ポーランド家族同盟
ポーランド家族同盟(ポーランドかぞくどうめい、Liga Polskich Rodzin, 略称:LPR)はポーランドにおける極右政党。党首はロマン・ギェルティフ[1]。
概要
編集2001年1月、カトリック系のラジオ放送局「ラジオ・マリア」運営者のルィズィク(Tadeusz Rydzyk)神父の呼びかけに応じて集まった20余りの民族主義・愛国団体によって結成された「家族連盟」を前身とし、民族主義政党の国民党(SN)や国民民主党(SND)の党員が中心メンバーとして、SNDがLPRに党名改称する形で発足した(2001年5月10日に結成党大会、5月30日に政党登録名変更の届出)。
結成直後の2001年の議会選挙では、支持率が低迷していたにもかかわらず、セイム(下院)で38議席(得票率7.97%)、セナト(上院)で2議席を獲得した(ただし、2005年までの会期中に議員の離反が相次ぎ、最終的な議席は19議席にまで減っていた)。続く2005年の議会選挙ではセイムで34議席(7.97%)、セナト(上院)で7議席を獲得し、自衛(Samoobrona)と共に、比較第一党になった右派政党である法と正義(PiS)のカジミェシュ・マルチンキェヴィチ(Kazimierz Marcinkiewicz)を首班とする少数内閣を支持し、翌2006年5月からは3党連立政権に参加した(のちにレフ・カチンスキ大統領の双子の兄であるヤロスワフ・カチンスキが首相となった)。しかし、連立政権入りを巡って党内対立が生じ、ラジオ・マリアもLPRに対する批判を強めたことで、党への結集力と支持率が急激に低下した。そして、連立与党の「自衛」代表であるアンジェイ・レッペルの汚職問題を契機とした与党内部の対立激化から、4年の任期を前倒し(解散)されて行われた2007年10月の議会選挙では、得票率1.30%で議席を獲得するために最低限必要な得票率5%の壁を突破できずセナトと合わせて全議席を失った。
政策
編集基本的なスタンスは「国民カトリック」と言われ、政治的には伝統を重んじる国民保守主義であるとともに、経済への国家介入にも積極的である。民族主義及びカトリックに基づく政策の主張が強く、妊娠中絶や同性愛などにも反対の立場を表明している。特にEU統合には強く反対をしている。
全ポーランド「民族」の利益を擁護すべきであると主張し、その流れを汲むのがポーランド家族同盟(LPR)。同党はラジオ・マリヤの支持を取り付け数百万人のリスナーに向けて、伝統主義、外国人嫌悪、反ユダヤ主義の主張を流しているカトリック保守の放送局だ。これらの政党は、多くは暴力を信奉しており、どの国の場合も多かれ少なかれ、選挙や体制内政治への侮蔑、人種差別の傾向、強力な指導者への信奉という共通点がある。例えばポーランドでは、さまざまな都市で数百人の活動家が集まって、ファシスト的で反ユダヤ主義的な落書きで壁を埋め尽くしている。2006年まではLPRの傘下にあった全ポーランド青年は、暴力的行動で知られている[2]。
脚注
編集- ^ The Political Economy of State-Society Relations in Hungary and Poland". Retrieved 4 March 2015.books.google.com/books?id=i89VOJzIuOAC&pg=PA269&dq=league+of+polish+families+far-right&hl=en&ei=jAfITquxKoKg-AaYvMUE&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=4&ved=0CD0Q6AEwAw#v=onepage&q=league%20of%20polish%20families%20far-right&f=false
- ^ ミヒャエル・ミンケンベルク (2011年1月). “東欧の極右”. ル・モンド・ディプロマティーク