ペスト・アッラ・ジェノヴェーゼ

イタリア・リグーリア地方起源の伝統的で独特の調味料の一種

ペスト・アッラ・ジェノヴェーゼ: pesto alla genovese、pesto、pesto genovese)は、イタリアリグーリア地方起源とする調味料の一種である。主な材料はバジリコOcymum basilicumジェノヴァ方言でu' baxeicou)である。

ペスト・アッラ・ジェノヴェーゼ
pesto alla genovese
別名 Pesto, pesto genovese, battuto genovese
地域 リグーリア州
関連食文化 イタリアの旗 イタリア
主な材料 バジリコ、松の実、ニンニク、オリーブオイル
類似料理 ピストゥ(フランス)
Cookbook ウィキメディア・コモンズ
テンプレートを表示
ペストの原料であるバジリコの葉
松の実
すり潰して出来たペスト(緑色)

概要

編集

ペストはバジリコやチーズ、松の実等を粉砕しオリーブ・オイルを加えて塩気を整えた、オイルソースの一種である。Pestoの語は本来「砕いたもの」を意味するイタリア語で、材料をすべて顆粒状に粉砕することに由来する。ペストの最初の調理法は9世紀にまで遡るとされる。伝統的に、ジェノヴァプラー地区で栽培されたバジリコの葉を使用したものが最高品質のペストとされている。

フランスプロヴァンス地方の調味料であるピストゥ: pistou)と関係が深い。ペルーでは、イタリアからの移民の影響で、ペストと似た緑のソースをからめたスパゲッティ料理の「タジャリン・ベルデ」(tallarin verde)が作られている。

ペスト・ジェノヴェーゼ

編集

ペストはリグーリア地方全体で使われる調味料だが、原産地名称保護制度で保護された「ペスト・ジェノヴェーゼ」(ジェノヴァのペスト)[要検証][要出典]が特に有名である。牛肉とタマネギをベースとしたソースであるスーゴ・アッラ・ジェノヴェーゼと混同しやすいが、ペスト自体が一般名詞であり、「ジェノヴェーゼ」と表記されなくてもバジリコを粉砕したソースを指す。また、「スパゲティ・アッラ・ジェノヴェーゼ」と表記されたものは、スーゴ・アッラ・ジェノヴェーゼを和えたスパゲティを指しており、ペストを和えたスパゲティではない。

リグーリア地方以外では、基本的な成分であるエクストラ・バージン・オリーブ・オイルが他の植物油に代替されたり、本来入れない砂糖クエン酸を加えたり、松の実の代わりにアーモンドカシューナッツなどのナッツ類に代替することがあり、風味が大きく変わる。

本来の調理法

編集

ニンニクひとかけと松の実一握りをつぶし、エクストラ・バージン・オリーブ・オイルとバジリコの葉を小束で10束、荒塩少々、50gのパルミジャーノと50gのペコリーノ・サルドを加えてすりつぶし、濃く暗い緑色のペースト状になるまで少しずつエクストラ・バージン・オリーブ・オイルを加える。保存する場合は、ペストを薄いオイルの層で覆いガラス容器に移す必要がある。

ペストの作り方

編集

代表的な利用法

編集

日本

編集
 
ジェノヴェーゼソースがかかったパスタ

日本では、緑色の「ペスト・ジェノヴェーゼ」がジェノヴェーゼソースを指すが、イタリアでは牛肉と玉ねぎを炒めたスーゴ・アッラ・ジェノヴェーゼを指す。

脚注

編集


関連項目

編集

外部リンク

編集