マルクス・ユニウス・シラヌス (紀元前25年の執政官)
マルクス・ユニウス・シラヌス(ラテン語: Marcus Iunius Silanus)は、共和政ローマ末期から帝政ローマ初期の政務官。紀元前25年にガイウス・ユリウス・カエサル・オクタウィアヌスと共に執政官となった[1]。
マルクス・ユニウス・シラヌス M. Iunius D. f. M. n. Silanus | |
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出生 | 不明 |
死没 | 不明 |
出身階級 | ノビレス |
氏族 | ユニウス氏族 |
官職 |
トリブヌス・ミリトゥムもしくはレガトゥス(紀元前43年) クァエストル(紀元前34年)ギリシア プロクァエストル(紀元前33年-32年?) 執政官(紀元前25年) アウグル(紀元前34年以前) |
指揮した戦争 | ローマ内戦、シチリア反乱 |
家族
編集シラヌスはローマ人ノビレス(貴族)のユニウス・シラヌス家の後裔である。おそらく父は紀元前62年に執政官を務めたデキムス・ユニウス・シラヌスで、それが正しければ紀元前109年に執政官を務めたマルクス・ユニウス・シラヌスの孫ということになる。母はユリウス・カエサルの愛人としても知られるセルウィリアである。それゆえマルクス・ユニウス・ブルトゥスとは異父兄弟、ユニア・プリマ、ユニア・セクンダ、ユニア・テルティアとは同父母兄妹であり、セクンダの夫であるマルクス・アエミリウス・レピドゥスは義兄弟ということになる[2][3]。
シラヌスの孫マルクス・ユニウス・シラヌス・トルクァトゥスは19年に執政官になり、アウグストゥスのひ孫と結婚している[2]。
度重なる転身
編集紀元前53年、シラヌスはガイウス・ユリウス・カエサルに仕えるレガトゥスの一人となった[4][5]。
紀元前44年にカエサルが暗殺された後、シラヌスはレピドゥスに従いアルプス越えをした。翌年、レピドゥスはムティナで元老院派と戦っているマルクス・アントニウスへの援軍としてシラヌスを派遣した[6]が、自身ではその責任を取らなかった [7]。その後、三頭政治の面々の信用を失ったシラヌスは、紀元前39年にセクストゥス・ポンペイウスの反乱軍の下に走った[8]。しかし同年にミセヌム条約が結ばれたことで、シラヌスはアントニウスのもとに戻ることを許された[9]。
紀元前34年から紀元前32年にかけて、シラヌスはアントニウスに従いギリシアやマケドニアで戦った[10]。この時の彼の地位はクァエストル・プロ・コンスレで、翌年以降はプロクァエストルだったと考えられている[11]。これより前、シラヌスはアウグルにも選出されている[12]。
オクタウィアヌスのもとでの出世
編集アクティウムの海戦より前に、シラヌスはオクタウィアヌスのもとに走った[13]。アントニウスに勝利し将来皇帝となるオクタウィアヌスは、紀元前30年にシラヌスをパトリキに昇格させ[14]、紀元前25年には共に執政官を務めた[15][2]。
脚注
編集- ^ Attilio Degrassi, I fasti consolari dell'Impero Romano dal 30 avanti Cristo al 613 dopo Cristo (Rome, 1952), p. 3
- ^ a b c Oxford Classical Dictionary, 2nd Ed. (1970).
- ^ Realencyclopädie der Classischen Altertumswissenschaft.
- ^ Anthon & Smith, pg. 812
- ^ 同姓同名の別人説もある. Broughton, pg. 231
- ^ Anthon & Smith, pg. 812; Syme, pg. 178
- ^ Broughton, pg. 352
- ^ Syme, pg. 189
- ^ Broughton, Vol III, pg. 114
- ^ Broughton, pg. 415
- ^ Broughton, pgs. 359 & 411
- ^ Broughton, pg. 412
- ^ Syme, pg. 296
- ^ Syme, pg. 382
- ^ T. Robert S. Broughton, The Magistrates of the Roman Republic (1952).
参考文献
編集- T. Robert S. Broughton, The Magistrates of the Roman Republic, Vol II (1952).
- Syme, Ronald, The Roman Revolution(ローマ革命), Clarendon Press, Oxford, 1939.
- Anthon, Charles & Smith, William, A New Classical Dictionary of Greek and Roman Biography, Mythology and Geography (1860).
関連項目
編集公職 | ||
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先代 アウグストゥス VIII ティトゥス・スタティルス・タウルス II |
執政官 同僚:アウグストゥス IX 紀元前25年 |
次代 アウグストゥス X ガイウス・ノルバヌス・フラックス |