ブドヴァイス-リンツ-グムンデン馬車鉄道

オーストリア最初の鉄道

ブドヴァイス-リンツ-グムンデン馬車鉄道は1827年に開業したオーストリア最初の鉄道である。主にザルツカンマーグートからボヘミアへ塩を輸送した。最盛期はブドヴァイス(現在のチェスケー・ブジェヨヴィツェ)-リンツ-グムンデンで馬車を運行していた。その後ブドヴァイス-リンツ線(延長128.8km)、リンツ-グムンデン線(67.9km)のいずれも普通鉄道に転換されていて、おおむね現在のチェコ国鉄チェスケー・ブヂェヨヴィツェ - ズンメラウ線オーストリア国鉄ズンメラウ線西部鉄道(リンツ-ランバッハ間)・ランバッハ-グムンデン地方線にあたる。軌間は1106mmであった。

ブドヴァイス-リンツ-グムンデン馬車鉄道の路線

沿革

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第一鉄道会社の開設

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1825年に第一鉄道会社(k.k. privilegierten Ersten Eisenbahn-Gesellschaft)の設立が許可された。

ブドヴァイス-リンツ線の開業

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1832年の開業式典で馬車鉄道に乗車するオーストリア皇帝と皇后
 
復元された馬車鉄道の軌道

1827年にブドヴァイス-Zartlesdorf間50kmが開業し、1832年にブドヴァイス-リンツ間127.8kmが全通した。この時のリンツ側終点はドナウ川北岸のウルファールにあり、ザンクト・マグダレーナで行われた開業式典にはオーストリア皇帝フランツ1世と皇后が臨席した。

旅客列車の運行

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馬車鉄道の貨物列車と通常の荷馬車の比較
 
旅客列車
 
1849年9月18日付のブドヴァイスからリンツまでの一等切符
 
復元された馬車鉄道(カーシュバウムの馬車鉄道博物館)

当初、ブドヴァイス-リンツ線では貨物列車のみが運行されていたが、やがて旅客輸送も行われるようになり、1836年からは「長距離列車」の運行が行われた。「長距離列車」は両終端駅から午前5時に出発し、昼食時にカーシュバウムで合流してレストランで食事をし、午後7時に戻るというものであった。この他にリンツからレストまでの旅客列車も運転された。旅客列車は4月から10月まで運行された。

リンツ-グムンデン線の開業に先立って、1835年に現在のニーベルンゲン橋付近にドナウ川を渡る木橋が設けられ、ドナウ川南岸にリンツのターミナルが設けられた。

リンツ-グムンデン線の開業

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1836年にリンツ-グムンデンの路線が開通した。ただし、最終的に終点となったRathausplatzまでの開通は1842年である。

馬車鉄道の終焉

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リンツ-グムンデン線

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1854年にリンツ-グムンデン線で蒸気機関車の試運転が行われた。その結果、1855年にリンツ-ランバッハ間、1856年にランバッハ-グムンデン間に蒸気機関車が導入された。この際旅客用として10両、貨物用として4両のいずれも1106mm軌間の機関車が制作された。

第一鉄道会社の解散

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後に西部鉄道を開業する皇后エリーザベト鉄道会社が第一鉄道会社を買収し、第一鉄道会社は1857年に解散した。その際の買収価格は初期投資額の80%増しであった。

