マルコ・エストラーダ
マルコ・R・エストラーダ(Marco R. Estrada, 1983年7月5日 - )は、メキシコ合衆国ソノラ州シウダーオブレゴン出身のプロ野球選手(投手)。右投右打。現在は、フリーエージェント(FA)。愛称はエストラダビエン(Estradabien)[2]。
トロント・ブルージェイズ時代 (2017年5月21日) | |
基本情報 | |
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国籍 | メキシコ |
出身地 | ソノラ州シウダーオブレゴン |
生年月日 | 1983年7月5日(41歳) |
身長 体重 |
5' 11" =約180.3 cm 200 lb =約90.7 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2005年 MLBドラフト6巡目 |
初出場 | 2008年8月20日 フィラデルフィア・フィリーズ戦 |
年俸 | $1,955,000(2013年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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国際大会 | |
代表チーム | メキシコ |
WBC | 2013年 |
この表について
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経歴
編集プロ入り前
編集メキシコ北部のソノラ州で生まれ、6歳の時に家族でアメリカ合衆国カリフォルニア州サンフェルナンド・バレーに移住[3]。カリフォルニア州立大学ロングビーチ校に進学した。
プロ入りとナショナルズ時代
編集2005年のMLBドラフト6巡目(全体174位)でワシントン・ナショナルズから指名され、入団。
2008年8月にメジャーデビューを果たすが、不安定な投球が続き、メジャーには定着できなかった。
ブルワーズ時代
編集2010年2月3日にウェイバー公示を経てミルウォーキー・ブルワーズへ移籍した[4]。シーズンでは、肩を痛めたこともあり、メジャーとマイナーで合計14試合しか登板できなかった[5]。
2011年はスプリングトレーニング中のオープン戦で好投し、ザック・グレインキーが復帰するまでの代役として開幕ローテーションに入った[5]。グレインキーが復帰した後は、主にロングリリーバーとして活躍し、自己最多の43試合に登板した。
2012年はクリス・ナーブソンが故障で離脱したため、代わりに先発ローテーションに入った。シーズンオフにブルワーズと195万5000ドルで1年契約を結んだ[6]。
2013年開幕前の3月に開催された第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のメキシコ代表に選出された[7]。
ブルージェイズ時代
編集2014年11月1日にアダム・リンドとのトレードで、トロント・ブルージェイズへ移籍した[8]。
2015年は年間通じて先発ローテーションに入って投げた。規定投球回に達し、いずれも自己記録を大幅に更新する13勝、防御率3.13を記録し、大ブレークを果たした。また、前年比で約30.0イニング増えた一方で被本塁打の本数を減らし、ホームランを浴びる割合を低下させた。オフの11月2日にFAとなった[9]が、13日にブルージェイズと2年契約を結んだ[10]。
2016年は前半戦で16試合に先発登板し、5勝3敗、防御率2.93、被打率.173という好成績[11]を残してオールスターのメンバーに選出された(故障の為、出場辞退)。レギュラーシーズンでは29試合に先発登板し、2年連続で規定投球回に到達。防御率3.48・9勝9敗と惜しくも2年連続二桁勝利とはならなかったが、ここ4シーズンでは最高の奪三振率8.4をマークするなど、一定の成果も残した。
2017年開幕前の2月8日に指名投手枠で第4回WBCのメキシコ代表に選出された[12]が、合流することは無かった。
アスレチックス時代
編集2019年1月25日にオークランド・アスレチックスと1年400万ドルの契約を結んだ[14]。8月20日に自由契約となった[15]。
投球スタイル
編集真上から振り下ろすオーバースローから、最速93.6mph(約151 km/h)[16]・平均88mph(約142km/h)のフォーシームと、平均87mph(約140km/h)のカッターの2種類の速球を中心に、決め球である平均77mph(約124 km/h)のチェンジアップ、平均77mph(約124 km/h)のカーブを使用する(2016年による)[17]。
カッターは2011年から投げるようになったが、同年以外は1シーズンに数球投げる程度だった。2016年からは再び多投しており、速球の3分の1(全体の約20%)を占めるようになった。また以前はツーシームも投げていたが、2011年をピークに徐々に少なくなり2014年以降は使用していない[18]。
かつては、奪三振率が高いものの制球難だったが、近年では制球力が大幅に改善され、与四球率が例年2点台と高水準をキープしている。一方で、球速は年々低下しており、2011年の平均球速は147km/hだったのに対し、2016年は143km/hとなっている。またそれに比例するように三振能力も低下しており、投球イニングとほぼ同数の三振(奪三振率9.00前後)を奪っていたが、2014年は奪三振率7.59、2015年は6.51、2016年は8.44となっている。
2016年までにおけるメジャー通算のFB%が48 %と高く、これに伴って被本塁打も多い。2014年にはリーグ最多の29本を喫しており、メジャー昇格後は一度も被本塁打率1.00を下回ったことがない[19]。
詳細情報
編集年度別投手成績
編集年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
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2008 | WSH | 11 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | ---- | 63 | 12.2 | 17 | 4 | 5 | 1 | 2 | 10 | 0 | 0 | 13 | 11 | 7.82 | 1.74 |
2009 | 4 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .000 | 33 | 7.1 | 6 | 1 | 4 | 0 | 0 | 9 | 1 | 0 | 6 | 5 | 6.14 | 1.36 | |
2010 | MIL | 7 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 58 | 11.1 | 14 | 3 | 6 | 0 | 1 | 13 | 2 | 0 | 13 | 12 | 9.53 | 1.77 |
