プロパゲルマニウム(Propagermanium)は、ゲルマニウム含有有機化合物のひとつで、別名は、ビス(2-カルボキシエチルゲルマニウム)三二酸化物、または、2-カルボキシエチルゲルマン三二酸化物とも呼ばれる[1]。B型慢性肝炎の治療に承認された医薬品セロシオン

プロパゲルマニウム
識別情報
CAS登録番号 12758-40-6
PubChem 83030
特性
化学式 C6H10O7Ge2
モル質量 339.4222 g/mol
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

効能・効果

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日本での効能・効果は「HBe抗原陽性B型慢性肝炎におけるウイルスマーカーの改善」である。B型慢性肝炎の補完代替治療として用いられる。ウイルス感染防御作用および免疫賦活作用を有する[2]

研究

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FBXW7英語版たんぱく質に働きかけ、がんの転移を抑制することが2015年に九州大学の動物実験で確かめられている[3][4]。2020年に同大の研究により、人間の乳がんの12人で同様の効果が見られ転移抑制能力が確認された[5]

禁忌

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  • 黄疸のある患者
  • 肝硬変の患者、あるいは肝硬変の疑われる患者

副作用

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重大な副作用として、B型慢性肝炎の急性増悪が知られている。

出典

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  1. ^ M.P. Egorov, P.P. Gaspar (1994), Germanium: Organometallic chemistry in Encyclopedia of Inorganic Chemistry. John Wiley & Sons ISBN 0-471-93620-0
  2. ^ セロシオンカプセル10 添付文書” (2016年10月). 2016年11月5日閲覧。
  3. ^ F-box protein FBXW7 inhibits cancer metastasis in a non-cell-autonomous manner” (2015年1月2日). 2015年1月6日閲覧。
  4. ^ 既存薬でがん転移抑制 九大教授ら、マウス実験で確認” (2015年1月3日). 2015年1月6日閲覧。
  5. ^ Masuda T, Noda M, Kogawa T, Kitagawa D, Hayashi N, Jomori T, Nakanishi Y, Nakayama KI, Ohno S, Mimori K (2020-3). “Phase I dose-escalation trial to repurpose propagermanium, an oral CCL2 inhibitor, in patients with breast cancer”. Cancer Sci. 111 (3): 924–931. doi:10.1111/cas.14306. PMC 7060487. PMID 31943636. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/pmid/31943636/.