ペリドット: peridotペリドートとも)とは宝石の一種である。カンラン石(苦土橄欖石)の中で、宝石として扱われるものがこう呼ばれる。

ペリドットの原石

アラビア語で「宝石」を意味する فَرِيدَة(farīda(h), ファリーダ)が由来で、faridat[1]と表記したものがperidotに転じたとも言われている。

含有する鉄分の作用によって緑色を示す。 ペリドットは、夜間照明の下でも昼間と変わらない鮮やかな緑色を維持したため、ローマ人からは「夜会のエメラルド」と呼ばれていた[2]。後にペリドットは十字軍によって紅海に浮かぶセントジョンズ島(現在のザバルガッド島英語版)から持ち帰られ[3]中世教会の装飾に使われた。200カラット以上ある大きなペリドットが、ケルン大聖堂にある東方の三博士の3つの聖堂を飾っている。

性質・特徴

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モース硬度:6.5-7.0。

古い産地としては前述のセントジョンズ島があり、鉱脈は枯渇していないものの、採掘が禁じられている[2]。宝石として流通できる品質のものの産地は、アメリカ合衆国ハワイアリゾナ州[4]中国ミャンマーなどである。

この他、石鉄隕石の一種であるパラサイトの中に、まれに宝石質のカンラン石が混じっていることがあり、原石のまま、あるいは特に大きいものはカットされ流通することがある。隕石自体は珍しいものも珍しくないものもあるが、その中でもまれにしか見られず、さらに生成の由来が所有者の夢をかきたてることもあって、たいへん高価である。

ペリドットは、マグネシウムを含む苦土橄欖石と、を含む鉄橄欖石が混ざりあっている。苦土橄欖石が多いと黄緑色、鉄橄欖石が多いと褐色や黒色になる。宝石として使用される黄緑色のものは、苦土橄欖石が90%近くを占める。[5]

関連項目

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出典

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  1. ^ アラビア語で「ファリダット」と発音するとの解説記事が複数存在するが、アラビア語ではファリダットとは読まれない。語末の発音記号をどこまで読むのかに応じて、ファリーダトゥン、ファリーダトゥ、ファリーダといった発音がなされている。
  2. ^ a b 山川純次 (2014年3月12日). “ある鉱物学者の誕生石図館8 ペリドット”. 2016年1月20日閲覧。
  3. ^ キャリー・ホール『宝石の写真図鑑』日本ヴォーグ社、東京、1996年、113頁。ISBN 978-4529026918 
  4. ^ 堀秀道『たのしい 鉱物と宝石の博学辞典』実業之日本社、東京、1999年、148頁。ISBN 978-4534029300 
  5. ^ 図鑑 宝石. 技術評論社. (2012年11月1日) 

外部リンク

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