ホンダ・CB > ホンダ・CB250RS

CB250RS(シービーにひゃくごじゅうアールエス)は、本田技研工業が1980年から1983年に製造販売したネイキッドタイプのオートバイである。

CB250RS
基本情報
車体型式 MC02
エンジン MC02E型 248 cm3 
内径×行程 / 圧縮比 74.0 mm × 57.8 mm / 9.2:1
最高出力 25ps/8,500rpm
最大トルク 2.2kg-m/7,000rpm
車両重量 乾燥:128kg
整備:139 kg
      詳細情報
製造国 日本
製造期間 1980年 - 1983年
タイプ ネイキッド
設計統括
デザイン
フレーム ダイヤモンド
全長×全幅×全高 2070 mm × 770 mm × 1060(Type1)
1100(Type2) mm
ホイールベース 1350 mm
最低地上高 160 mm
シート高 770 mm
燃料供給装置 キャブレター (PD70)
始動方式 デコンプ付キック
潤滑方式
駆動方式 チェーン
変速機 常時噛合式5段リターン
サスペンション テレスコピック式
スイングアーム式
キャスター / トレール 26.5° / 85 mm
ブレーキ 油圧式ディスク
ロッド式リーディングトレーリング
タイヤサイズ 3.00S-18-4PR
4.10S-18-4PR
最高速度
乗車定員 2人
燃料タンク容量 12 L
燃費 50.0km/L(50km/h定地走行テスト値) km/L
カラーバリエーション
本体価格 \298,000
備考 スペックは1980年モデル[1]
先代
後継 CBX250RS
姉妹車 / OEM
同クラスの車
テンプレートを表示

概説

編集

型式名MC02。軽量化を徹底追求し、高い操縦性を狙い開発された排気量250㏄クラス(軽二輪)のロードスポーツバイクである。

開発の経緯

1970年代までの250ccクラスロードスポーツモデルは、1クラス上となる350ccとのフレーム・車体の共用設計が常套とされていたが、1975年に免許制度が改正されたため350ccクラスは普通自動二輪車の上限排気量となる400ccに主力が移行。より一層大柄な車体が好まれた背景から250ccクラスのアンダーパワー感が顕著になった。

その一方で時期を同じくしたバイクブームや各バイク雑誌のキャンペーンもあり、スズキRG250カワサキZ250FTなど他社が250cc専用設計モデルを投入した。

当時の本田技研工業は、250ccクラス主力としてホークを製造販売していたものの400ccモデルと共用車体であったことから車両重量は180kg[2]にも達しており、他社の専用設計モデルに走行性能で優位性を保てないと判断し本モデルの開発に着手した。

車両解説

XL250S用L250SE型空冷4ストローク4バルブSOHC単気筒エンジンを本モデル用にチューニングし直し、MC02E型とした上で専用設計のダイヤモンド型フレームを採用し、同社独自のコムスターホイールや普及し始めていたキャストホイールではなくアルミニウムリム製スポークホイールを採用することで、ホークから大幅な軽量化となる装備重量139kgを実現。出力的にはホーク系の26→25psと1psダウンだが、それ以上に軽量化のメリットが優位となったことから、発売開始時にはイメージキャラクターにレーサー片山敬済を起用し『ヒラリ俊足 モダンシングル』のキャッチコピーで軽量化による高い運動性能をアピールした[3]

遍歴

編集
1980年2月27日発表、同年3月1日発売[1]
1981年3月18日発表、同月19日発売[4]

以下の仕様変更を実施したCB250RS-Zを追加。

  • 始動はキックを廃止しセルフスターターへ変更[注 3]
  • 車重が130 kg(乾燥)・141 kg(整備)に増加。
  • 吸排気系を含むエンジンチューニングの見直しで最高出力・最大トルクが向上。
  • リアホイールハブの変更。
    • 最高出力:25 ps/8,500 rpm→26 ps/8,500 rpm
    • 最大トルク:2.2 kg-m/7,000 rpm→2.3 kg-m/7,000 rpm
  • 50 km/h定地走行テスト燃費を53.0 km/Lに向上。
  • エンジン本体の黒塗装を廃止。
  • ハンドルをType1から10 mmアップのセミフラットタイプのみとし、全幅750 mm・全高1,070 mmとなる。
  • フロントサスペンションをセミエア式化しインナーチューブのスライドメタル採用。
  • ヘッドライトをH4ハロゲンバルブ(60/55 W)へ変更。
  • フロントディスクブレーキをデュアルピストンキャリパーへ変更。
  • 燃料タンクデザインを変更し容量を12→13 Lへ増加。
  • シートカウルにロック付コンパートメントボックスを追加。
  • ドライブチェーンをシールドタイプに変更。
  • 標準現金価格\328,000
1981年8月

同年7月に開催された鈴鹿8時間耐久ロードレースでホンダ・フランスチームのRS1000が優勝したことを記念して、以下の特別仕様を施した限定モデルのCB250RS-ZR[注 4]を発売[5]

  • CB1100RBを踏襲した赤・白のボルドールカラーを採用。
  • エンジン・マフラーへ黒塗装施工。
  • ホイールリムにゴールドアルマイト採用。
  • フロントサスペンションボトムケースへ金塗装施工。
  • フレームおよびリヤサスペンションへ赤塗装施工。
1983年4月

エンジンヘッドをDOHCとしたCBX250RSへフルモデルチェンジされ生産終了[注 5]

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ 高低差40 mm。
  2. ^ 当時は暴走行為を助長するとして、カウリングが認可されなかったため、ライトカバーとして運輸省(現・国土交通省)に届出された。
  3. ^ 元来がオフ車であるXL250用エンジンを流用したことから、スターターモーター装着の想定がなされておらず、後付のピニオンギア飛び込み式を採用せざるを得なかったことから、動作音が若干けたたましい難点を持つ。
  4. ^ 本モデルには中部地区販売チャンネルが独自でフロントフェンダーにステッカーやサイレンサーに追加塗装を施した限定300台の別バージョンが存在する。
  5. ^ 生産終了後もしばらくの間は併売された。

出典

編集

関連項目

編集

外部リンク

編集
本田技研工業公式HP