ボーア・モレルップの定理 (Bohr–Mollerup Theorem) は、ガンマ関数を特徴づける定理である。デンマーク人数学者のハラルト・ボーアとヨハネス・モレルップ(英語版)により証明された。この定理によると、正の実軸上で対数凸であり、かつを満たす複素解析関数は唯一ガンマ関数のみである[1]。
初めにガンマ関数が正の実軸上で対数凸であることを確かめる。ヘルダーの不等式により、
であり、対数をとると
であるから、故にガンマ関数は対数凸である。また、 と もガンマ関数の特徴として周知のものであるから、ガンマ関数はボーア・モレルップの定理の要求を充足する。次に未知の関数 がボーア・モレルップの定理の要求を充足するものと仮定して であることを証明する。 は実軸上で対数凸であるから
である。また、
であるから、合わせて
となる。
を整数とし、 とすれば不等式の両端が一致して
を得る。以上により、 で が示されたが、一致の定理により正則な定義域全体で となる。
- Artin, Emil (1964). The Gamma Function. Holt, Rinehart, Winston.
- Mollerup, J., Bohr, H. (1922). Lærebog i Kompleks Analyse vol. III, Copenhagen. (Textbook in Complex Analysis)