ベラクルス』または『ヴェラクルス[2]Vera Cruz)は、1954年アメリカ合衆国で制作された映画テクニカラーによるカラー作品、スーパースコープ1866年フランス干渉戦争中のメキシコを舞台とした西部劇である。

ベラクルス
Vera Cruz
ポスター(1954)
監督 ロバート・アルドリッチ
脚本 ローランド・キビー英語版
ジェームズ・R・ウェブ英語版
原作 ボーデン・チェイス英語版
製作 ジェームズ・ヒル
出演者 ゲーリー・クーパー
バート・ランカスター
音楽 ヒューゴー・フリードホーファー
撮影 アーネスト・ラズロ
編集 アラン・クロスランド・ジュニア(クレジット無し)
配給 ユナイテッド・アーティスツ
公開 アメリカ合衆国の旗 1954年12月25日
日本の旗 1955年4月6日
上映時間 94分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $3,000,000
配給収入 1億7102万円[1] 日本の旗
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ゲーリー・クーパー(予告編から)

あらすじ

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1866年のメキシコ。元何軍兵士のベン・トレーンは生きる糧を求め、メキシコへとやってきた。途中、ジョー・エリンという男から馬を買うが、実はメキシコ軍からの盗まれたものであり、ベンはジョーと共に追われる身となる。

なんとか追撃を振り切った二人であったが、途中、ベンは落馬。その隙にジョーはベンの財布を狙うがベンに返り討ちにされる。ベンはジョーの馬を奪うが、ジョーの命は助け、加えて取り上げた拳銃すら返してしまう。

やがて、町へと着いたベンは、酒屋でならず者のドネガンらに絡まれるが、ジョーが現れ彼を救う。ジョーはメキシコにたむろするガンマンたちの顔役で、私利私欲のためには裏切りさえ辞さない悪党だったが、経験豊富で冷静かつ紳士的なベンをなぜか気に入り仲間に勧誘、ベンもそれ応じる。

やがて広場で政府側のアンリ・ド・ラボルデール侯爵と抵抗軍のラミレス将軍からそれぞれ勧誘を受ける。ラミレス将軍の陳情に心を動かされるベンであったが、高給を示したラボルデール侯爵にジョーと共につくことにする。

やがて王宮についた一行は歓待を受け、マクシミリアン皇帝と謁見する。皇帝は二人の銃の腕を評価し、フランスへと帰国する伯爵夫人マリーの護衛の任を得ることとなる。

港町ベラクルスを目指す一行。その途中、ベンは依然広場で助けたメキシコ娘、ニナと再会、再び彼女の命を救う。その後、ベンとジョーは荷馬車の中に、軍資金の300万ドルの金貨が隠されていることを知る。そこにマリーが現れ、金貨の山分けを餌に二人に強奪をそそのかす。

旅が進むにつれ、ベンはニナとジョーはマリーと関係を深め、やがてジョーはマリーと共にベンを出し抜き、金貨を強奪することを画策するが、動きを知ったラボルデール侯爵は、彼らに罠をかけ、マリーを拉致、ベラクルス要塞と立てこもる。

一方、ベンとジョーはラミレス将軍率いる抵抗軍に包囲されるが、報酬10万ドルに加え、金貨の譲渡を条件に抵抗軍に加勢することとなる。ベンはニナを通じて抵抗軍の純真な意思に触れ、兵士としての気骨を取り戻していく。一方、ジョーはベンの心変わりを知り、金貨の独占を画策する。それぞれの思惑を含んだまま、ベラクレス要塞の総攻撃が開始されるが・・・。

キャスト

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役名 俳優 日本語吹替
NET
ベン・トレーン ゲーリー・クーパー 黒沢良
ジョー・エリン バート・ランカスター 久松保夫
マリー・デュバル伯爵夫人 デニーズ・ダーセル英語版 来宮良子
アンリ・ド・ラボルデール侯爵 シーザー・ロメロ 大木民夫
ニナ サラ・モンティエルスペイン語版
マクシミリアン皇帝 ジョージ・マクレディ英語版 勝田久
ドネガン アーネスト・ボーグナイン 相模武
テックス ジャック・イーラム
ピッツバーグ チャールズ・ブロンソン 大塚周夫
ラミレス将軍 モリス・アンクラム英語版 河村弘二
ダネット大尉 ヘンリー・ブランドン英語版
不明
その他
N/A 緑川稔
田中康郎
渡部猛
石森達幸
清川元夢
日本語スタッフ
演出
翻訳
効果
調整
制作 東北新社
解説 淀川長治
初回放送 1968年4月7日
日曜洋画劇場

ニューラインから2025年1月8日に発売された「吹替シネマCLASSICS」シリーズ『ヴェラクルス -TV吹替音声収録版-』にはNET版の日本語吹替を収録。一部音源の無い部分はオリジナル音声・日本語字幕となる。また吹替部分のみをシームレスで再生できる「日本語完全版再生機能」を搭載[3]

ノベライズ

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1955年鱒書房より発売された『西部映画小説集1』に収録。作者は大坪砂男で、東京創元社より発売された『大坪砂男全集3 私刑』(ISBN 978-4-488-42513-5)にも収録された。

脚注

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  1. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)121頁
  2. ^ 日本初公開の際の日本語表記は『ベラクルス』であったが、後年DVD版が発売された際に『ヴェラクルス』に改められた。
  3. ^ 【吹替シネマCLASSICS】2024年12月より毎月リリース決定!” (2024年8月23日). 2024年9月25日閲覧。


関連項目

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外部リンク

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