マジック・バス〜ザ・フー・オン・ツアー
『マジック・バス〜ザ・フー・オン・ツアー』(Magic Bus: The Who on Tour)は、イングランドのロックバンドであるザ・フーのコンピレーション・アルバム[5]。1968年にアメリカで発売されて、全米39位を記録した[6]。
『マジック・バス~ザ・フー・オン・ツアー』 | ||||
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ザ・フー の コンピレーション | ||||
リリース | ||||
録音 | 1966年-1968年 | |||
ジャンル | ||||
時間 | ||||
レーベル | ||||
ザ・フー アルバム 年表 | ||||
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専門評論家によるレビュー | |
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レビュー・スコア | |
出典 | 評価 |
AllMusic | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
MusicHound | 2.5/5[2] |
ローリング・ストーン | (unfavourable)[3] |
The Rolling Stone Album Guide | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
ザ・フーの名義を持つ初のコンピレーション・アルバムであるが、米デッカ・レコードが許可なく編集したものでメンバーの意向は一切反映されていない。ピート・タウンゼントは「アメリカのレコード会社がやらかす最悪なことの中でも極め付けだった」と怒りを露にしている[7]。
解説
編集タイトルの「オン・ツアー」は、彼等が前年の1967年に初めてアメリカ・ツアーを行ったことに因む[8]。発売当時はライヴアルバムと誤解されたこともあった。
全11曲の収録曲のうちシングルのA面収録曲は「マジック・バス」と「リリーのおもかげ」の2曲だけで、いずれもオリジナル・アルバムには未収録である。残り9曲の内訳は以下のとおりである。
- EP『レディ・ステディ・フー』[注釈 1](1966年)より2曲
- セカンド・アルバム『ア・クイック・ワン』(1966年)より1曲
- サード・アルバム『セル・アウト』(1967年)より2曲[注釈 2]
- シングル[9][10][11]のB面収録曲が4曲[注釈 3]
シェル・タルミーによってプロデュースされてブランズウィック・レコードから発表された1965年の楽曲は、デビュー・アルバム『マイ・ジェネレーション』の収録曲を含めて1曲も収録されなかった。
モノラル盤とステレオ盤の両方が発売されたが、ステレオ盤でも実際にはモノラルで収録されたものが多く、リアル・ステレオで収録されたのは4曲のみである[注釈 4]。
1974年にはアメリカ版のデビュー・アルバム"The Who Sings My Generation"(1966年)とカップリングされた2枚組LP盤が発売された[12]。
1988年にはMCAレコードから再発CDが発売された[13]。2007年、日本でオリジナルマスターを定本にした紙ジャケット仕様の復刻版CDが限定発売された[14]。
収録曲
編集※作詞・作曲の記載がない曲はピート・タウンゼント作。
※邦題は紙ジャケット復刻版[14](2007年)に準拠。
- LP
- CD
# | タイトル | 作詞・作曲 | オリジナル収録(発表年月日) | 時間 |
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1. | 「ディスガイス (Disguises)」 | EP『レディ・ステディ・フー』( 1966年11月11日) | ||
2. | 「ラン・ラン・ラン (Run Run Run)」 | アルバム『ア・クイック・ワン』( 1966年12月9日、 1967年5月) | ||
3. | 「ジキルとハイド (Dr. Jekyll and Mr. Hyde)」 | John Entwistle | シングル『マジック・バス』B面( 1968年10月11日) | |
4. | 「アイ・キャント・リーチ・ユー (I Can't Reach You)」 | アルバム『セル・アウト』( 1967年12月15日、 1968年1月6日) | ||
5. | 「過ぎし二人の恋 (Our Love Was, Is)」 | アルバム『セル・アウト』'Our Love Was'( 1967年12月15日、 1968年1月6日) | ||
6. | 「コール・ミー・ライトニング (Call Me Lightning)」 | シングル『ドッグズ』B面( 1968年6月14日) | ||
7. | 「マジック・バス (Magic Bus)」 | シングル『マジック・バス』A面( 1968年10月11日、 1968年7月27日) | ||
8. | 「サムワンズ・カミング (Someone's Coming)」 | Entwistle | シングル『マジック・バス』B面( 1968年7月27日) | |
9. | 「ドクター・ドクター (Doctor, Doctor)」 | Entwistle | シングル『リリーのおもかげ』B面( 1967年4月21日、 1967年6月24日) | |
10. | 「バケッチー (Bucket T)」 | Don Altfeld, Roger Christian, Dean Torrence | EP『レディ・ステディ・フー』( 1966年11月11日) | |
11. | 「リリーのおもかげ (Pictures of Lily)」 | シングル『リリーのおもかげ』A面( 1967年4月21日、 1967年6月24日) | ||
合計時間: |
参加ミュージシャン
編集※番号はCDのトラック・ナンバーを示す。
- ロジャー・ダルトリー(Roger Daltrey) – リード・ヴォーカル(#1、#2、#6、#7、#8、#11)
- ピート・タウンゼント(Pete Townshend) – ギター、キーボード、ヴォーカル、リード・ヴォーカル(#4、#5)
- ジョン・エントウィッスル(John Entwistle) – ベース・ギター、金管楽器、ヴォーカル、リード・ヴォーカル(#3、#9)
- キース・ムーン(Keith Moon) – ドラムス、リード・ヴォーカル(#10)
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ AllMusic review
- ^ Graff, Gary; Durchholz, Daniel (eds) (1999). MusicHound Rock: The Essential Album Guide. Farmington Hills, MI: Visible Ink Press. p. 1227. ISBN 1-57859-061-2
- ^ Marcus, Greil (9 November 1968). “Reviews”. ローリング・ストーン (San Francisco: Straight Arrow Publishers, Inc.) 2014年6月30日閲覧。.
- ^ “The Who: Album Guide”. rollingstone.com. 2011年2月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月2日閲覧。
- ^ “www.thewho.com”. 2025年2月28日閲覧。
- ^ 『エニウェイ・エニハウ・エニウェア』アンディ・ニール、マット・ケント著、佐藤幸恵、白井裕美子訳、シンコーミュージック刊、2008年、328頁
- ^ 『エニウェイ・エニハウ・エニウェア』アンディ・ニール、マット・ケント著、佐藤幸恵、白井裕美子訳、シンコーミュージック刊、2008年、165頁
- ^ レコード・コレクターズ増刊『ザ・フー アルティミット・ガイド』(2004年)111頁
- ^ “www.thewho.com”. 2025年2月28日閲覧。
- ^ “www.thewho.com”. 2025年2月28日閲覧。
- ^ “www.thewho.com”. 2025年2月28日閲覧。
- ^ “Discogs”. 2025年2月27日閲覧。
- ^ “Discogs”. 2025年2月28日閲覧。
- ^ a b “Discogs”. 2025年3月1日閲覧。