マリオ・アブド・ベニテス
マリオ・アブド・ベニテス(スペイン語: Mario Abdo Benítez、スペイン語発音: [ˈma.ɾjo ˈaβ.ðo βeˈni.tes]、1971年11月10日 - )は、パラグアイの政治家。大統領や上院議長を歴任した[2][3]。
マリオ・アブド・ベニテス | |
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第40代 パラグアイ共和国大統領 | |
任期 2018年8月15日 – 2023年8月15日 | |
副大統領 | ウーゴ・ベラスケス |
前任者 | オラシオ・カルテス |
後任者 | サンティアゴ・ペニャ |
共和国上院議長 | |
任期 2015年7月1日 – 2016年6月30日 | |
前任者 | ブラス・リャノ |
後任者 | ロベルト・アセベド |
共和国上院議員 | |
任期 2013年7月1日 – 2018年3月1日[1] | |
個人情報 | |
生誕 | 1971年11月10日(53歳) パラグアイ、アスンシオン |
政党 | コロラド党 |
配偶者 | ファティマ・ディアス(離別) シルバーナ・ロペス・モレイラ |
子供 | 3子 |
出身校 | 帝京POST大学(現在のポウスト大学) |
経歴
編集マリオ・アブド・ベニテス・セニョールとルート・ベニテス・ペリエルのあいだに、アスンシオンで生まれる[4][5]。父方はレバノン人の家系[6][7]。
16歳でアメリカ合衆国に移住し[8]、コネティカット州ウォーターバリーの帝京POST大学(現在のポウスト大学)に進学、商学を専攻した[9]。また、1989年にパラグアイ軍に入隊し、少尉に任官。予備役の空挺兵となった[9]。
2005年、共和国再建国民運動に参加し、政界に足を踏み入れる[9]。のちに平和・進歩運動のメンバーともなり、2005年のうちにコロラド党副党首に就任した[9]。2015年6月には、パラグアイの上院議長に選出された[3][9]。
父がアルフレド・ストロエスネルの個人秘書であったため、アブド・ベニテスはストロエスネル独裁政権との関係を指摘されてきた[2][10][11]。2006年のストロエスネル死去の際には、ストロエスネルに賛辞を送ることを、コロラド党の理事会で提案してもいる[10]。アブド・ベニテスの父は独裁政権崩壊後、不正蓄財の容疑で起訴されたが、最終的には棄却された[10]。アブド・ベニテスの財産はほとんどがその父から相続したものである。アブド・ベニテスは、ストロエスネルが「国家に多大な貢献をした」と確信していると述べる一方、ストロエスネル体制下で行われた人権侵害や拷問、迫害を看過することはないとも明言している[10][12][13]。
2017年12月のコロラド党大統領予備選挙で、アブド・ベニテスは元財務相のサンティアゴ・ペーニャを56万4811票 (50.93%) 対48万114票 (43.29%) で下し、同党の大統領候補指名を得た[14]。翌年4月の本選挙でも46.46%対42.73%でエフライン・アレグレ候補を破り、大統領に当選した[2][15]。当時、アブド・ベニテスは46歳で、ストロエスネル体制崩壊後のパラグアイの大統領としては、ニカノル・ドゥアルテと並んで最年少だった[16]。
2018年12月3日、安倍晋三が日本の総理大臣として初めてパラグアイ(とウルグアイ)を訪問し、アブド・ベニテスと会談、日本が医療機器を供与することなどで合意し、インフラ協力に関する文書の署名式に出席した[17][18]。その後、現地の日系パラグアイ人と懇談をおこない、安倍晋三総理大臣は「日本とパラグアイは地理的な距離は遠く離れているが、心は近くに感じることができる。日本は常に皆さんと共にあることを忘れないでほしい」と呼びかけた[17][18]。これについてMBS、BSN、TBSは「両国(パラグアイとウルグアイ)とも日本からの移民の多い国で、このうち、ウルグアイのバスケス大統領との会談では、牛肉の相互輸出を解禁することなどを確認しました」と報じた[19][20][21]。
人物
編集ファティマ・マリア・ディアス夫人とのあいだに2子がいるが離婚[10]。シルバーナ・ロペス・モレイラ夫人と再婚し[10]、さらに1子をもうけた[22]。
脚注
編集- ^ “Marito renuncia al Senado para dedicarse a la campaña electoral” [Marito resigns to the Senate to dedicate himself to the electoral campaign] (スペイン語) (1 March 2018). 23 August 2018閲覧。
- ^ a b c “Mario Abdo Benítez wins Paraguay's presidential election”. BBC News. (23 April 2018) 23 April 2018閲覧。
- ^ a b “Mario Abdo Benítez es electo presidente del Congreso” [Mario Abdo Benítez is elected president of Congress] (スペイン語) (16 June 2015). 12 February 2018閲覧。
- ^ Lloret, Rodrigo (22 April 2018). “El "hijo" del dictador Stroessner [The "son" of the dictator Stroessner]” (スペイン語). Perfil 4 March 2019閲覧。
- ^ “"Yo vengo para cambiar la realidad del Paraguay..."” ["I come to change the reality of Paraguay ..."] (スペイン語) (8 April 2018). 23 August 2018閲覧。
