ベラクルス (映画)
『ベラクルス』または『ヴェラクルス』[2](Vera Cruz)は、1954年にアメリカ合衆国で制作された映画。テクニカラーによるカラー作品、スーパースコープ。1866年、フランス干渉戦争中のメキシコを舞台とした西部劇である。
ベラクルス | |
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Vera Cruz | |
![]() ポスター(1954) | |
監督 | ロバート・アルドリッチ |
脚本 |
ローランド・キビー ジェームズ・R・ウェブ |
原作 | ボーデン・チェイス |
製作 | ジェームズ・ヒル |
出演者 |
ゲーリー・クーパー バート・ランカスター |
音楽 | ヒューゴー・フリードホーファー |
撮影 | アーネスト・ラズロ |
編集 | アラン・クロスランド・ジュニア(クレジット無し) |
配給 | ユナイテッド・アーティスツ |
公開 |
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上映時間 | 94分 |
製作国 |
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言語 | 英語 |
製作費 | $3,000,000 |
配給収入 |
1億7102万円[1] ![]() |

あらすじ
編集1866年のメキシコ。元何軍兵士のベン・トレーンは生きる糧を求め、メキシコへとやってきた。途中、ジョー・エリンという男から馬を買うが、実はメキシコ軍からの盗まれたものであり、ベンはジョーと共に追われる身となる。
なんとか追撃を振り切った二人であったが、途中、ベンは落馬。その隙にジョーはベンの財布を狙うがベンに返り討ちにされる。ベンはジョーの馬を奪うが、ジョーの命は助け、加えて取り上げた拳銃すら返してしまう。
やがて、町へと着いたベンは、酒屋でならず者のドネガンらに絡まれるが、ジョーが現れ彼を救う。ジョーはメキシコにたむろするガンマンたちの顔役で、私利私欲のためには裏切りさえ辞さない悪党だったが、経験豊富で冷静かつ紳士的なベンをなぜか気に入り仲間に勧誘、ベンもそれ応じる。
やがて広場で政府側のアンリ・ド・ラボルデール侯爵と抵抗軍のラミレス将軍からそれぞれ勧誘を受ける。ラミレス将軍の陳情に心を動かされるベンであったが、高給を示したラボルデール侯爵にジョーと共につくことにする。
やがて王宮についた一行は歓待を受け、マクシミリアン皇帝と謁見する。皇帝は二人の銃の腕を評価し、フランスへと帰国する伯爵夫人マリーの護衛の任を得ることとなる。
港町ベラクルスを目指す一行。その途中、ベンは依然広場で助けたメキシコ娘、ニナと再会、再び彼女の命を救う。その後、ベンとジョーは荷馬車の中に、軍資金の300万ドルの金貨が隠されていることを知る。そこにマリーが現れ、金貨の山分けを餌に二人に強奪をそそのかす。
旅が進むにつれ、ベンはニナとジョーはマリーと関係を深め、やがてジョーはマリーと共にベンを出し抜き、金貨を強奪することを画策するが、動きを知ったラボルデール侯爵は、彼らに罠をかけ、マリーを拉致、ベラクルス要塞と立てこもる。
一方、ベンとジョーはラミレス将軍率いる抵抗軍に包囲されるが、報酬10万ドルに加え、金貨の譲渡を条件に抵抗軍に加勢することとなる。ベンはニナを通じて抵抗軍の純真な意思に触れ、兵士としての気骨を取り戻していく。一方、ジョーはベンの心変わりを知り、金貨の独占を画策する。それぞれの思惑を含んだまま、ベラクレス要塞の総攻撃が開始されるが・・・。
キャスト
編集役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |
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NET版 | |||
ベン・トレーン | ゲーリー・クーパー | 黒沢良 | |
ジョー・エリン | バート・ランカスター | 久松保夫 | |
マリー・デュバル伯爵夫人 | デニーズ・ダーセル | 来宮良子 | |
アンリ・ド・ラボルデール侯爵 | シーザー・ロメロ | 大木民夫 | |
ニナ | サラ・モンティエル | ||
マクシミリアン皇帝 | ジョージ・マクレディ | 勝田久 | |
ドネガン | アーネスト・ボーグナイン | 相模武 | |
テックス | ジャック・イーラム | ||
ピッツバーグ | チャールズ・ブロンソン | 大塚周夫 | |
ラミレス将軍 | モリス・アンクラム | 河村弘二 | |
ダネット大尉 | ヘンリー・ブランドン | ||
不明 その他 |
N/A | 緑川稔 田中康郎 渡部猛 石森達幸 清川元夢 | |
日本語スタッフ | |||
演出 | |||
翻訳 | |||
効果 | |||
調整 | |||
制作 | 東北新社 | ||
解説 | 淀川長治 | ||
初回放送 | 1968年4月7日 『日曜洋画劇場』 |
ニューラインから2025年1月8日に発売された「吹替シネマCLASSICS」シリーズ『ヴェラクルス -TV吹替音声収録版-』にはNET版の日本語吹替を収録。一部音源の無い部分はオリジナル音声・日本語字幕となる。また吹替部分のみをシームレスで再生できる「日本語完全版再生機能」を搭載[3]。
ノベライズ
編集1955年鱒書房より発売された『西部映画小説集1』に収録。作者は大坪砂男で、東京創元社より発売された『大坪砂男全集3 私刑』(ISBN 978-4-488-42513-5)にも収録された。
脚注
編集- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)121頁
- ^ 日本初公開の際の日本語表記は『ベラクルス』であったが、後年DVD版が発売された際に『ヴェラクルス』に改められた。
- ^ “【吹替シネマCLASSICS】2024年12月より毎月リリース決定!” (2024年8月23日). 2024年9月25日閲覧。
関連項目
編集- ベラクルス - 作品名の由来となったメキシコの都市