ブラジリアン・ホット・デュオ
『ブラジリアン・ホット・デュオ』(原題:Gil e Jorge)は、ブラジルのミュージシャン、ジルベルト・ジルとジョルジ・ベンジョール(当時の名義はジョルジ・ベン)が1975年に連名で発表したスタジオ・アルバム。オリジナルLPは2枚組だったが[1]、後の再発CDでは1枚にまとめられた。
『ブラジリアン・ホット・デュオ』 | |||||
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ジルベルト・ジル&ジョルジ・ベン の スタジオ・アルバム | |||||
リリース | |||||
録音 | リオデジャネイロ | ||||
ジャンル | MPB | ||||
時間 | |||||
レーベル |
フィリップス・レコード ヴァーヴ・レコード(リイシュー) | ||||
プロデュース | Paulinho Tapajós、Perinho Albuquerque | ||||
専門評論家によるレビュー | |||||
ジルベルト・ジル アルバム 年表 | |||||
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ジョルジ・ベン 年表 | |||||
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背景
編集2人のアコースティック・ギター弾き語りによるデュエットに、ベースとパーカッションを加えただけの編成のジャム・セッションが録音され、オーバー・ダビングは行われていない[2]。レコーディングは短期間で行われ、パーカッションを担当したジャルマ・コレアによれば、全曲を4日ほどで録音したという[3]。収録曲は両名の曲のセルフ・カヴァーが中心だが、「サーロ(即興の楽しみ)」は本作のレコーディングで生まれた即興曲で、ジルとベンが共作したのは、これが初めてである[3]。
1978年に発売された日本盤LP (FDX-376)は、各曲とも短く編集されて1枚物のLPとなっていた[4]。
評価
編集『ローリング・ストーン・ブラジル』誌が選出した「ブラジル音楽の偉大なアルバム100」では60位となった[5]。ジョン・ブッシュはオールミュージックにおいて満点の5点を付け「アルバムに収録された長大な曲には、ジルとベンによる高度な相互作用、フレーズのやり取り、そしてその繰り返しがフィーチャーされている」と評している[1]。また、音楽評論家のミケランジェロ・マトスはThe A.V. Clubにおいて、本作をジルベルト・ジルの最高傑作と位置付け「両名が互いに煽り合って、私が今まで聴いてきた中の誰にも凌駕できなそうな、最もフレンドリーかつ最もスリリングなゲームとなっている」と評している[6]。
シンガーソングライターのアーニー・ディフランコは、自身のアルバム『¿Which Side Are You On?』(2012年)を制作していた頃に本作を繰り返し聴いていたとのことで、『ニューヨーク・タイムズ』紙のインタビューにおいて「思うに、(私の聴いているミュージシャンは)一貫して、音楽に対して本当に自由な人たちばかりで、その最たるものが、この『Gil e Jorge』なのよ。限界ギリギリまで生々しい。彼らは本当に自由で楽しそうよね」とコメントしている[7]。
収録曲
編集1. 4. 5. 6.はジョルジ・ベン作、2. 3. 7. 8.はジルベルト・ジル作、9.は2人の共作。
- 聖なる使徒に栄光あれ - "Meu Glorioso São Cristóvão" - 8:13
- ブロンド娘のネーガ - "Nega" - 10:37
- ジュルベバの木 - "Jurubeba" - 11:40
- 誰の指図? - "Quem Mandou (Pé na Estrada)" - 6:52
- タジ・マハール - "Taj Mahal" - 14:46
- 男らしくしろよ - "Morre o Burro, Fica o Homem" - 6:10
- ラジオで放送 - "Essa é pra Tocar no Rádio" - 6:14
- ガンジーの信奉者たち - "Filhos de Gandhi" - 13:11
- サーロ(即興の楽しみ) - "Sarro" - 1:09
参加ミュージシャン
編集- ジルベルト・ジル - ボーカル、アコースティック・ギター
- ジョルジ・ベン - ボーカル、アコースティック・ギター
- Wagner - ベース
- ジャルマ・コレア - パーカッション
脚注・出典
編集- ^ a b Bush, John. “Gil e Jorge - Jorge Ben, Gilberto Gil”. AllMusic. 2015年12月7日閲覧。
- ^ “Found Sound 2005”. Pitchfork. Condé Nast (2006年1月23日). 2015年12月7日閲覧。
- ^ a b 日本盤CD (UICY-77229)ライナーノーツ(田中勝則、1990年6月)
- ^ Gilberto Gil & Jorge Ben - Gil & Jorge (Vinyl, LP, Album) at Discogs - 日本盤LP(1978年)の情報
- ^ “Listas - Os 100 Maiores Discos da Música Brasileira - Gil e Jorge Ogum Xangô - Gilberto Gil e Jorge Ben (1975, Philips)”. Rolling Stone Brasil. 2016年2月7日閲覧。
- ^ “One more impossible installment”. The A.V. Club. Onion Inc. (2010年11月19日). 2015年12月7日閲覧。
- ^ McKinley Jr., James C. (2012年1月20日). “Ani DiFranco Listens to Gilberto Gil and Pete Seeger”. New York Times. 2015年12月7日閲覧。