ベラ・ジュニア
ベラ・ジュニア (Vela Junior) とは、地球から見てほ座の方向に約650から700光年離れた位置にある超新星残骸である[1][2][3]。
ベラ・ジュニア Vela Junior | ||
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星座 | ほ座[1] | |
視直径 | 2 × 2 度[1] | |
分類 | 超新星残骸[1][2][3] | |
発見 | ||
発見年 | 1998年[2] | |
発見者 | Aschenbach, Bernd[2] | |
発見方法 | コンプトンガンマ線観測衛星による 44Tiから生ずるガンマ線の 分布調査による[2][3]。 | |
位置 元期:J2000.0[1] | ||
赤経 (RA, α) | 08h 52.0m[1] | |
赤緯 (Dec, δ) | −46° 20′[1] | |
距離 | 650 - 700 光年[3] | |
物理的性質 | ||
表面温度 | > 3000万 K[2] | |
爆発年代 | 1200年頃[2][3] | |
コンパクト星 | PSR J0855-4644[4] | |
他のカタログでの名称 | ||
RX J0852.0-4622, GRO J0852-467, HESS J0852-463, SNR G266.3-01.2, VELA Jr SN[1], G266.2−1.2[5]. |
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位置
編集ベラ・ジュニアは、地球に最も近い位置にある超新星残骸である。距離はガンマ線とX線の流束から推定された。ベラ・ジュニアは地球から見て1200年頃に超新星爆発をした後の残骸であると推定されている。ベラ・ジュニアは地球から650から700光年離れているので、実際には500年頃から550年頃に超新星爆発が起こっており、その光が1200年頃に到着したものである[2][3]。ベラ・ジュニアを生み出した超新星爆発は、地球からみてかなり明るかったと推定され、日本の鎌倉で水平線上に観測された光(1271年、日蓮の処刑が行われようとしていた際に目撃された光。龍ノ口法難)がそれであると推定されている[6]。ゲミンガと共に極めて地球から近い位置で発生した近地球超新星であり、この距離で超新星爆発が発生するのは10万年に1度といわれている[7]。
発見
編集ベラ・ジュニアの存在は、超新星爆発で生み出された核種である44Tiの崩壊(半減期約60.0年)から生じるガンマ線の分布を調べることで見つかった[2][3]。ベラ・ジュニアの視直径は2×2度の大きさに広がっている[1]。
中性子星
編集ベラ・ジュニアを生み出す超新星爆発で生じた中性子星はPSR J0855-4644であると考えられている。ベラ・ジュニアとPSR J0855-4644は、X線源であるAX J0851.9-4617を構成している[1]。チャンドラによる初期の観測では、PSR J0855-4644を発見することは出来なかった。発見が遅れたのはPSR J0855-4644がパルスをほとんど放出しない静かな中性子星であるからである。PSR J0855-4644の発見はベラ・ジュニアの発見から3年後の2001年である[4]。
名称
編集ベラ・ジュニアの名前は、地球から見るとほ座超新星残骸のすぐ近くの位置に、ほ座超新星残骸よりも小さなサイズで存在することから名づけられた。ただし、ベラ・ジュニアとほ座超新星残骸は直接物理的な関係はない。
出典
編集- ^ a b c d e f g h i j NAME VELA Jr SN -- SuperNova Remnant SIMBAD
- ^ a b c d e f g h i Discovery of a young nearby supernova remnant Astronomy Abstract Service
- ^ a b c d e f g Emission from 44Ti associated with a previously unknown Galactic supernova Astronomy Abstract Service
- ^ a b The Compact Central Object in the RX J0852.0-4622 Supernova Remnant Astronomy Abstract Service
- ^ The Compact Central Object in the Supernova Remnant G266.2–1.2 IOP Science
- ^ “Polynesian origins of the Māori in New Zealand and the supernova RX J0852.0-4622 / G 266.2-1.2 or Mahutonga Polynesian origins of the Mā ori in New Zealand and the supernova RX J0852.0-4622 / G 266.2-1.2 or Mahutonga”. 2022年9月14日閲覧。
- ^ On Deep-Ocean Fe-60 as a Fossil of a Near-Earth Supernova arXiv