ベニ県
ベニ県 (ベニけん、スペイン語: Departamento del Beni)は、ボリビア北東部の県。8つの郡で構成されている。行政府所在地はトリニダ。主な町としては、リベラルタやマグダレナなど。北東側はブラジル国境で、南側はコチャバンバ県、西側はパンド県とラパス県、南東側はサンタクルス県と接している。
ベニ県 Departamento del Beni | |||
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ベニ県の位置 | |||
国 | ボリビア | ||
県都 | トリニダ | ||
面積 | |||
• 合計 | 213,564 km2 | ||
人口 (2020年7月1日)[1] | |||
• 合計 | 480,300人 | ||
• 密度 | 2.2人/km2 | ||
等時帯 | UTC-4 | ||
ISO 3166コード | BO-B |
県の南西端にアンデス山脈東縁がかかり、標高約1,500mほどの山地となっているほかは、アマゾン川上流地域にあたり、標高400m以下の低平な地帯が県土の大部分を占める。年間降水量は1,000mmから2,000mmであり[2]、熱帯雨林が広がっている。20世紀初頭には天然ゴム生産で重要視されたが、近年は大きな産業が無く経済的には苦しんでいる。農業としては肉牛の飼育などの畜産業が行われている[3]。県はアマゾン、グランチャコとカンポ・セハードの3つのエコリージョンに位置し、イペ、マチェリアム属、スナバコノキ、ホンジュラスマホガニー、アッタレーア・プリンケプス、テリハボク属、カピロナ、アクロコミア属、クラテッラ属、プセウドボンバックス属などの生える熱帯森林、マトラルとサバナが多い。県内の一部にはモンキヨコクビガメなどが生息しており、1986年にユネスコの生物圏保護区に指定された[4]。
トリニダ市のように、17世紀頃にキリスト教の布教のために作られた町が多く存在し、現在も古い教会が多く残っている。
この地域ではキャッサバ(ユカ: yuca)を多く食べる。茹でたり焼いたり揚げたものがほぼ毎日の食卓に上る。
ベニ県はボリビア国内では、相対的に豊かな方[5]に入る。その影響もあり、2000年代に入り、サンタクルス県などと同様に地方自治の拡大を目的に自治憲章の制定を目指しているほか、2009年1月の新憲法に対する国民投票では西部の県と異なり、反対票が多数であった[6]。
隣接する県
編集ベニ県の郡
編集ベニ県は8郡(provincia)から構成されており、その傘下に市町村(municipio, cantón)がある。
地図上の位置 郡名 西語表記 人口
(2012年国勢調査)面積 (km²) 首府 首府西語表記 地図 2 セルカド郡 Cercado 111,624人 12,276 サンハビエル San Javier 6 ヴァカディエス郡 Vaca Díez 130,778人 22,434 リベラルタ Riberalta 4 ホセ・バリビアン郡 José Ballivián 82,700人 40,444 レジェス Reyes 5 ヤクマ郡 Yacuma 23,430人 34,686 サンタアナ・デル・ヤクマ Santa Ana del Yacuma 3 モホス郡 Moxos 22,163人 33,316 サンイグナシオ・デ・モホス San Ignacio de Moxos 1 マルバン郡 Marbán 16,331人 15,126 ロレト Loreto 7 マモレ郡 Mamoré 12,817人 18,706 サンホアキン San Joaquín 8 イテネス郡 Iténez 21,353人 36,576 マグダレナ Magdalena
脚注
編集- ^ City Population 閲覧日:2022年8月13日
- ^ 社団法人海外農業開発コンサルタンツ協会 ボリビア共和国ユンガス・デ・バンディオラ地区灌漑開発計画プロジェクトファインディング調査報告書 1p
- ^ JICA研究所 ボリビア国別援助研究会報告書 190P
- ^ “Beni Biosphere Reserve, Bolivia” (英語). UNESCO (2019年3月20日). 2023年3月23日閲覧。
- ^ JICA研究所 ボリビア国別援助研究会報告書 96P
- ^ 在ボリビア日本国大使館ボリビア概況