ボビニー(Bobigny)は、フランスの北部、イル・ド・フランス地域圏都市で、セーヌ=サン=ドニ県県庁所在地である。

ボビニー中心部のパノラマ
Bobigny
行政
フランスの旗 フランス
地域圏 (Région) イル=ド=フランス地域圏
(département) セーヌ=サン=ドニ県
(arrondissement) ボビニー郡
小郡 (canton) ボビニー小郡
INSEEコード 93008
郵便番号 93000
市長任期 カトリーヌ・ペイジュ
2008年 - 2014年
自治体間連合 (fr) メトロポール・デュ・グラン・パリ
人口動態
人口 44 079人
1999年
人口密度 6 511人/km2
地理
座標 北緯48度54分38秒 東経2度26分23秒 / 北緯48.9106度 東経2.4397度 / 48.9106; 2.4397座標: 北緯48度54分38秒 東経2度26分23秒 / 北緯48.9106度 東経2.4397度 / 48.9106; 2.4397
標高 平均:?m
最低:39m
最高:57m
面積 6.77km2 (677ha)
Bobignyの位置(フランス内)
Bobigny
Bobigny
テンプレートを表示

セーヌ=サン=ドニ県内では、14番目の面積(677ヘクタール)と12番目の人口(2010年国勢調査で47492人)を有する。なお、8つの地区に分けられ、そのほとんどが経済・社会問題対策優先実施区域(脆弱都市地域。zone urbaine sensible, ZUS)に指定されている。

地理

編集
 
イル・ド・フランス(パリ周辺)の地図。赤く示されているのがボビニー。

位置

編集

パリ北東の郊外(バンリュー)、パリ市境から約3キロメートルの位置にあり、ウルク運河の北岸に面している。平均海抜は55メートルの平野部である。

隣接自治体

編集

ボビニーは、以下の自治体に囲まれている。

交通

編集
 
ボビニー=パブロ・ピカソ駅(メトロ5号線)
 
ボビニー=パブロ・ピカソ駅(トラム1号線)

パリからパリメトロ5号線が通じており、ボビニー=パンタン=レイモン・キュノー駅とボビニー=パブロ・ピカソ駅を擁している。

トラム (パリ)1号線(T1)が、市域を東西に貫いている。

グランド・サンチュールが、市域の西側を南北に、南側を東西に走っている。現在は貨物輸送限定で使用されているが、トラムを走らせて旅客化する計画がある。

 
ボビニー=パブロ・ピカソ駅(地上)のバスターミナル。奥の建物(中央)はセーヌ=サン=ドニ県庁。

都市の様相

編集

市の南と西は主に商業地域となっている。 市の中心部であるボビニー=パブロ・ピカソ駅周辺では、公共施設(市庁、県庁、ショッピングセンター・ボビニー2)を高層集合住宅が取り巻いている。 市の北部及び北東部(ドランシとの市境付近)には、20世紀初頭に建てられた古い戸建て住宅が残っている。 ウルク運河北岸には、ベルジェール県立公園が整備されている。

 
ジャン・ロスタン広場
 
シテ・ポン・ドゥ・ピエール
 
ボビニー大審裁判所の入口

地名の由来と市章

編集

地名の由来

編集

ボビニーの地名は、バルビニウス(Balbinius)の名に由来する。 バルビニウスは、ボンディの森に館を築いた古代ローマの将軍である。

市章

編集

市章は、金地の斜め十字である。中心部の青い小さな盾には、銀色の花と果物が満ち、小麦の穂を7つ冠したバスケットが描かれている。ボビニーは、紋章学においてサン・アンドレの十字(斜め十字図形)によって象徴される、サン・アンドレの庇護下に置かれていた。

歴史

編集

1789年当時、人口200人余りの穀物生産が盛んな小さい村であったが、1870年に普仏戦争が起こると、戦禍により荒廃した。

19世紀の終わりにパリからの鉄道が通じたことにより、新たな生活がもたらされた。野菜の集約栽培を行っていた村は、労働集約型企業の労働者の町へと変貌した。住宅不足が生じ、分譲地において住宅が建築された。

1920年以降、共産主義市政の誕生により、パリの「赤いバンリュー」« banlieue rouge » の一部を構成するようになった。

第2次世界大戦の間には、1500人に及ぶユダヤ人がボビニーの駅から鉄道でアウシュビッツ収容所に送られた。

1954年から1964年の10年間に、人口が約1万8500人から約3万7000人へと倍増した。 この急速な人口増加により、社会施設及び住宅建設のための総合計画が立案・実施され、多くのシテが建設された。シテ・ポン・ドゥ・ピエール(1958年)もそのような住宅の一つである。

1968年1月1日、新たにセーヌ=サン=ドニ県の設置が決まり、県庁所在地とされることになった。

1985年、メトロ5号線が到達した。

ボビニーの人口の推移
17931800180618211831183618411846185118561861186618721876188118861891189619011906191119211926193119361946195419621968197519821990199920062007200820092010
人口2602572782313163333513533703635619108899721173133515401678194624383660675711412173701767616547185213701039453431254272344659440794780648196477264850347492

経済

編集

パリ市内では19区などの所得が低いが、その状況はそのまま北東部郊外のセーヌ=サン=ドニ県に連なっている。 ボビニーの地域経済や雇用は、県庁所在地としての中心機能によって、基礎付けられている。

 
パリ周辺の地区毎の年間平均所得の分布[1]

姉妹都市

編集

著名出身者

編集

脚注

編集
  1. ^ INSEE - À Paris, les ménages les plus aisés voisins des plus modestes 国立統計経済研究所・パリにおける所得分布の高低(フランス語)

外部リンク

編集