マルクス・ペルソン
マルクス・アレクセイ・パーション(Markus Alexej Persson、通称"Notch"(ノッチ)、1979年6月1日[1] - )は、スウェーデンのプログラマ、ゲームクリエイター。
マルクス・アレクセイ・パーション Markus Alexej Persson | |
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2016年のマルクス・ペルソン(Notch)Game Developers Conferenceにて | |
生誕 |
1979年6月1日(45歳)[1] スウェーデン・ストックホルム |
住居 | アメリカ合衆国・ビバリーヒルズ |
国籍 | スウェーデン |
別名 | Notch(ハンドルネーム) |
職業 | ゲームプログラマー |
著名な実績 | Minecraftの企画・開発 |
代表作 | Minecraft |
純資産 | US$15億(2007年) |
配偶者 | エリン・ゼッターストランド |
子供 | 1 |
公式サイト | notch.tumblr.com |
C++の他、ActionScript[2]、Javaなどをゲーム開発に用いる事で知られている。当初はアマチュア(同人)としての活動であったが、Minecraftの成功に伴い2009年にゲーム会社Mojang Specifications(現・Mojang Studios)を設立した[2]。
来歴
編集生い立ち
編集マルクス・アレクセイ・ペルソンは、スウェーデンのストックホルムで、フィンランド人の母親Ritva[3]とスウェーデン人の父親Birgerで生まれた[4]。1979年6月1日[5][6][3]。彼には一人の妹がいる[3][7]。彼は7歳になるまでエズビンで育ち、その後家族と共に再びストックホルムに戻った[8][9][10]。エズビンでは、ペルソンの父親は鉄道会社で働き、母親は看護師して働いていた[11]。彼はエズビンで、友人たちと森を探検しながら多くの時間を過ごした。
ゲーム開発へ興味を持ったのは7歳の時。コモドール128に触れた経験からであった。最初に作ったゲームのジャンルは選択肢入力式アドベンチャーゲームである[12]。
ウェブ上での活動
編集それから青年期までの足取りは定かではないが、ブラウザゲームを配信するウェブサイトKing.comで少なくとも4年以上、2009年まで運営者として活動していた事が分かっている[2][12]。ウェブ上で有志が製作していたMMO「Wurm Online」の開発に参加しているが[13]、途中でメンバー間の対立から離脱している[2]。こうした経歴から、2009年以降にジャルブム社にプログラマとして雇用された[2]。
仕事の合間に多くのフリーウェア、同人ゲームを作り続け[2]、Javaゲームの投稿大会「Java 4K Game Programming Contest」に入賞した記録が残っている。また同じく「同人ゲームの早作り競争」であるLudum Dareにも投稿している。こうした熱心に開発・投稿を続けたゲームが現在の活躍へと繋がる事になる。
ゲーム
編集Breaking the Tower
編集Breaking the Towerは第12回Ludum Dareに投稿する為のゲームとして開発され、従って大会の規則通り2日間で制作された[14]。ある島に置かれた塔を破壊するため、人を集めて資源を収集しいかに早く攻城軍を編成して攻め落とすかを競うこのゲームはウェブ上のメディアで注目を集めた[15][16]。
Minecraft
編集彼が開発した様々な同人ゲームの中で一番人気であったのがサンドボックスゲームに分類される「Minecraft」であった。現在でもバージョンアップが継続されている同作は2010年12月20日にベータ版が発表されているが、それ以前のアルファ版から既に多大な人気を集めていた。「Minecraft」の人気はフリーウェア版と平行して販売されていたシェアウェア版(様々な特典が追加されている)が、ゲーム会社による商業ゲームに匹敵する売上げを記録する事態に発展した。ペルソンは最低でも「Minecraft」の完全版を発表する2011年11月11日までは自作ゲームの開発にフルタイムで専念する事を決め、ジャルブム社を退職した。
ペルソンは数名のプログラマーを作業の協力者として雇い、版権・販売管理の為にMojang AB社を設立した。2011年前半、Mojang AB社は「Minecraft」有料版のダウンロード販売数が100万本に達したと発表した。2021年4月現在、「Minecraft」全てのプラットフォームでの販売が累計2億3800万本を突破し、今も増加している。2013年からは開発に関わっていない事がマイクロソフトのMojang買収に際しての彼のメッセージから判明している。「肥大化しすぎて自分一人で抱えきれなくなった」と内情を吐露している。
Scrolls
