ホウライエソ

ホウライエソ科の魚の一種

ホウライエソ(蓬莱鱛、Chauliodus sloani)は、ワニトカゲギス目ホウライエソ科に属する1種。体長35センチメートル。長くのびた背びれで、小魚をおびき寄せる習性を持つ。水深 500–2,500 メートル程度の、温帯から熱帯海域に生息する。

ホウライエソ
ホウライエソ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
: ワニトカゲギス目 Stomiiformes
: ホウライエソ科 Chauliodontidae
: ホウライエソ属 Chauliodus
: ホウライエソ C. sloani
学名
Chauliodus sloani
Bloch & Schneider, 1801
和名
ホウライエソ(蓬莱鱛)
英名
Viperfishes
新江ノ島水族館での標本展示
ホウライエソの頭部

エソヒメ目エソ科)とは特に近縁でない。

形態

編集

下腹部に発光器が並ぶ。背鰭の前縁が長く延びる。背中の後端にアブラ鰭を持つ。長い牙を具える。特殊な骨格を持ち、頭部を上方に跳ね上げ大きく口を開くことができる。

頭部は大きな牙状の歯が並ぶが、やや肥大化した頭部に比べ、後半部の体は痩身で細い。

生態

編集

「深海のギャング」とも呼ばれ、その長い牙を用いて獲物の生物を捕らえて、上方に跳ね上がる顎の力で獲物を飲み込む。歯は餌の乏しい深海で確実に相手を逃がさないために鋭く、大きくなったと思われる。

似たような牙が発達した魚類として、キンメダイ目オニキンメがいるが、オニキンメと同様に完全に口を閉じられなくなった程の種もいる。

深海の中層捕食者としての地位を持つが、自身も様々な魚類に捕食されており、ボウエンギョに捕食されていたケースも報告されている。

また、長大な牙が大きすぎるため、獲物を捕らえた際に、そのまま飲み込めずに餓死する事もあるという。

種類

編集

日本近海には主に二種住む。

  • ホウライエソ Chauliodus sloani
  • ヒガシホウライエソ Chauliodus macouni

後者はホウライエソに似るが、眼の後に涙形の発光器があること、上顎3番目の歯が第4歯よりも大きいことによってホウライエソと区別できる。体長35cmに達する。

脚注

編集