ミールプル地震
ミールプル地震(ミールプルじしん)は、2019年9月24日16時01分(PST UTC+5)頃にパキスタンのミールプル付近を震央として起きた地震である。アメリカ地質調査所によるモーメントマグニチュードは5.6。震源の深さは10km[3]。
ミールプル地震 | |
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地震の震央の位置を示した地図 | |
本震 | |
発生日 | 2019年9月24日 |
発生時刻 | 16時01分55秒(PST UTC+5) |
震央 |
パキスタン アザド・カシミール ミールプル県 北緯34度06分22秒 東経73度45分58秒 / 北緯34.106度 東経73.766度座標: 北緯34度06分22秒 東経73度45分58秒 / 北緯34.106度 東経73.766度 |
震源の深さ | 10 km |
規模 | Mw5.6/ M 6.0[1] |
最大震度 | メルカリ震度VII:ミールプル |
津波 | なし |
地震の種類 | デコルマン |
被害 | |
死傷者数 | 死者25人・負傷者700人以上(9月24日現在)[2] |
被害地域 | ミ-ルプル県 |
プロジェクト:地球科学 プロジェクト:災害 |
震央はパキスタンの首都であるイスラマバードから南東約90kmにあるミールプル付近で、最大メルカリ震度VIIをミールプルで記録した[3]。ミールプルはアザド・カシミール最大の都市であり、人口12.4万人(2017年)を抱える。
パキスタンは石積みの家が多く、RC造の建築物も耐震基準が緩い[4]。このため、地震動に対して貧弱であり、震央付近のミールプルを中心として被害が生じた。建築物の崩壊などによって25人が死亡・700人以上が負傷[2]。そのほか幹線道路や橋の損壊などのインフラ被害、ミルプール県とコトリ県の停電などのライフライン被害が生じた[5]。救助支援としてパキスタン軍は被災地に軍と医療チームを派遣した[2]。
震源付近はヒマラヤ褶曲衝上断層帯の一つであるSalt Range ThrustやMain Frontal Thrustなどが分布する[6]。このヒマラヤ褶曲衝上断層帯はインド亜大陸とアジア大陸が衝突し形成されたもので、インドプレートとユーラシアプレートのプレート境界断層となっている[7]。二つのプレートの相対運動速度は年間約4cmで、地震活動が活発である[3]。近年では2005年にカシミールでM 7.6、2015年にネパールでM 7.8の地震がヒマラヤ褶曲衝上断層帯の活動であり、いずれも大きな被害が生じた。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ “M 6.0 - Pakistan-India (J & K) Border Region”. インド気象局 (2019年9月24日). 2019年9月24日閲覧。
- ^ a b c Lockett, Jon (2019年9月24日). “DEADLY QUAKE Pakistan earthquake today leaves 25 dead and hundreds injured as 6.0 tremor rocks Mirpur”. ザ・サン 2019年9月25日閲覧。
- ^ a b c d “M 5.6 - 3km S of New Mirpur, Pakistan”. アメリカ地質調査所 (2019年9月24日). 2019年9月24日閲覧。
- ^ “2005年パキスタン地震における建築物被害概要” (PDF). 国土交通省 (2005年). 2019年9月25日閲覧。
- ^ “Dozens killed as quake hits Pakistan-administered Kashmir”. アルジャジーラ. (2019年9月24日) 2019年9月25日閲覧。
- ^ Borderie et al. (2017). “Impact of an interbedded viscous décollement on the structural and kinematic coupling in fold-and-thrust belts: Insights from analogue modeling”. Tectonophysics 722. doi:10.1016/j.tecto.2017.10.019 2019年9月24日閲覧。.
- ^ Baker et al. (1988). “Development of the Himalayan frontal thrust zone: Salt Range, Pakistan”. Geology 16 (1): 3-7. doi:10.1130/0091-7613(1988)016<0003:DOTHFT>2.3.CO;2 2019年9月24日閲覧。.