編集2011年4月、ペルソンとゲームクリエイター仲間のヤーコプ・ポシェルはトレーディングカードゲームとボードゲームを合体させた「Scrolls」というゲームアイディアを発表した[17]。ただしペルソンはポシェルのアイディアに助言しただけで、自分の次回作を開発している訳ではないと発言している[18]。 ペルソンは、ゲームの開発には積極的に関与せず、ポシェルが開発をすると述べた。ペルソンは2011年8月5日、自身のtumblrブログで、ベセスダ・ソフトワークスの代理人を務めるスウェーデンの法律事務所から、商標登録された「Scrolls」という名称が同社の「The Elder Scrolls」シリーズと競合しているとして訴えられていることを明らかにした[19]。2011年8月17日、ペルソンはベセスダに「Quake 3」トーナメントを挑み、命名論争の勝敗を決した[20]。2011年9月27日、ペルソンは訴訟が裁判所に提起されたことを確認した[21]。ベセスダの所有者であるゼニマックス・メディアは、2012年3月に訴訟の和解を発表した[22][23]。和解により、MojangはScrollsの商標を使用できるようになった[24]。2018年に、「Scrolls」は、無料で利用できるようになり、「Caller's Bane」に変更された[25]。
Cliffhorse
編集Cliffhorseは、Unityゲーム エンジンと無料のアセットを使って、2時間でプログラムされた、ユーモアなゲームである。このゲームは、『The Elder Scrolls V: Skyrim』の『物理エンジン』、『Steam Greenlight』の『Greenlight』ゲーム、『Goat Simulator』、『Big Rigs: Over the Road Racing』からインスピレーションを受けた[26][27]。このゲームは、E3 2014の開始日にMicrosoft Windowsシステム向けにhonorware 早期アクセスゲームとしてリリースされ、ダウンロードする前にゲームを「購入」するためにDogecoinを寄付するようにユーザーが指示した[28]このゲームは28万以上のドージコインを蓄積した[29]。
0x10c
編集2012年4月4日、サンドボックス型のSFコンピュータゲームとして「0x10c」(正式な表記は 0x10c)のサイトがオープンした[30]。2013年8月、開発は無期限延期となったが、2014年9月15日にC418がゲームのために作曲したサウンドトラックをBandcampで出した[31]。
Shambles
編集2013年、ペルソンはUnityゲームエンジンで「Shambles」という無料ゲームを作った[32]。
Ludum Dare entries
編集ペルソンは、Ludum Dareの48時間ゲーム作成コンテストに何度か参加している[33]。
- Breaking the Towerは、ペルソンが第12回Ludum Dareコンペティションに参加するために開発したゲームである。このゲームは、小さな島を舞台にしており、プレイヤーは資源を集め、建物を建設し、兵士を訓練して島にある大きな塔を破壊することを目的としている。このゲームは、短期間ではあるがゲームメディアの注目を集めた[34][35]。
- Metagunは、第18回Ludum Dareのために作られた2Dプラットフォーマーである[36]。
- Prelude of the Chamberedは、コンペティションに参加するために開発したゲームである。Prelude of the Chamberedは、短い一人称視点のビデオゲームである。
- Minicraftは、2011年12月16日から19日にかけて開催された 第22回Ludum Dareのために開発されたゲームである[37][38]。このゲームは、ゼルダの伝説の影響を受けており、小規模なトップダウンサバイバルゲームである。Javaで書かれている。
エピソード
編集- 自己紹介のページで「スウェーデン・メンサの会員である」と発言している[2]。
- 著作権物の共有を主張する海賊党の支持者で、ゲーム会社の版権商法について厳しい批判を展開している[39][40]。
受賞
編集年 | ノミネート作品 | カテゴリ | 賞 | 結果 | ノート | 参照 |
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2011 | Minecraft | 最優秀デビューゲーム、イノベーション賞、最優秀ダウンロードゲーム | Game Developers Choice Awards | 受賞 | [41] | |
2012 | Minecraft | BAFTA特別賞 | BAFTA | 受賞 | [42][43] | |
2016 | Minecraft | パイオニア賞受賞者 | Game Developers Choice Awards | 受賞 | ファーストペンギン賞 | [44] |
出典
編集- ^ a b “Turning 30 is scary. : The Word of Notch”. 2011年2月22日閲覧。
- ^ a b c d e f g “Notch!”. Mojang. 2014年10月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月1日閲覧。
- ^ a b c Mac, Ryan. "Inside The Post-Minecraft Life Of Billionaire Gamer God Markus Persson". Forbes. Archived from the original on 2015年3月20日。2023年4月8日閲覧。
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