ホソフエフキ(Lethrinus variegatus)は、海生のフエフキダイ科フエフキダイ属の魚である。インド太平洋に広く分布する。英名は、slender emperor, variegated emperor等である。

ホソフエフキ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: タイ目 Spariformes
: フエフキダイ科 Lethrinidae
: フエフキダイ属 Lethrinus
: イトフエフキ L. variegatus
学名
Lethrinus variegatus
Valenciennes, 1830
シノニム

[2]

分類

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ホソフエフキは、1830年にフランス動物学アシル・ヴァランシエンヌが最初に記載した。タイプロカリティとしては、エリトリアマッサワが与えられている[3]。フエフキダイ属を、他の全てのフエフキダイ科の属が分類されるヨコシマクロダイ亜科とは別の、単型フエフキダイ亜科に位置付ける研究者もいるが、Fishes of the World第5版は、フエフキダイ科の亜科を認めておらず、またフエフキダイ科をタイ目の下に位置付けている[4]

語源

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種小名vatiegatusは、「多色、まだら」という意味である。ヴァランシエンヌはこれを説明しなかったが、脇腹にある黒い斑点が様々なパターンに見えることを示していると考えられる[5]

外形

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背びれは10つの棘条と9つの軟条尻びれは2つの棘条と8つの軟条で支えられている[2]。体高は、標準体長の3.9倍になる。両目の間は平らか、わずかにこぶ状になっている。胸びれの腋の内部表面にははない[6]。全体の色は茶色と灰色で、下半分が淡い色であり、不規則な形の暗い色の斑点が散らばっている。しばしば目の下に暗い色の2本線があり、1本は鰓蓋前骨、もう1本は口の角まで伸びている。さらに暗い色の帯状の模様が両目の間を通っている。尾びれ以外のひれには、淡く透明な明るい色と暗い色の縞模様がある[7]。最大で、全長20cmに達したという記録がある[2]

分布と生息域

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ホソフエフキは、インド洋及び西太平洋に広く分布している。アフリカの東海岸に沿って、スエズ湾及びアカバ湾から南は南アフリカ共和国ソドワナ湾コモロ諸島セイシェルマダガスカルチャゴス諸島南インドスリランカマレー半島を東回りに経由し、太平洋では北は琉球諸島、南はオーストラリアニューカレドニア、東はトンガまで見られる[1]サンゴ礁に近い砂質や海藻の多い場所に、単独または小さな群れで生活する。若魚は、海藻の多い浅瀬に非常に大量に存在することがある[2]

生態

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ホソフエフキは、生息域内でカモフラージュを利用して身を隠す。小さな底生の無脊椎動物を食べる。雌性先熟雌雄同体である[2]

出典

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  1. ^ a b Carpenter, K.E.; Lawrence, A.; Myers, R. (2016). Lethrinus variegatus. IUCN Red List of Threatened Species 2016: e.T16720568A16722385. doi:10.2305/IUCN.UK.2016-3.RLTS.T16720568A16722385.en. https://www.iucnredlist.org/species/16720568/16722385 29 November 2023閲覧。. 
  2. ^ a b c d e Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2023). "Lethrinus variegatus" in FishBase. October 2023 version.
  3. ^ Template:Cof genus
  4. ^ Nelson, J.S.; Grande, T.C.; Wilson, M.V.H. (2016). Fishes of the World (5th ed.). Hoboken, NJ: John Wiley & Sons. pp. 502–506. doi:10.1002/9781119174844. ISBN 978-1-118-34233-6. LCCN 2015-37522. OCLC 951899884. OL 25909650M 
  5. ^ Order SPARIFORMES: Families LETHRINIDAE, NEMIPTERIDAE and SPARIDAE”. The ETYFish Project Fish Name Etymology Database. Christopher Scharpf (17 October 2022). 30 October 2023時点のオリジナルよりアーカイブ。18 December 2023閲覧。
  6. ^ Kent E. Carpenter (2022). “Family Lethrinidae”. In Phillip C Heemstra; Elaine Heemstra; David A Ebert et al.. Coastal Fishes of the Western Indian Ocean. 3. South African Institute for Aquatic Biodiversity. pp. 316–327. ISBN 978-1-990951-32-9. https://saiab.ac.za/wp-content/uploads/2022/11/1._wiof_volume_3_text.pdf 
  7. ^ Kent E. Carpenter; Gerald R. Allen (1989). Emperor fishes and large-eye breams of the world (Family Lethrinidae). An annotated and illustrated catalogue of lethrinid species known to date. FAO Species Catalogue. 9. FAO, Rome. pp. 77–78. https://www.fao.org/3/t0242e/T0242E11.pdf