ミシェル・タバシュニク
略歴
編集ジュネーヴで生まれ、ピエール・ブーレーズ、イーゴリ・マルケヴィチ、ヘルベルト・フォン・カラヤンに師事。その間にイヤニス・クセナキス作品の演奏の指揮で、名声を決定的にした。このキャリアからもわかるように、当初は現代音楽方面の指揮がとても多かった。日本にも呼ばれてNHK交響楽団を振っており、自作とベートーヴェンとマルティヌーを披露した。
そのキャリアの円熟期にカルト教団「太陽寺院」の信者であったタバシュニクは同教団による1990年代の集団自殺に関与した(自らの妻と娘も、失っている)として起訴されたが、無罪判決を受けて楽壇に復帰。カルトに帰依していた頃の演奏よりもいっそうたくましい指揮で、EU方面を中心に活躍している。
作曲活動も寡作ではあるが継続している。作風はブーレーズのようなセリーではなく旋律性を重視してはいるものの、垂直合音は随分複雑な配置を使っており、古風な印象を与えない。響きの見通しの良さは、指揮活動の経験が生かされている。
作曲作品
編集- Supernovae 1967
- Frise 1968
- Fresque 1969
- Invention à 16 voix 1972
- Mondes 1972
- Sillages 1972
- D'autres Sillages 1972
- Movimenti 1973
- Éclipses 1974
- Argile 1974
- Trois Impressions 1975
- Les Perséïdes 1981
- Cosmogonie 1981
- l'Arch 1982
- 7 Rituels Atlantes 1984
- Pacte des onze (Evangile selon Thomas) 1985
- Élévation 1990
- Prélude à la Légende 1989
- Le Cri de Mohim 1991
- Évocation 1994
- La Légende de Haïsha 1989
- Concerto pour piano et orchestre de chambre 2003
- Nord pour orchestre 2006
- "Dyptique écho", violin concerto 2008