ミハイル・ミシュスチン
ミハイル・ウラジーミロヴィチ・ミシュスチン[注 1](ロシア語: Михаи́л Влади́мирович Мишу́стин, ラテン文字転写: Mikhail Vladimirovich Mishustin、1966年3月3日 - )は、ロシア連邦の政治家、経済学者、一等ロシア連邦経済勤務国家顧問、経済学博士[1]。2020年1月より連邦政府議長・ロシア・ベラルーシ連盟国(正式名称は「連盟国」)の閣僚会議議長(首相)を務めている。それ以前は連邦税務局長官を務めた[2]。
ミハイル・ミシュスチン Михаил Мишустин | |
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(2022年3月30日) | |
生年月日 | 1966年3月3日(58歳) |
出生地 |
ソビエト連邦 ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 ロブニャ |
出身校 | モスクワ国立技術大学「スタンキン」 |
所属政党 | 無所属 |
称号 |
4等祖国貢献勲章 ロシア連邦大統領名誉証書 経済学博士 |
配偶者 | ウラドレーナ・ユリエフナ・ミシュスティナ |
子女 | 3人 |
サイン | |
在任期間 | 2020年1月16日 - 現職 |
大統領 | ウラジーミル・プーチン |
在任期間 | 2020年1月16日 - 現職 |
最高国家会議議長 | アレクサンドル・ルカシェンコ |
在任期間 | 2010年4月6日 - 2020年1月16日 |
大統領 |
ドミートリー・メドヴェージェフ ウラジーミル・プーチン |
ロシアの納税システムの近代化およびデジタル化を成し遂げた税務官僚としての実績を評価され、政治的実績は皆無でありながらメドヴェージェフの後任の首相に指名された。
来歴
編集1966年3月3日にソビエト連邦のロシア・ソビエト連邦社会主義共和国のロブニャでユダヤ系ロシア人[3]の父親とロシア人の母親のもとに誕生した[4]。
1989年にモスクワ機械・精密機器大学でシステム工学の学位を取得し、1992年に同大学の大学院を修了した[1]。大学院修了後は試験所の監督として働き始め、後に公的非営利団体となる International Computer Club (IAC) の理事会を率いた[5]。1998年にロシア連邦税務局に入局し、税務・公共料金担当省(国税庁)次官、経済開発貿易省連邦不動産総局局長、連邦経済特別区管理局局長を歴任した。2008年3月には公務員を退職し、再び投資分野のビジネスを開始する。2009年2月に大統領の人事リストに入る[6]。2010年4月に連邦税務局長官に任命される[1]。
2020年1月15日にドミートリー・メドヴェージェフ首相が内閣総辞職を表明したのに伴い、ウラジーミル・プーチン大統領より後継の首相に指名される[7]。翌日に国家院議会がミハイル・ミシュスチンを賛成383票・反対0票・棄権41票で承認し、第11代連邦政府議長に就任した[8]。それと同時に連邦税務局長官を退任した。
2022年2月にロシアによるウクライナ侵攻が開始されたことでロシア政府の高官は軒並み各国からの制裁対象となり、首相のミシュスチンも例外ではなかった[9]。しかしミシュスチン自身は経済テクノクラートであることから戦争とは距離をおいており[10]、主に西側諸国による経済制裁に対する反発は表明しているが[11]、戦争に対する直接的な公式発言をほぼ行っていない[12][13]。
2024年5月7日にプーチンが大統領5期目に突入し、憲法規定に従い内閣総辞職したが、下院の首相再任を経て5月10日にプーチンより首相に再任命された[14]。ウクライナ侵攻に伴う欧米諸国からの経済制裁に対処してきた手腕をプーチンが高く評価したとされている[15]。
新型コロナウイルス感染
編集新型コロナウイルス感染症の流行では対策本部を指揮している。2020年4月30日にプーチン大統領とのビデオ通話による面談で「新型コロナウイルスの検査を受け、陽性反応が出た」と報告し、当面は他人との接触を絶つために自主隔離に入り、執務・会議についてはリモートワークにより継続した[16]。その間アンドレイ・ベロウソフ第一副首相が首相代行を務め[17]、5月19日に復職した[18]。
脚注
編集注釈
編集- ^ ミシュスティンまたはミシュースチンとも言う。
出典
編集- ^ a b c Руководитель Федеральной налоговой службы. Краткая биографическая справка
- ^ “Мишустин Михаил Владимирович | ФНС России | 77 город Москва”. www.nalog.ru. 2020年1月15日閲覧。
- ^ https://www.analizfamilii.ru/Mishustin/fonosemanticheskiy-analiz.html
- ^ Мишустин Михаил Владимирович アーカイブ 2010年6月28日 - ウェイバックマシン. — ROSEZ.RU — Российские особые экономические зоны
- ^ “ИСТОРИЯ МЕЖДУНАРОДНОГО КОМПЬЮТЕРНОГО КЛУБА”. 2013年7月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年10月19日閲覧。
- ^ Поздравляем Михаила Мишустина с назначением на пост руководителя Федеральной налоговой службы! アーカイブ 2016年3月4日 - ウェイバックマシン. Кадровый резерв Президента России
- ^ “プーチン氏が電撃発表 新首相を指名、憲法改正を提案”. AFPBB News. フランス通信社. (2020年1月16日) 2020年1月16日閲覧。
- ^ “ロシア下院議員の多数がミシュスティン氏を首相候補として支持”. Sputnik 日本. スプートニク. (2020年1月16日) 2020年1月17日閲覧。
- ^ “ウクライナ、ロシア大統領らに渡航禁止などの制裁 象徴的意味合い”. ロイター. (2022年6月10日) 2022年10月4日閲覧。
- ^ “「死ぬまで大統領」という野望は潰えたか…ロシア軍の劣勢でついに「プーチンおろし」が始まる”. プレジデント. (2022年9月29日) 2022年10月4日閲覧。
- ^ “ロシア、過去30年で最も困難な状況に直面=首相”. ロイター. (2022年4月8日) 2022年10月4日閲覧。
- ^ “戦況悪化でむなしいプーチンの「領土拡大」宣言”. 東洋経済新報社. (2022年10月4日) 2022年10月4日閲覧。
- ^ “プーチン大統領は国民から飽きられている…ロシア国内で「プーチン氏の後継者報道」が相次いでいる理由”. プレジデント. (2023年2月8日) 2023年2月8日閲覧。
- ^ “プーチン大統領、ミシュスチン氏を首相に再任命 下院承認後”. ロイター. (2024年5月11日) 2024年5月12日閲覧。
- ^ “ミシュスチン露首相が再任へ プーチン大統領、制裁対応を評価”. 産経新聞. (2024年5月10日) 2024年5月12日閲覧。
- ^ “Вице-премьер Оверчук рассказал о самочувствии Мишустина”. RIAノーボスチ. RIAノーボスチ. (2020年5月15日) 2020年5月18日閲覧。
- ^ “ロシア首相、新型コロナ感染 プーチン大統領との接触情報なし”. 産経ニュース. 産経新聞. (2020年5月1日) 2020年5月1日閲覧。
- ^ “露首相、新型コロナ治療から復帰”. 産経新聞. (2020年5月19日) 2020年5月21日閲覧。
外部リンク
編集公職 | ||
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連邦政府議長 第11代:2020年1月16日 - 現職 |
次代 (現職) |
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ロシア・ベラルーシ連邦国家 閣僚会議議長 第3代:2020年1月16日 - 現職 |
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