アナクシメネス(ミレトスのアナクシメネス、古代ギリシア語: Άναξιμένης、Anaximenes of Miletus、紀元前585年 - 紀元前525年)は、古代ギリシア自然哲学者。アナクシマンドロスの弟子と言われ、アナクシマンドロスや、その師であるタレスとともにミレトス学派イオニア学派)の1人。

アナクシメネス

学説

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万物の根源(アルケー)は「無限なる空気」(アエールἀήρ, aēr))[注釈 1]であるとした。

死人は呼吸をしないことから、息は生命そのものであると古代ギリシアでは考えられていた。そこでアナクシメネスは、ちょうど息が生命を作るように、空気が世界を作るものと考えた。[要出典]

より具体的には、空気は薄くなるにつれて熱くなり、最も薄くなると火となる。逆に濃くなるにつれて冷たくなって水になり、更に濃くなると土や石になる、とした。また、大地は大きな石の円盤で、木の葉が風に舞うように空気に乗って安定しているものとし、太陽や月など宇宙のその他のものは、この大地円盤の土が希薄化することによって生じているものだ、とした。このように、空気は無限であり、かつ常に運動状態であると考えたこと[2]は、師のアナクシマンドロスとも共通する。

影響

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基本的な物質というものが存在し、それが薄くなったり濃くなったりすることで、世界を構成するさまざまな成分に姿を変えると想像したことは、後の物理学の萌芽とも考えられる[3]

注釈

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  1. ^ プネウマ」(気息(πνεῦμα, pneuma))の語が用いられることもあるが、基本的に同義[1]

脚注

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  1. ^ ディールス・クランツ 13.B2.
  2. ^ ディールス・クランツ 13.A10.
  3. ^ C・ロヴェッリ『すごい物理学講義』河出文庫、2019年、27頁。 

外部リンク

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