ホンダ・ジョーカー
概要
編集1988年から製造販売されていたA-AF20型リード・HF05型リード90と多くのコンポーネンツを共用する姉妹車として1996年から製造販売されたアメリカンタイプのスクーターである[注 1]。
海外向け輸出仕様[注 2]もヨーロッパ向けに同社のアメリカンモデルブランドShadowシリーズのShadow50・Shadow90として販売された[注 3]。
日本国内仕様は1998年10月施行の平成10年自動車排出ガス規制に対応させなかったことから継続車生産期限となる1999年8月で、ヨーロッパ向け輸出仕様も2000年までに生産終了となった。
車両解説
編集車名ならびに型式名は、原動機付自転車モデルがジョーカー/A-AF42[1]、小型自動二輪車モデルがジョーカー90/HF09である[2]。
アンダーボーンフレームに排気量49㏄のAF42型もしくは89㏄のHF05E型の強制空冷2ストロークピストンリードバルブ単気筒エンジンを搭載し、Vベルト式無段変速機により動力伝達を行う。
車体は、全長x全幅x全高:1.885x0.935x1.060(m)と50・90㏄クラスのスクーターとしては大柄であり、なめらかな曲線で構成されたサイドビューとワイドタイプのプルバックハンドルを採用し、各所にメッキパーツを多用するなどアメリカンタイプを意識したものである。
サスペンションは前輪ボトムリンク/後輪ユニットスイングとし、ブレーキは前輪油圧式シングルディスク/後輪機械式リーディングトレーリング、タイヤサイズは前後とも100/90-10とジョーカー・ジョーカー90共通である[1][2]。
シート下にはハーフタイプのメットインスペースを設置するほか、ジョーカー90は2人乗りのためダブルシートならびにタンデムステップを装備するほか、クルーザーイメージのシーシーバーをオプション設定する[2]。
諸元
編集車名 | ジョーカー[1] | ジョーカー90[2] | ||
---|---|---|---|---|
型式 | A-AF42 | HF09 | ||
全長x全幅x全高(m) | 1.885x0.935x1.060 | |||
ホイールベース(m) | 1.200 | |||
最低地上高(m) | 0.110 | |||
シート高(m) | 0.695 | |||
乾燥重量(kg) | 84 | 89 | ||
整備重量(kg) | 89 | 94 | ||
定地走行燃費 | 49km/L(30km/h) | 39km/L(60km/h) | ||
エンジン | 強制空冷2ストロークピストンリードバルブ単気筒 | |||
エンジン型式名 | AF20E | HF05E | ||
総排気量 | 49cc | 89cc | ||
内径x行程(mm) | 39.0x41.4 | 48.0x49.6 | ||
圧縮比 | 6.9 | 6.2 | ||
最高出力 | 4.9ps/5,750rpm | 8.2ps/6,500rpm | ||
最大トルク | 0.62kg-m/5,500rpm | 0.96kg-m/6,500rpm | ||
点火方式 | CDIマグネット | |||
燃料供給 | キャブレター | |||
始動方式 | セルフ(キック併用) | |||
潤滑方式 | 分離潤滑式 | |||
潤滑油容量 | 1.4L | |||
燃料タンク容量 | 5.8L | |||
クラッチ | 乾式多板シュー | |||
変速方式 | 無段変速 | |||
フレーム形式 | アンダーボーン | |||
サスペンション(前) | ボトムリンク | |||
サスペンション(後) | ユニットスイング | |||
キャスター | 28.0° | |||
トレール | 81.0mm | |||
タイヤ(前後) | 100/90-10 56J | |||
ブレーキ(前) | 油圧式シングルディスクブレーキ | |||
ブレーキ(後) | 機械式リーディングトレーリング | |||
標準現金価格 | \238,000 | \258,000 | ||
年間販売目標台数 | 12,000 | 8,000 |
遍歴
編集- 1996年7月17日発表 ジョーカーを同年8月30日発売[1]
- 車体色は以下の3色を設定
- █マックスシルバーメタリック
- █ブラック
- █キャンディメープルレッド
- 1996年9月25日発表 ジョーカー90を同年10月23日発売[2]
- 車体色はジョーカーと同じ
- 1997年5月
- 限定発売で特別仕様車を追加
- 1997年12月10日発表 同月24日発売[3]
- 車体色変更のマイナーチェンジを実施
- 追加:█パールシャーウッドグリーン
- 廃止:█キャンディメープルレッド
- 1999年8月31日
- 日本国内向け仕様生産終了
- 2000年
- ヨーロッパ向け輸出仕様生産終了
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d 1996年7月17日プレスリリース
- ^ a b c d e 1996年9月25日プレスリリース
- ^ 1997年12月10日プレスリリース
関連項目
編集- 同型エンジンを搭載する姉妹車両
- 他社で製造される類似車両
- アプリリア・モヒート - アプリリアが2000年より製造する4サイクル125ccスクーター。デザインはジョーカーとよく似ているとされる。
- ジネン - 中国浙江省台州市のオートバイメーカーで、ジョーカーのデッドコピーと評されるスクーターを「アルテミス」「オーロラ」の名称と、GY6型4サイクル50cc、125cc、150ccのラインナップで製造販売する。ジネンのOEM供給でこれらのスクーターは世界中に名前を変えながら輸出されているという。
- フライスクーターズ・イルベロ - 米国の輸入商社であるフライスクーターズ社が2010年の倒産まで、ジネンのOEM供給で販売していたスクーター。米国でもこのような車種はジョーカーの無許諾コピーであると見なされている。
外部リンク
編集カラーバリエーションに関して:本項目での車体色は、配色の系統を表しているのであって、色を再現しているわけではありません。 |