- ^ “Mario Abdo Benitez, d'origine libanaise, élu président du Paraguay” [Mario Abdo Benitez, of Lebanese origin, elected President of Paraguay] (フランス語). L'orient le jour.com. 5 September 2018閲覧。
- ^ “Among them the new President of Paraguay: Who are the Arabs of Latin America?” (アラビア語). BBC News: Arabic. BBC. 5 September 2018閲覧。
- ^ “Paraguay ex-dictator aide's son in power”. BBC News. BBC. (16 August 2018) 4 March 2019閲覧。
- ^ a b c d e “Quién es quién en la puja de ANR por la chapa: las carreras de Peña y Marito” [Who is who in the ANR bid for the ticket: the careers of Peña and Marito] (スペイン語). Hoy (17 December 2017). 2 April 2018閲覧。
- ^ a b c d e f “Mario Abdo Benítez, un "hijo del stronismo" en carrera” [Mario Abdo Benítez, a "son of stronismo" in career] (スペイン語) (15 May 2017). 2 April 2018閲覧。
- ^ “Abdo Benítez resalta obras del stronismo y el progreso del país gracias a la ANR” [Abdo Benítez highlights works of the stronismo and the progress of the country thanks to the ANR] (スペイン語) (24 January 2018). 2 April 2018閲覧。
- ^ “Mario Abdo y su vínculo con Stroessner: "Uno no elige dónde nacer"” [Mario Abdo and his link with Stroessner: "One does not choose where to be born"] (スペイン語) (12 October 2017). 2 April 2018閲覧。
- ^ Blair, Laurence (24 April 2018). “Paraguay election: Mario Abdo Benítez victory recalls brutal dictatorship”. The Guardian 4 March 2019閲覧。
- ^ “En un duro revés para Horacio Cartes, un senador disidente ganó las primarias presidenciales en Paraguay” [In a hard setback for Horacio Cartes, a dissident senator won the presidential primaries in Paraguay] (スペイン語) (18 December 2017). 10 February 2018閲覧。
- ^ Carneri, Santi; Londoño, Ernesto (22 April 2018). “His Father Aided a Dictator. Paraguay Elected Him President.”. The New York Times 4 March 2019閲覧。,
- ^ “Paraguay elige presidente a un 'joven' conservador ligado familiarmente a la dictadura” [Paraguay elects a 'young' conservative linked to the dictatorship president] (スペイン語). HuffPost (23 April 2018). 23 August 2018閲覧。
- ^ a b “安倍首相、ウルグアイを訪問 次はパラグアイへ”. 産経新聞. (2018年12月2日). オリジナルの2018年12月4日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b “パラグアイへ医療機材供与…首脳会談で合意”. 読売新聞. (2018年12月4日). オリジナルの2018年12月4日時点におけるアーカイブ。
- ^ “安倍首相、ウルグアイとパラグアイを訪問”. MBS. (2018年12月3日). オリジナルの2018年12月4日時点におけるアーカイブ。
- ^ “安倍首相、ウルグアイとパラグアイを訪問”. BSN. (2018年12月3日). オリジナルの2018年12月4日時点におけるアーカイブ。
- ^ “安倍首相、ウルグアイとパラグアイを訪問”. TBS. (2018年12月3日). オリジナルの2018年12月4日時点におけるアーカイブ。
- ^ “Silvana López Moreira, la primera dama” [Silvana López Moreira, the First Lady] (スペイン語) (15 August 2018). 10 March 2019閲覧。
外部リンク
編集- 公式サイト 大統領選挙運動時のもの
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