ボイセンベリーまたはボイズンベリー (英語: boysenberry [ˈbɔɪzənbɛri]、学名: Rubus idaeus × R. ursinus) はキイチゴ属交雑種の一つである。
ブラックベリーの一種カリフォルニアブラックベリー英語版(R. ursinus)とヨーロッパキイチゴ(R. idaeus)もしくはローガンベリー英語版(Rubus × loganobaccus[2])の交配種であると推測される[3]。あるいはこれらに加えヨーロッパブラックベリー英語版(R. fruticosus)やガーデンデューベリー英語版(R. aboriginum)の名が挙げられることもある[4]

ボイセンベリー
色々な結実段階のボイセンベリー
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ類 Rosids
: バラ目 Rosales
: バラ科 Rosaceae
亜科 : バラ亜科 Rosoideae
: キイチゴ属 Rubus
: ボイセンベリー R. idaeus × R. ursinus
学名
Rubus idaeus × R. ursinus [1]
和名
ボイセンベリー
英名
Boysenberry

特徴

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果実は深いマルーン色ボイセンベリー色英語版とも)の大型 (8.0 g) の複合果で、内部に大きな種子を含む[5]。ボイセンベリーの実はジャムやパイなどに使われる。

歴史

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1920年代末、アメリカ合衆国農務省のジョージ・M・ダロウ (George M. Darrow) によって、ボイセンベリーの追跡レポートが開始された[6]。この大型で赤紫色のベリーはカリフォルニア州北部の農場でルドルフ・ボイズン (Rudolph Boysen) によって栽培されていた。ダロウはベリー類の専門家として知られるカリフォルニア南部の農場主のウォルター・ナット (Walter Knott) に協力を求めた。ナットはダロウの研究に協力することを承諾したが、彼はこのベリーについて今まで一度も見聞きしたことが無かった。ボイズンが数年間前に農業をやめ、農場を売りに出したことを間もなく知ったが、2人は諦めずに雑草だらけの農場に赴き、そこに生き残っていた弱々しいつるをいくつか採取した。2人はそのつるをカリフォルニア州ブエナパークにあるナットの農場に移植し、果実を付けられる状態に戻るまで養育した。その後ナットはこのベリーをカリフォルニア南部で商業的に栽培することに成功した[6]。1932年、ナットは農場の直売所でベリーの販売を開始したが、この大きくて味の良いベリーは、程なく沢山売れるようになった。ナットはこのベリーの名前を尋ねられた時、元祖の栽培者にちなんで「ボイセンベリー」と答えた[7]。彼の家が経営していた小さなレストランとパイ屋は成長し、ナッツベリーファームとなった。またボイセンベリー人気の高まりを受けてナット夫人はジャムの製造を始めた。そしてこのジャムもまたナッツベリーファームを有名にした。

ニュージーランドでは1935-37年にボイセンベリーがナットの農場から導入され、キイチゴ属のうちもっとも重要な栽培植物になった[8]

日本ではなじみが少ないが、滋賀県高島市安曇川町が「アドベリー」の名で特産品として生産・販売し[9]香川県三豊市[10]群馬県館林市[11]広島県呉市倉橋島[12]などでは「ボイセンベリー」の名で生産している。

参考文献

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  1. ^ Boysenberry Characteristics”. Oregon Raspberry and Blackberry Commission. 2011年10月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年9月13日閲覧。
  2. ^ これ自身もR. idaeusR. ursinusの交雑種であると推測される。
  3. ^ Vaughan, John Griffith; C. A. Geissler (2009). The New Oxford Book of Food Plants. Oxford University Press. p. 88. ISBN 9780199549467. https://books.google.co.jp/books?id=UdKxFcen8zgC&redir_esc=y&hl=ja 
  4. ^ 英語版はVaughan(2009)を出典としこれらの名も挙げている
  5. ^ Oregon Boysenberries”. 2011年10月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年9月13日閲覧。
  6. ^ a b Oregon Boysenberries”. 2011年10月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年9月13日閲覧。
  7. ^ Knott's Berry Farm's History”. 2009年7月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年2月22日閲覧。
  8. ^ G.A. Wood, et al. (1999). “History of Boysenberry and Youngberry in New Zealand in relation to their problems with boysenberry decline, the association of a fungal pathogen, and possibly a phytoplasma, with this disease”. New Zealand Journal of Crop and Horticultural Science 27: 281-295. http://www.tandfonline.com/doi/pdf/10.1080/01140671.1999.9514108. 
  9. ^ 健康果実アドベリーの産地化による地域活性化事業』経済産業省http://www.meti.go.jp/seisaku/local_economy/88/kakusya47.html 
  10. ^ ボイセンベリー』香川県三豊市http://www.city.mitoyo.lg.jp/forms/info/info.aspx?info_id=4001 
  11. ^ 館林ボイセンベリー公式ホームページhttp://www.t-cci.jp/boysen/ 
  12. ^ ボイセンベリーとは » ボイセンベリーの瀬戸内ベリーファーム オフィシャルサイト”. 2019年8月6日閲覧。

外部リンク

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