ミルトン子爵
ミルトン子爵(ミルトンししゃく、英: Viscount Milton)とミルトン男爵(ミルトンだんしゃく、Baron Milton)は、イギリスの貴族爵位。それぞれ3回創設され、すべて廃絶している。「ミルトン」は6回の創設で合計5か所の地名を指す。
シドニー家
編集イングランド王国の軍人ヘンリー・シドニー(1641–1704)は1689年4月9日にイングランド貴族であるケント州におけるミルトン男爵(Baron Milton, Co. Kent)とケント州シェピーにおけるシドニー子爵に叙された[1]。1694年5月14日に同じくイングランド貴族であるケント州におけるロムニー伯爵に叙されたが、生涯未婚であり、1704年に病死すると爵位はすべて廃絶した[2]。
フィッツウィリアム家
編集アイルランド王国の政治家第3代フィッツウィリアム男爵ウィリアム・フィッツウィリアム(1643–1719)は1716年7月21日にアイルランド貴族であるウェストミーズ県におけるミルトン子爵(Viscount Milton, co. Westmeath)とティロン県におけるフィッツウィリアム伯爵に叙された[4]。その孫にあたる3代伯爵ウィリアム・フィッツウィリアム(1720–1756)は1742年4月19日にグレートブリテン貴族であるノーサンプトン州におけるミルトン男爵(Lord FitzWilliam, Baron of Milton, co. Northampton)に叙され、1746年9月6日に同じくグレートブリテン貴族であるノーサンプトン州におけるミルトン子爵(Viscount Milton, co. Northampton)とノーサンプトン州ノーバラにおけるフィッツウィリアム伯爵に叙された[5]。1979年にその子孫である10代伯爵トマス・ウェントワース=フィッツウィリアム(1904–1979)が死去すると、爵位はすべて廃絶した[6]。
第1期のミルトン子爵の「ミルトン」はウェストミーズ県ミルトンを、第2期はノーサンプトン州ミルトン・ホール(現ケンブリッジシャーの一部)を指す[3]。
デイマー家
編集グレートブリテン王国の政治家ジョセフ・デイマー(1718–1798)は1753年7月3日にアイルランド貴族であるティペラリー県におけるシュロニルのミルトン男爵(Baron Milton of Shronehill, co. Tipperary)に叙された[7]。さらに1762年5月10日/11日にグレートブリテン貴族であるドーセット州ミルトン・アビーにおけるミルトン男爵(Baron Milton of Milton Abbey, co. Dorset)に、1792年5月18日に同じくグレートブリテン貴族であるドーセット州ミルトン・アビーにおけるミルトン子爵(Viscount Milton of Milton Abbey, co. Dorset)とドーセット州におけるドーチェスター伯爵に叙された[7]。その息子である2代伯爵ジョージ・デイマー(1746–1808)が生涯未婚のまま死去すると、後継者がおらず爵位がすべて廃絶した[7]。
第2期のミルトン男爵の「ミルトン」はティペラリー県シュロネルのミルトンを指し、第2期と第3期のミルトン子爵の「ミルトン」はドーセット州ミルトン修道院を指す[8]。
出典
編集- ^ Cokayne & White 1949, p. 83.
- ^ Cokayne & White 1949, p. 84.
- ^ a b Cokayne & Doubleday 1932, p. 710.
- ^ Cokayne, Gibbs & Doubleday 1926, p. 521.
- ^ Cokayne, Gibbs & Doubleday 1926, p. 522.
- ^ Cokayne & Hammond 1998, p. 328.
- ^ a b c Cokayne, Gibbs & Doubleday 1916, p. 408.
- ^ Cokayne & Doubleday 1932, p. 711.
参考文献
編集- Cokayne, George Edward; Gibbs, Vicary; Doubleday, H. Arthur, eds. (1916). Complete peerage of England, Scotland, Ireland, Great Britain and the United Kingdom, extant, extinct or dormant (Dacre to Dysart) (英語). Vol. 4 (2nd ed.). London: The St. Catherine Press, Ltd.
- Cokayne, George Edward; Gibbs, Vicary; Doubleday, H. Arthur, eds. (1926). The Complete Peerage of England, Scotland, Ireland, Great Britain and the United Kingdom, extant, extinct or dormant (Eardley of Spalding to Goojerat) (英語). Vol. 5 (2nd ed.). London: The St. Catherine Press.
- Cokayne, George Edward; Doubleday, Herbert Arthur, eds. (1932). The Complete Peerage, or a history of the House of Lords and all its members from the earliest times (Lindley to Moate) (英語). Vol. 8 (2nd ed.). London: The St. Catherine Press. pp. 39–40.
- Cokayne, George Edward; White, Geoffrey H., eds. (1949). The Complete Peerage, or a history of the House of Lords and all its members from the earliest times (Rickerton to Sisonby) (英語). Vol. 11 (2nd ed.). London: The St Catherine Press.
- Cokayne, George Edward; Hammond, Peter W., eds. (1998). The Complete Peerage, or a history of the House of Lords and all its members from the earliest times (Addenda & Corrigenda) (英語). Vol. 14 (2nd ed.). Stroud: Sutton Publishing. ISBN 978-0-7509-0154-3。