ベルサリド
ベルサリド(英: Versalide)は、化学式C18H26Oで表される、多環状合成ムスクの一つである。ベルサリドの名称はジボダン社の商標で、使用上の融通性を表すversatilityから名付けられた[1]。
ベルサリド Versalide[1] | |
---|---|
別称 7-アセチル-1,1,4,4-テトラメチル-6-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロ ナフタレン AETT | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 88-29-9 |
特性 | |
化学式 | C18H26O |
モル質量 | 258.4 g mol−1 |
外観 | 白色の結晶またはフレーク状の固体 |
匂い | ムスク香 |
水への溶解度 | 不溶 |
有機溶媒への溶解度 | アルコール、フタル酸ジエチル、油類に可溶 |
危険性 | |
半数致死量 LD50 | 316mg/kg(ラット、経口) |
関連する物質 | |
関連する多環状ムスク | トナリド ガラクソリド |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
用途
編集ソフトなムスク香を持ち、香料として広く使われたが、神経毒性および色素脱出能があることが明らかになり、香料としての使用は禁止された。本物質と同様にテトラリン骨格を持つ構造異性体に、Polack's Frutal社のトナリドがある。
合成
編集塩化鉄を触媒としてエチルベンゼンと2,5-ジクロロ-2,5-ジメチルヘキサンを縮合させたのち、塩化アセチルでアセチル化させることにより合成される[1]。
脚注
編集参考文献
編集- 印藤元一『合成香料 化学と商品知識』化学工業日報社、2005年、414-415頁。ISBN 4-87326-460-X。