プリンセス・エリザベス・ランド
プリンセス・エリザベス・ランド (英語: Princess Elizabeth Land) は、南極にある地域の名称。南極大陸の東部(東南極)、インド洋の方向にあたる地域である。
この地域は1931年、ダグラス・モーソン率いるイギリス・オーストラリア・ニュージーランド南極調査探検隊(BANZARE)によって発見された。名称は当時のイギリスのエリザベス王女(後のエリザベス2世)にちなむ[1]。
名称
編集南極研究科学委員会(SCAR)がまとめた各国による地名呼称によれば、オースラトリア[1]およびロシア[2]が Princess Elizabeth Land の地名を用いている。アメリカ地質調査所(USGS)の地名情報システム(GNIS)に、Princess Elizabeth Land の名称は登録されていない。
このほか、エリザベス2世にちなむ南極の地名は、Queen Elizabeth Range などがある。ウェッデル海付近には、女王としてのエリザベス2世にちなみ、2012年にイギリスによって「クイーン・エリザベス・ランド」と名付けられた地名があるが、この命名にはアルゼンチンが反発している。
地理
編集位置・広がり
編集オーストラリアによれば、東経73度から東経87度55分20秒のセクターを指す[1]。別の定義によれば、東経73度から東経87度43分にかけての範囲が「プリンセス・エリザベス・ランド」とされる[3]。いずれも東端はCape Penckとされるが、オーストラリア[1]とUSSG[4]の座標の定義が異なる。西側はマック・ロバートソン・ランド(アメリー棚氷)に接し、東側はヴィルヘルム2世ランドに接する。
海岸
編集西側の海岸は、イングリット・クリステンセン海岸、東側はレオポルド・アンド・アストリッド海岸と呼ばれる。USGSの定義によれば、以下の通り区分される。
地域 | 西限 | 東限 | 説明 | 参考 |
---|---|---|---|---|
イングリット・クリステンセン海岸 Ingrid Christensen Coast |
72°33' E | 81°24' E | Jennings Promontory と West Ice Shelf 西端の間。 | [5] |
レオポルド・アンド・アストリッド海岸 Leopold and Astrid Coast |
81°24' E | 87°43' E | West Ice Shelf 西端 と Cape Penck の間。 | [6] |
領有権主張
編集オーストラリアが、「オーストラリア南極領土」の一部として領有を主張している。ただし、南極条約によって、南極地域における領土主権、請求権は凍結されている。
観測基地
編集歴史
編集1931年2月9日、ダグラス・モーソン率いるイギリス・オーストラリア・ニュージーランド南極調査探検隊(BANZARE)によって、飛行機から発見された[3]。1935年2月、ノルウェーの捕鯨家である Klarius Mikkelsen によって、初の上陸が行われた[3]。
脚注
編集- ^ a b c d “Princess Elizabeth Land (AUS)”. SCAR Composite Gazetteer. Australian Antarctic Division. 2013年5月12日閲覧。
- ^ “Princess Elizabeth Land (RUS)”. SCAR Composite Gazetteer. Australian Antarctic Division. 2013年5月12日閲覧。
- ^ a b c William J. Mills (2003). Exploring Polar Frontiers: A Historical Encyclopedia. ABC-Clio Inc. p. 534. ISBN 1576074226 2013年5月12日閲覧。
- ^ "Cape Penck". Geographic Names Information System. U.S. Geological Survey. 2013年5月13日閲覧。
- ^ "Ingrid Christensen Coast". Geographic Names Information System. U.S. Geological Survey. 2013年5月13日閲覧。
- ^ "Leopold and Astrid Coast". Geographic Names Information System. U.S. Geological Survey. 2013年5月13日閲覧。