マハレブ
マハレブ(Mahleb)は、サクラ属のプルヌス・マハレブの種子から作られる芳香を持つスパイスである。果核を割って直径5mm程で柔らかい核(仁)を取り出し、これを利用前に挽いて粉状にする。風味はビターアーモンドとサクランボに似て[1]、またマルチパンにも似ている[2]。
マハレブ | |
---|---|
![]() サクランボの核果、中に種子が入っている。
Whole stones; the seeds are inside | |
別名 | Mahlepi |
種類 | 香辛料 |
地域 | 中東 |
主な材料 | サクランボの種子 |

マハレブは、甘味をシャープにするために、菓子やケーキに少量加えるほか[2]、アラブのストリングチーズであるTresse cheeseに風味をつけるために加えられる。
中東やその近辺では、焼き菓子の風味付けに数世紀に渡って使われてきた。"ḫalub"の果実や種子を利用したレシピは、古代シュメールに遡る[3]。2010年頃のイギリスの料理本にも、マハレブを使ったレシピが見られるようになった[4]。
ギリシャ料理では、クリスマス用のパン、新年のw:vasilopita、またアルメニアではcheoreg、トルコではpaskalya çöreğiと呼ばれる復活祭用のパン等、様々なツレーキにも加えられることがある[5]。
トルコでは、ポガチャやその他のペイストリーを作るのに用いられる。アラビアでは、マアムールに用いられる。エジプトでは、粉末のマフレブを蜂蜜、ゴマ、ナッツとともにペースト状にし、パンとともにデザートやスナックとともに食べられる。
イングランドでは、mahalab、mahlep、mahalebとも綴ることがある。
出典
編集- ^ Levitt, Barbara, ed. (November 2008), Edible: An Illustrated Guide to the World's Food Plants, National Geographic Society, p. 294, ISBN 978-1-4262-0372-5, Preview, p. 294, - Google ブックス
- ^ a b Reuter, Christoph (2016年1月13日). “Mini-Republics: A Syrian Village Seeks to Survive amid Carnage”. Der Spiegel 2016年3月8日閲覧。
- ^ Gadotti, A. (2014). Gilgamesh, Enkidu, and the Netherworld and the Sumerian Gilgamesh Cycle. De Gruyter. ISBN 161451545X.
- ^ MacMillan, Norma, ed. (October 2010), The Illustrated Cook's Book of Ingredients (1st American ed.), Dorling Kindersley, p. 354, ISBN 978-0-7566-6730-6
- ^ The Oxford Companion to Sugar and Sweets. Oxford University Press. (2015-04-01). ISBN 978-0-19-931362-4