プライベート・ウォー
『プライベート・ウォー』(A Private War)は、2018年のアメリカ合衆国の伝記映画。監督はマシュー・ハイネマン、出演はロザムンド・パイクとジェイミー・ドーナンなど。マリー・ブレナーが2012年に『ヴァニティ・フェア』に発表した記事「Marie Colvin's Private War(メリー・コルヴィンの個人的な戦い)」を原作とし、2012年にシリアで取材中に死亡した戦場記者メリー・コルヴィンを描いている。
プライベート・ウォー | |
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A Private War | |
監督 | マシュー・ハイネマン |
脚本 | アラッシュ・アメル |
原作 |
マリー・ブレナー 「Marie Colvin's Private War」 |
製作 |
マシュー・ハイネマン マシュー・ジョージ ベイジル・イヴァニク メリッサ・マクマーン シャーリーズ・セロン |
製作総指揮 |
マリー・ブレナー リー・ブロダ ベス・コノ ジェイソン・レズニック デヴィッド・ダイナースタイン A・J・ディックス ジョナサン・ファーマン ジョー・ゲルキオン ウェイン・マーク・ゴッドフリー エリカ・リー ロバート・ジョーンズ マイケル・ルーター ジェフ・ライス ウィリアム・サドライエ アシュレイ・シュライファー ニコール・アレクサンドラ・シプリー ジェフリー・ソブラト |
出演者 |
ロザムンド・パイク ジェイミー・ドーナン スタンリー・トゥッチ トム・ホランダー |
音楽 | H・スコット・サリーナス |
主題歌 |
アニー・レノックス 「Requiem for A Private War」[1] |
撮影 | ロバート・リチャードソン |
編集 | ニック・フェントン |
製作会社 |
アカシア・フィルムド・エンターテインメント サヴィ・メディア・ホールディングス サンダー・ロード・ピクチャーズ デンヴァー・アンド・デリラ・プロダクションズ |
配給 |
アヴィロン・ピクチャーズ ポニーキャニオン |
公開 |
2018年11月2日 2019年9月13日 |
上映時間 | 110分[2] |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
興行収入 |
$3,915,207[3] 3000万円[4] |
ストーリー
編集ジャーナリストのコルヴィンは、戦場の最前線で命がけの取材を続けていた。2001年に向かったスリランカ内戦の取材中、爆発に巻き込まれて左目を失う重傷を負った。失った片目を眼帯で隠し、表向きは気丈に振る舞っていたが、トラウマに苦しめられる。それでもなおイラクやアフガニスタンなどに渡り、戦場での取材をやめることはなかった。2012年、コルヴィンはシリア政府の監視の目をかいくぐり、同国で起きている内戦の取材に赴いたが、そこで彼女は命を落とすことになった。
コルヴィンは戦場ジャーナリストとしての活動を続けるに当たって、数多くのものを犠牲にしてきた。彼女をそこまで駆り立てたものは何だったのか。本作はその謎を解き明かしていく。
キャスト
編集※括弧内は日本語吹替
- メリー・コルヴィン: ロザムンド・パイク(五十嵐麗)
- ポール・コンロイ: ジェイミー・ドーナン(佐々木啓夫) - メリーの相棒のカメラマン。
- トニー・ショウ: スタンリー・トゥッチ(飯島肇) - メリーの最後の恋人。
- ショーン・ライアン: トム・ホランダー(拝真之介) - メリーの上司。
- ノーム・コバーン: コーリイ・ジョンソン - メリーと親しい兵士。
製作
編集2017年4月18日、ロザムンド・パイクが本作に出演するとの報道があった[5]。10月26日、ジェイミー・ドーナンの出演が決まったと報じられた[6]。11月21日、トム・ホランダーの起用が発表された[7]。2018年1月、スタンリー・トゥッチがキャスト入りした[8]。
公開・興行収入
編集2018年2月、アヴィロン・ピクチャーズが本作の全米配給権を購入したと報じられた[11]。9月7日、本作は第43回トロント国際映画祭でプレミア上映された[12]。本作の上映はミルバレー映画祭(10月4日)とウッドストック映画祭(10月14日)でも行われた[13][14]。
2018年11月2日、本作は全米4館で限定公開され、公開初週末に6万491ドル(1館当たり1万5123ドル)を稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場38位となった[15]。11月16日には、公開規模が865館にまで拡大され、週末に70万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング16位となった[16]。
評価
