蛇紋石
(ベルチェリンから転送)
蛇紋石(じゃもんせき、serpentine、サーペンティン)はマグネシウムを主とする含水ケイ酸塩鉱物である[1]。色は主に緑色で、赤色、黄色、黒色などが混ざる[1]。単斜晶系と斜方晶系に属す[1]。通常、鱗片状、繊維状、塊状である[1]。蛇紋岩は蛇紋石が主成分である[1]。
化学組成は(Mg,Fe)3Si2O5(OH)4であり、カンラン石の変質により生じる。日本での主な産出場所は、埼玉県秩父郡皆野町金崎や高知県高知市円行寺などである。
種類
編集- アンチゴライト(antigorite、葉蛇紋石)
- 、単斜晶系。
- 単斜クリソタイル石(clinochrysotile)
- 、単斜晶系。
- 斜方クリソタイル石(orthochrysotile)
- 、斜方晶系。
- リザード石(lizardite)
- 、六方晶系。
いずれもよく似ていて、肉眼での区別は困難。
ベルチェリン
編集ベルチェリン(berthierine) : (Fe,Fe3+,Mg)2-3(Si,Al)2O5(OH)4、は単斜晶系の鉱物であり、アンチモンを含む鉄の硫化物FeSb2S4である。虹色の金属光沢を持つスチールグレーである。その外観のため、しばしば輝安鉱と間違われる。
1827年にフランスで発見され、フランスの化学者、ピエール・ベルティエ(1782〜1861)にちなんで名付けられた。
脚注
編集参考文献
編集- 黒田吉益・諏訪兼位 『偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版』 共立出版、1983年。ISBN 4-320-04578-5。
- 松原聰 『日本の鉱物』 学習研究社〈フィールドベスト図鑑〉、2003年。ISBN 4-05-402013-5。
- 松原聰・宮脇律郎 『日本産鉱物型録』 東海大学出版会〈国立科学博物館叢書〉、2006年。ISBN 978-4-486-03157-4。
関連項目
編集外部リンク
編集- Serpentine Group(mindat.org)
- Kaolinite-Serpentineグループ(地球資源論研究室)