ブドヴァイス-リンツ線

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ブドヴァイス-リンツ線は皇后エリーザベト鉄道による買収後も馬車による運行が続けられた。このころブドヴァイス-リンツ線により南側の皇太子ルドルフ鉄道と北側の皇帝フランツ・ヨーゼフ鉄道を連絡し、トリエステからプラハまでの路線とすることが計画されたが、急曲線や急勾配があるため馬車鉄道の路線のままでは蒸気機関車を導入することができなかった。そこで、標準軌の新線を建設することになった。その際、カーシュバウム峠の南側については、皇太子ルドルフ鉄道との連絡のためにザンクト・ファレンティンに向かう路線と途中のガイスバッハ・ヴァルトベルクで分かれて馬車鉄道と同様にリンツへ向かう路線の両方を建設することになり、ドナウ川に2本の鉄橋が架けられた。1871年にブドヴァイスとザンクト・ファレンティンを結ぶ標準軌の新線が開業し、1872年を最後に馬車の運行は取りやめられた。ガイスバッハ・ヴァルトベルクとリンツを結ぶ新線は1873年に開通した。なお、その後ザンクト・ファレンティンに向かう路線のガイスバッハ・ヴァルトベルク-マウトハウゼン間が廃止されたため、現在はリンツに向かう路線が使われている。

遺跡

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リンツ南駅
 
ランバッハStadl-Paura駅
 
グムンデンEngelhof駅

参考文献

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  • Roland Anzengruber: Die Pferdeeisenbahn in alten Ansichten. Verlag Europäische Bibliothek, Zaltbommel (Niederlande) 1985, ISBN 90-288-3137-1/CP.
  • Peter Csendes: Österreich 1790–1948. Wien 1987.
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  • Franz A. Gerstner: Über die Vortheile einer Anlage einer Eisenbahn zwischen Moldau und Donau. Wien 1824.
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  • Mathias von Schönerer (Hrsg.), Franz von Weiss (Lithograprhie): Karte der Eisenbahn zwischen Linz und Gmunden als Fortsetzung der Bahn von Budweis nach Linz. Ludwig Förster, Wien 1836.[2]
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  • Elmar Oberegger: Der Eiserne Weg nach Böhmen. Von der Pferde-Eisenbahn zur Summerauer Bahn. In: Oberösterreichische Landesausstellung in Ampflwang (Hrsg.): Mit Kohle und Dampf. Ausstellungskatalog. Linz 2006.
  • Elmar Oberegger: Die österreichischen Pferde-Eisenbahnen. In: Veröffentlichungen des Info-Büros für Österreichische Eisenbahngeschichte. 1, Sattledt 2007, 8 Seiten.
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  • Elmar Oberegger: Die Erste (österreichische) Eisenbahngesellschaft und ihr Netz 1824–1903. In: Veröffentlichungen des Info-Büros für Österreichische Eisenbahngeschichte. 5, Sattledt 2008, 29 Seiten.
  • Franz Pfeffer: Oberösterreichs erste Eisenbahnen. In: Oberösterreichische Heimatblätter. 5, Nr. 2, 1951, S. 97–181, Teil 1 (PDF) im Forum OoeGeschichte.at, Teil 2 (PDF) im Forum OoeGeschichte.at.
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  • Wilhelm Riehs: Die Pferdeeisenbahn Budweis–Linz–Gmunden. In: Jahrbuch des Musealvereines Wels 1969/70. Nr. 16, Wels 1970, online (PDF) im Forum OoeGeschichte.at.
  • Hermann Savernik: Der Dampfbetrieb auf der Pferdeeisenbahn (Budweis –) Linz – Gmunden. ÖGEG, Linz 2009, ISBN 978-3-902709-15-8.
  • Ulrich Schefold: 150 Jahre Eisenbahn in Österreich. Südwest-Verlag, München 1986.
  • Johannes Sima: Die Pferdeeisenbahn Budweis – Linz – Gmunden. Ein Beispiel der Technikgeschichte aus der Sicht des Denkmalschutzes. Wien 2008, Dissertation der TU-Wien (PDF; 57,4 MB).
  • Anton Wilhelm, Wilhelm Freh und Fritz Czauczer: Die Pferdebahn Budweis–Linz–Gmunden. Die eisenbahngeschichtliche Sammlung des OÖ. Landesmuseums. Ausstellung im Linzer Schloss. In: Kataloge des oberösterreichischen Landesmuseums. Linz 1971.

脚注

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関連項目

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