編集本作は批評家から好意的に評価されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには143件のレビューがあり、批評家支持率は88%、平均点は10点満点で7.1点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「『プライベート・ウォー』は前線に立つジャーナリストに求められる自己犠牲を評価しつつ、メリー・コルヴィンを称えているが、その称え方には抑制が効いている。また、ロザムンド・パイクの演技はキャリア最高のものである。」となっている[17]。また、Metacriticには32件のレビューがあり、加重平均値は75/100となっている[18]。
出典
編集- ^ Ramos, Dino-Ray (2018年9月12日). “Annie Lennox Writes And Performs Original Song For ‘A Private War’ – Toronto” (英語). Deadline.com 2021年1月30日閲覧。
- ^ “プライベート・ウォー”. 映画.com. 2019年5月29日閲覧。
- ^ “A Private War” (英語). Box Office Mojo. 2021年1月29日閲覧。
- ^ 『キネマ旬報』2020年3月下旬特別号 68頁。
- ^ Kroll, Justin (2017年4月18日). “Rosamund Pike to Play War Reporter Marie Colvin in Biopic” (英語). Variety 2018年11月4日閲覧。
- ^ Kroll, Justin (2017年10月26日). “‘Fifty Shades’ Actor Jamie Dornan to Star With Rosamund Pike in Marie Colvin Biopic (EXCLUSIVE)” (英語). Variety 2018年11月4日閲覧。
- ^ McNary, Dave (2017年11月21日). “Tom Hollander Joins Rosamund Pike, Jamie Dornan in ‘A Private War’” (英語). Variety 2018年11月4日閲覧。
- ^ Sommers, Kat (2018年1月19日). “Stanley Tucci Joins Rosamund Pike, Tom Hollander and Jamie Dornan for ‘A Private War’” (英語). BBC America 2018年11月4日閲覧。
- ^ Clarke, Stewart (2018年1月18日). “Stanley Tucci Joins Rosamund Pike, Jamie Dornan in ‘A Private War’ (EXCLUSIVE)” (英語). Variety 2018年11月4日閲覧。
- ^ Tartaglione, Nancy (2017年11月14日). “Oscar-Winning DP Robert Richardson To Lens ‘A Private War’ With Rosamund Pike” (英語). Deadline.com 2018年11月4日閲覧。
- ^ Lang, Brent (2018年2月2日). “Aviron Buys ‘Serenity’ With Matthew McConaughey, ‘A Private War’ With Rosamund Pike (EXCLUSIVE)” (英語). Variety 2018年11月4日閲覧。
- ^ Hipes, Patrick (2018年9月4日). “‘Galveston’ Removed From Toronto Film Festival Lineup; ‘A Private War’ Takes Its Slot” (英語). Deadline.com 2018年11月4日閲覧。
- ^ McNary, Dave (2018年8月22日). “Rosamund Pike’s ‘A Private War’ to Open Mill Valley Film Festival” (英語). Variety 2018年11月4日閲覧。
- ^ “Matthew Heineman’s A PRIVATE WAR to Close 2018 Woodstock Film Festival” (英語). VIMOOZ. (2018年8月24日) 2018年11月4日閲覧。
- ^ “Domestic 2018 Weekend 44 / November 2-4, 2018” (英語). Box Office Mojo. 2019年5月29日閲覧。
- ^ “Domestic 2018 Weekend 46 / November 16-18, 2018” (英語). Box Office Mojo. 2019年5月29日閲覧。
- ^ “A Private War (2018)” (英語). Rotten Tomatoes. 2021年1月29日閲覧。
- ^ “A Private War Reviews” (英語). Metacritic. 2021年1月29日閲覧。