2011 | 43 | 7 | 0 | 0 | 0 | 4 | 8 | 0 | 4 | .333 | 381 | 92.2 | 83 | 11 | 29 | 2 | 2 | 88 | 4 | 2 | 45 | 42 | 4.08 | 1.21 | |
2012 | 29 | 23 | 0 | 0 | 0 | 5 | 7 | 0 | 1 | .417 | 562 | 138.1 | 129 | 18 | 29 | 0 | 0 | 143 | 4 | 1 | 62 | 56 | 3.64 | 1.14 | |
2013 | 21 | 21 | 0 | 0 | 0 | 7 | 4 | 0 | 0 | .636 | 512 | 128.0 | 109 | 19 | 29 | 0 | 2 | 118 | 3 | 0 | 56 | 55 | 3.87 | 1.08 | |
2014 | 39 | 18 | 0 | 0 | 0 | 7 | 6 | 0 | 0 | .538 | 624 | 150.2 | 137 | 29 | 44 | 0 | 3 | 127 | 2 | 1 | 77 | 73 | 4.36 | 1.20 | |
2015 | TOR | 34 | 28 | 0 | 0 | 0 | 13 | 8 | 0 | 0 | .619 | 725 | 181.0 | 134 | 24 | 55 | 2 | 5 | 131 | 2 | 0 | 67 | 63 | 3.13 | 1.04 |
2016 | 29 | 29 | 0 | 0 | 0 | 9 | 9 | 0 | 0 | .500 | 723 | 176.0 | 132 | 23 | 65 | 1 | 4 | 165 | 5 | 0 | 73 | 68 | 3.48 | 1.12 | |
2017 | 33 | 33 | 0 | 0 | 0 | 10 | 9 | 0 | 0 | .526 | 806 | 186.0 | 186 | 31 | 71 | 0 | 2 | 176 | 1 | 0 | 104 | 103 | 4.98 | 1.38 | |
2018 | 28 | 28 | 0 | 0 | 0 | 7 | 14 | 0 | 0 | .333 | 627 | 143.2 | 155 | 29 | 50 | 0 | 2 | 103 | 3 | 0 | 91 | 90 | 5.64 | 1.43 | |
2019 | OAK | 5 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | .000 | 106 | 23.2 | 23 | 7 | 8 | 0 | 3 | 11 | 2 | 0 | 19 | 18 | 6.85 | 1.31 |
MLB:12年 | 283 | 194 | 0 | 0 | 0 | 62 | 68 | 0 | 8 | .477 | 5220 | 1251.1 | 1125 | 199 | 395 | 6 | 26 | 1094 | 29 | 4 | 626 | 596 | 4.29 | 1.22 |
- 2019年度シーズン終了時
記録
編集- MLBオールスターゲーム選出:1回(2016年)
背番号
編集- 55(2008年 - 2009年)
- 45(2010年)
- 41(2011年 - 2014年)
- 25(2015年 - 2018年)
- 21(2019年)
代表歴
編集脚注
編集- ^ "Milwaukee Brewers 2012 Player Salaries and Team Payroll," ESPN.com. 2013年12月25日閲覧。
- ^ Joey Bats to be big part of Players Weekend MLB.com (2017年8月9日) 2017年8月14日閲覧
- ^ Ballesteros, Fernando(2008-09-22). Soy mexicano: Marco Estrada. RIO DOCE.com.mx(スペイン語). 2011年10月2日閲覧
- ^ Brewers claim right-hander Estrada. ESPN.com(英語). 2011年10月2日閲覧
- ^ a b Estrada summoned; Merklinger designated. JSOnline(英語). 2011年10月2日閲覧
- ^ Cash Kruth (2013年1月18日). “Axford among trio to avoid arbitration with Brewers” (英語). MLB.com. 2013年1月18日閲覧。
- ^ 2013 Tournament Roster Archived 2015年2月19日, at Archive.is WBC公式サイト 2015年9月5日閲覧
- ^ Blue Jays acquire Estrada from Brewers for Lind
- ^ “Transactions | bluejays.com” (英語). MLB.com (2015年11月2日). 2015年11月3日閲覧。
- ^ Jonathan Mayo (2015年11月14日). “Qualifying offers will reshape 2016 Draft Rasmus, Wieters, Anderson accept; Estrada gets two-year contract” (英語). MLB.com 2015年11月15日閲覧。
- ^ Marco Estrada 2016 Pitching Gamelogs - Baseball-Reference.com (英語) . 2016年10月5日閲覧。
- ^ A-Gon, Davis lead Mexico's WBC '17 roster MLB.com (2017年2月8日) 2017年3月3日閲覧
- ^ MLB公式プロフィール参照。2019年1月15日閲覧。
- ^ Jane Lee (2019年1月25日). “A's sign right-hander Estrada to 1-year deal” (英語). MLB.com. 2019年1月29日閲覧。
- ^ Martin Gallegos (2019年8月20日). “A's release right-hander Marco Estrada” (英語). MLB.com. 2019年8月21日閲覧。
- ^ 2011年シーズン計測。
- ^ PITCHf/x - FanGraphs.com2017年3月10日閲覧。
- ^ “Marco Estrada Pitch Data”. The Baseball Cube. 2016年7月10日閲覧。
- ^ “Marco Estrada Statistics and History > Standard Pitching”. Baseball Reference.com. 2016年7月10日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
- Marco Estrada stats MiLB.com