ミツバチ上科(ミツバチじょうか、Apoidea)は、膜翅目ハチ亜目細腰亜目)に属する上科のひとつ[1][3]。別名ハナバチ上科[2]

ミツバチ上科
セイヨウミツバチ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: ハチ目(膜翅目)Hymenoptera
亜目 : ハチ亜目(細腰亜目)Apocrita
下目 : 有剣下目 Aculeata
上科 : ミツバチ上科 Apoidea
学名
Apoidea Latreille, 1802[1]
和名
ミツバチ上科[2]
科(†は絶滅群)[1][3]

分類

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ミツバチ上科は、主に幼虫として昆虫を利用するアナバチ類[4]と、植物から花粉を集め、幼虫に餌として与えるハナバチ(bee)と呼ばれるハチ類に区別される[5][6][7]。すなわち、この上科には、アナバチ類(Spheciformes)(英語版)のセナガアナバチ科(Ampulicidae)、ギングチバチ科(Crabronidae)(英語版)アナバチ科(Sphecidae)(英語版)、Heterogynaidae科の4科と、ムカシハナバチ科(Colletidae)(英語版)Stenotritidae(英語版)ヒメハナバチ科(Andrenidae)(英語版)コハナバチ科(Halictidae)(英語版)ハキリバチ科(Megachilidae)、ケアシハナバチ科(Melittidae)、ミツバチ科(Apidae)のハナバチ類7科が分類されている[3][7]

なお、ハナバチ類はギングチバチ科のアリマキバチ亜科(Pemphredoninae)から生じたとされており、従ってギングチバチ科は側系統群と考えられている[8]

特徴

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英語でいうwasp英語版の仲間であるハチの多くはカリウドバチ[9][10]と呼ばれ、他の昆虫や蜘蛛毒針麻痺させ幼虫の餌として与える。こうしたハチでも成虫食性は花蜜や花外蜜で、を訪れる。こうしたハチ(具体的にはアナバチの仲間)の中から、幼虫の餌として、他の昆虫ではなく、花粉や蜜を食料源とするよう進化してきたのがハナバチである[11]

これらのハチは、もちろん花蜜を採取するために便利な口()をもっている。これらのハチは、長いをもっているか、短い舌をもっているかで大きく2種類に分類される。短い舌をもつハチは、花の管が浅く、蜜が容易に採取できる進化上初期の被子植物の蜜を集めていたハチの子孫であり、長い舌のそれは、蜜が花の奥深くにあるような進化上後期に出現した被子植物からも蜜を採取する能力を備えたハチの子孫だと考えられている。この分類では、ミツバチは長い舌をもったハチに分類されている。

脚注

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  1. ^ a b c Alexandre P. Aguiar, Andrew R. Deans, Michael S. Engel, Mattias Forshage, John T. Huber, John T. Jennings, Norman F. Johnson, Arkady S. Lelej, John T. Longino, Volker Lohrmann, István Mikó, Michael Ohl, Claus Rasmussen, Andreas Taeger & Dicky Sick Ki Yu, “Order Hymenoptera,” In: Zhang, Z.-Q. (Ed.) “Animal Biodiversity: An Outline of Higher-level Classification and Survey of Taxonomic Richness (Addenda 2013),” Zootaxa, Volume 3703, No. 1, Magnolia Press, 2013, Pages 51–62, https://doi.org/10.11646/zootaxa.3703.1.12.
  2. ^ a b 幾留秀一「日本産花蜂類の分類群と和名」『鹿児島女子短期大学紀要』第29号、鹿児島女子短期大学、1994年、1–23頁。
  3. ^ a b c 吉澤和徳・山崎柄根・篠原明彦「六脚亜門分類表」、石川良輔 編『バイオディバーシティ・シリーズ 6 節足動物の多様性と系統』岩槻邦男馬渡峻輔 監修、裳華房、2008年、426–437頁。
  4. ^ アナバチ(ジガバチ)類について”. 名古屋市. 2022年6月30日閲覧。
  5. ^ ミツバチ上科 Apoidea - 日本産生物種数調査 - 日本分類学会連合”. ujssb.org. 2020年5月19日閲覧。
  6. ^ 篠原明彦「ハチ目(膜翅目)」、石川良輔 編『バイオディバーシティ・シリーズ 6 節足動物の多様性と系統』岩槻邦男馬渡峻輔 監修、裳華房、2008年、391–394頁。
  7. ^ a b 渡辺恭平・長瀬博彦「日本産ハナバチ類の同定の手引き(コハナバチ科の一部、ハキリバチ科、ミツバチ科キマダラハナバチ属を除く)」『神奈川県立生命の星・地球博物館特別出版物』第1号、神奈川県立生命の星・地球博物館、2022年、1–120頁。
  8. ^ Marshall,S.A. 2023 Hymenoptera: The Natural History & Diversity of Wasps,Bees & Ants. Firefly Books
  9. ^ 猟師蜂とも呼ばれるが、ハチは人では無い為、現在では「カリバチ」とも呼ばれる。
  10. ^ カリバチ観察辞典,偕成社
  11. ^ スズメバチ科のハナドロバチ亜科も独自に同様の習性を進化させた