ヘキサボラン(10)
ヘキサボラン(10)(Hexaborane(10))または単にヘキサボランは、化学式B6H10の無機化合物である。無色の液体で、空気中では不安定である[1]。
ヘキサボラン(10) | |
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 23777-80-2 |
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特性 | |
化学式 | H10B6 |
モル質量 | 74.95 g mol−1 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
構造
編集ヘキサボラン(10)は、nido-型のクラスターに分類される[2]:152。ホウ素原子は五角錐の形で、架橋水素原子4つ、末端水素原子6つを伴っている。分子の点群は、Csである[3]。
合成と反応
編集研究室では、ペンタボラン(11)のホウ素化の後に脱プロトン化、臭素化することで[BrB5H7]-とし、このアニオン性クラスターをジボランで還元して中性生成物を得る[1]。
- K[BrB5H7] + 1/2 B2H6 → KBr + B6H10
また、ペンタボラン(11)の熱分解でも生成する。
脱プロトン化すると、[B6H9]-、プロトン化すると[B6H11]+を与える[1]。反応性の高いボランラジカルに対してはルイス塩基として働き、様々なconjuncto-クラスターを形成する[2]:162。
出典
編集- ^ a b c Remmel, R. J.; Johnson, H. D.; Brice, V. T.; Shore, S. G.; Gaines, D. F. (1979). “Hexaborane(10)”. Inorganic Syntheses 19: 247-253. doi:10.1002/9780470132500.ch58. ISBN 9780470132500.
- ^ a b グリーンウッド, ノーマン; アーンショウ, アラン (1997). Chemistry of the Elements (英語) (2nd ed.). バターワース=ハイネマン. ISBN 978-0-08-037941-8。
- ^ Hirshfeld, F. L.; Eriks, K.; Dickerson, R. E.; Lippert, E. L.; Lipscomb, William N. (1958). “Molecular and Crystal Structure of B6H10” (英語). The Journal of Chemical Physics 28 (1): 56-61. doi:10.1063/1.1744080. ISSN 0021-9606 .