ホンダ・スカッシュ
車両解説
編集1981年10月21日発表、同月22日発売[1]。型式名AB11[注 1]。モデルコードSC50。排気量49㏄の強制空冷2ストローク単気筒エンジンを搭載し、Vベルトによる動力伝達を行うスクータータイプの原動機付自転車である。
全長x全幅x全高=1,280x610x930(mm)前後ホイール3.00-8というミニサイズがセールスポイントである。ほぼ同時期に発売された、同社製乗用車E-AA型シティの純正オプションとして車載を前提に設計された、AB12型モトコンポ[注 2]と同様に、本車も車載も可能となるようハンドル折り畳み可能なモデルも設定されている[1]。
乾燥重量はキックスターターをもつスタンダードモデルで46kg[注 3]と、モトコンポよりわずかに重いが[注 4]、エンジンの最高出力はモトコンポの2.5ps/5,000rpm[2]から3.0ps/6,000rpmへ向上[1]。またCDI点火装置ならびにオートチョークが搭載される。Vベルトによる動力伝達は行うが、同時期に発売されたスクーターが持つ可変プーリーによる無段階変速機構は備えておらず、固定プーリーによる単段となる。
本モデルは月間販売目標台を8,000台とし、以下の3バリエーションならびに標準販売価格[注 5]を設定した[1]。
- スタンダード:88,000円
- スタンダード(ハンドル折り畳み式):90,000円
- デラックス(セル付):98,000円
スタンダード及びスタンダード(ハンドル折り畳み式)の2バリエーションは電装系が6V。デラックス(セル付)は電装系が12Vと異なる。 なお、販売に際して『僕らのスニーカー。おもしろスクーター・スカッシュ。』のキャッチコピーを使用。イメージキャラクターにはタモリが起用された。
カラーバリエーションは、ホワイト・ピンク・レッド・ブラックの4種類。当時としては色が豊富で、特にピンクのものが人気があり、巷で「スカピン」と呼ばれた。
また専用オプションパーツとして、フロントボックス・フロントバスケット・サイドキャリア(テニスラケット搭載用)・リアキャリア・フロアマット(デラックス用/スタンダード用)・シートカバー・ボディカバーの7種と、汎用オプションとしてヘルメット1種の設定があった。中古市場では特にフロントボックス、サイドキャリアが入手困難なため高価になることが多い。
脚注
編集注釈
編集- ^ 1979年に導入された本田技研工業の二輪車車両型式は、アルファベット2文字+数字2桁となり、最初のAは排気量50㏄クラスを、アルファベット2文字目はモデルタイプを意味する。導入当初はBが小型スクーター、Fが本格的スクーターに分類されたが、1983年以降はサイズに関係なくスクーターはFに集約。以後Bはモンキー・ダックスなどレジャーモデル用とされた。
- ^ モトコンポは1981年10月29日発表、同年11月11日発売[2]。
- ^ セル付のデラックスモデルは48kg[1]。
- ^ 42kg[2]。以後の本田技研工業では、原付スクーターの軽量化が推進され、1982年発売のスカイでは39kg[3]、1983年発売のイブでは34kg[4]、1984年発売のイブ スマイルでは33kg[5]の乾燥重量を公表した。
- ^ 北海道・沖縄は3,000円高[1]。
出典
編集関連項目
編集- 以下の3車種は折り畳み式ハンドル搭載モデル販売実績がある