圏で「鉱業地区」と呼ばれる地域にある。歴史的には1805年まで存在したバリェ・デ・ソモロストロの一部であり、現在ではビスカヤ県西部の自治体で構成されるラス・エンカルタシオネス郡に含まれる。

ムスキスの集落は大西洋のビスケー湾から約3km内陸、マジョール川やバルバドゥン川が形成する谷に位置する。自治体域自体はビスケー湾にも面しており、アレナ海岸スペイン語版シエルバナとムスキスにまたがっている。北はビスケー湾、東はアバント・イ・シエルバナとシエルバナ、南はガルダメススペイン語版、西はカンタブリア州カストロ・ウルディアレスと接している。

自治体の最高峰は自治体南部にある626mのメリョ峰である。その他の重要な山には、361mのコルベラ岩山、269mのカラスカル峰、229mのラモス峰、203mのハネオなどがある。

地区

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自治体は6地区に分けられる[2][3]

公式名 バスク語名
コバロン Kobaron コバロン Cobaron
(ラ・)リガダ (La) Rigada ラライナガ Larrainaga
ポベーニャ Pobeña ポベニャ Pobeña
サン・フアン San Juan サン・フアン・ムスキス San Juan Muskiz
サン・フリアン San Julián サン・フリアン San Julian
サンテリセス Santelices サンテリセス Santelices

人口

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ムスキスの人口推移 1897-2006
出典:INE(スペイン国立統計局)1900年 - 1991年[4]、1996年 - [5]

経済

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ムニャトネス城とペトロノールの石油精製所。
 
煙を上げて操業するペトロノールの施設。なお写真左側に見える高速道路はA-8号線英語版である。

1968年には石油企業のペトロノールがバルバドゥン河口の湿地を取得し、1972年にペトロノールの石油精製所が操業を開始した。この石油精製所はビスケー湾沿岸で最大の石油化学コンビナートであり、施設は14回もの拡張を経験している。ペトロノールは人口約7,000人のムスキスにおいて住民の約950人を直接雇用しており、また住民の約1/3がペトロノールに関連する企業に従事しているとされる[6]

ペトロノールは年間に260万トンの二酸化炭素を排出しており、バスク州の企業としてはもっとも多い、州全体の約10%もの温室効果ガスを生んでいる。ムスキス石油精製所は大気汚染、騒音、土壌汚染、有害廃棄物、汚染排水などの問題を抱えており、さらに過去には火災、爆発、オイル漏れなどの事故が発生している[6]

ムスキス市議会はペトロノールに好意的なバスク民族主義党(PNV)が伝統的に与党を務めており、2003年の地方選挙では13議席中8議席をバスク民族主義党が獲得した。しかし、2007年の地方選挙ではペトロノールに批判的なバスク連帯スペイン語版(EA)が4議席、バスク社会党(PSE)が3議席を獲得し、過半数を獲得した両政党による連立でバスク連帯系の市長が誕生。バスク連帯はムスキスへの新工場の建設に反対したが、バスク州政府は工場建設を承認した[6]

出身者

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脚注

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外部リンク

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